【『赤いろうそく』:新美南吉】あらすじ【童話】

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童話:『赤いろうそく』のご紹介です。

あらすじは読み聞かせができるようにまとめています。参考にして下さいませ。

このページでわかること
  1. 『赤いろうそく』のあらすじ
  2. 作者紹介
  3. 学校教育にまつわる情報
  4. 参考文献

『赤いろうそく』のあらすじ

あらすじと作者紹介です。

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物語:動物たちが大騒ぎ

赤いろうそく

やまからさとほうあそびにったさるが、一本いっぽんあかいろうそくをひろいました。

あかいろうそくは、たくさんあるものではありません。

それでさるは、あかいろうそくをはなだとおもんでしまいました。

さるひろったあかいろうそくを、だいやまってかえりました。

 

やまでは大変たいへんさわぎになりました。

なにしろはななどというものは、鹿しかにしてもししにしてもうさぎにしても、かめにしても、いたちにしても、たぬきにしても、きつねにしても、まだいちみたたことがありません。

そのはなさるひろってたというのであります。

 

「ほう、すばらしい」

「これは、すてきなものだ」

 

鹿しかししうさぎや、かめや、いたちや、たぬきや、きつねいへしいして、あかいろうそくをのぞきました。

するとさるが、

あぶない、あぶない。そんなにちかよってはいけない。爆発ばくはつするから」

といいました。

みんなはおどろいて、しりごみしました。

そこでさるは、はなというものが、どんなにおおきなおとをしてすか、そして、どんなにうつくしくそらにひろがるか、みんなにはなしてかせました。

そんなにうつくしいものならたいものだと、みんなはおもいました。

 

「それなら、今晩こんばんやま頂上てっぺんって、あそこでげてみよう」

さるがいいました。

みんなは大変たいへんよろこびました。

よるそらほしをふりまくように、ぱあっとひろがるはなかべて、みんなはうっとりしました。

 

さて、よるになりました。

みんなはむねをおどらせて、やま頂上てっぺんにやってきました。

さるはもうあかいろうそくをえだにくくりつけて、みんながるのをっていました。

いよいよ、これからはなげることになりました。

しかし、こまったことがきました。

もうしますのは、だれはなをつけようとしなかったからです。

みんなはなることはきでしたが、をつけにくことは、きでなかったのであります。

これでははなはあがりません。

 

そこで、くじ・・いて、をつけにくものをめることになりました。

第一だいいちにあたったものはかめでありました。

かめげんして、はなほうへやってきました。

うまくをつけることができたでしょうか。

いえいえ。

かめはなのそばまでると、くびぜんんでしまって、なかったのでありました。

 

そこでくじ・・がまたかれて、こんは、いたちがくことになりました。

いたちはかめよりは幾分いくぶんましでした。

というのは、くびめてしまわなかったからであります。

しかし、いたちはひどい近眼きんがん*でありました。

だから、ろうそくのまわりを、きょろきょろとうろついているばかりでありました。

 

とうとう、しししました。

ししはまったくいさましいけだものでした。

しし本当ほんとうにやっていって、をつけてしまいました。

みんなはびっくりして、くさむらにみ、みみかたくふさぎました。

みみばかりでなく、もふさいでしまいました。

しかし、ろうそくは、ぽんともいわずに、しずかにえているばかりでした。

(おわり)

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よう説明せつめい

近眼きんがんとおくのものが、ぼんやりとえてしまうこと

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作者:新美南吉

作者:新美にいみ南吉なんきち(1913~1943年)

現在の愛知県半田市に生まれた後、児童文学作家として活躍。

子供の頃から創作活動に意欲的で、半田中学校に在学していた14歳の頃から、童話や童謡、小説、詩、俳句、劇作などの創作をしていました。

十四歳の頃から、童話や童謡を盛んに創作し始めた。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』20ページ 新美南吉 より)

その後、半田小学校の代用教員をしながら、復刊した児童雑誌:『赤い鳥』に投稿。童話4編、童謡23編が掲載されます。

上京して東京外国語学校を卒業してからは、安城高等女学校で教員などの仕事をしながら、数々の作品を発表し続けました。

作品:1,500を超える作品を残した

(前略)童話の他、童謡、小説、戯曲、詩、俳句、短歌など、千五百を超える作品を残した。

それは、創作を始めたのが早かったおかげといえよう。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』20ページ 新美南吉 より)

その他の代表作の一部

当サイトでご紹介させていただいたその他の代表作の一覧です。

>>ごんぎつね

>>手袋を買いに

>>でんでんむしのかなしみ

>>二匹のかえる

>>花のき村と盗人たち

>>おじいさんのランプ

>>牛をつないだ椿の木

作風:善意溢れる詩情を讃えた作

庶民の子どもの生活や喜び、悲しみを、物語のなかにたくみにとけこませて、ユーモアのある独特な語りくちで、清潔で善意あふれる詩情をたたえた作である。
(『学習人物事典』332ページ より)

評価:1960年代に評価され始めた

生前にはあまりみとめられなかったが、1960年代にいたって評価されはじめ、『新美南吉全集』全8巻が出版された。
(『学習人物事典』332ページ より)

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『赤いろうそく』と学校教育

最後は童話:『赤いろうそく』の学校教育にまつわる情報です。

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小学2年生の教科書に掲載

まず本作は小学校2年生の教科書に掲載されたことがあるようです。

「赤いろうそく」は、小学二年生の教科書に採録された。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作 再び』59ページ 新美南吉 より)

実際に行われた指導例:『動物たちの様子や気持ちを考える』

なお、実際の学校教育の現場では、本作は『それぞれの場面の動物たちの様子や気持ちを考える』といった指導に結び付けられていたといいます。

「赤いろうそく」は、小学二年生の教科書に採録された。

授業では、次のような指導が行われた。

・「おし合いへし合いして、赤いろうそくをのぞいたとき」など、それぞれの場面の動物たちの様子や気持ちを考える。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作 再び』59ページ 新美南吉 より)

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【『赤いろうそく』:新美南吉】あらすじまとめ

童話:『赤いろうそく』は、動物たちの愉快な様子が描かれていました。

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参考文献

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