『おじいさんのランプ』あらすじを要約&解説【進学塾の講師だった自分が2つの教訓を考察】

ランプの灯り

名作童話:『おじいさんのランプ』のご紹介です。

あらすじは読み聞かせができるようにまとめています。参考にして下さいませ。

このページでわかること
  1. 『おじいさんのランプ』のあらすじ要約
  2. 【2つの教訓】あらすじの解説
  3. 参考文献

『おじいさんのランプ』のあらすじ要約

まずはあらすじと作者紹介です。

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物語:あるランプにまつわる思い出

ランプ

かくれんぼで、くらもぐんだ東一君とういちくんが、めずらしいかたちのランプをつけた。

おじいさんはこうった。

「このランプはな、おじいさんにはとてもなつかしいものだ。むかしはなしをしてやるから、ここへすわれ」

 

いまからじゅうねんぐらいまえ、ちょうどにち戦争せんそうころである。

岩滑やなべ新田しんでんむらに、巳之みのすけというじゅうさんしょうねんがいた。

みなしごであった巳之みのすけは、ちょうさんの納屋なやまわせてもらいながら、よそのいえつだいをしていた。

巳之みのすけは、いつかてるのだと、そのきっかけをっていた。

ある巳之みのすけ人力車じんりきしゃつだいをたのまれて、はじめてむら日暮ひぐどきおおまちはいった。

そこで巳之みのすけ一番いちばんおどろいたのは、しょうてんがともしているあかるいガラスのランプであった。

巳之みのすけむらではよるくらいものだった。

おおまちでは、ランプのひかりのもとで人々ひとびと生活せいかつし、ものがたりのようにうつくしくえた。

文明ぶんめいかいということがわかったようながした。

 

巳之みのすけはランプでランプをひとれ、むらしょうばいはじめる。

ふうらし、ランプはれるようになった。

巳之みのすけはこのしょうばいたのしかった。

だい巳之みのすけ青年せいねんとなり、ぶんいえぞくった。

ちょうさんにおしえてもらい、書物しょもつむことをおぼえた。

 

ぶんもこれでどうやらひとりちができたわけだ」

巳之みのすけこころ満足まんぞくおぼえるのであった。

 

しかし、ある巳之みのすけおおまちくと、そこではでんちゅうてられ、まぶしいくらいの電燈でんとうがともっていた。

電燈でんとうがともるようになれば、ランプしょうばいはいらなくなるだろう。

村会そんかいむらにも電燈でんとうをひくことがまったとき、巳之みのすけ脳天のうてん一撃いちげきをくらったようながした。

 

巳之みのすけ村会そんかいちょうさんをうらみ、いえうし小屋ごやをつけにく。

しかし、どれだけ火打ひういしっても、おおきなおとばかりでがつかない。

「マッチをってくりゃよかった。こげな火打ひうちみてえなふるくせえもなア、いざというときわねえだなア」

巳之みのすけははっきりとわかった。

 

ランプはもはやふるどうなのだ。

 

電燈でんとうというあたらしい便べんどうなかになったのである。

巳之みのすけいえかえると、だいしょうさまざまなじゅうぐらいのすべてのランプにをつけて、いけふちえだるした。

「わしの、しょうばいのやめかたはこれだ」

巳之みのすけはランプにけていしげた。

こうして巳之みのすけいままでのしょうばいをやめ、まちて、ほんになった。

 

「おじいさんはえらかったんだねえ」

 

東一君とういちくんは、巳之みのすけというのおじいさんのかおながめた。

そして、なつかしむようにふるいランプをた。

(おわり)

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よう説明せつめい

にち戦争せんそう:1904ねんきた日本にほんとロシアの戦争せんそう

岩滑やなべ新田しんでんあいけんはん位置いちする地区ちく

※みなしご:りょうしんのないのこと

おお:かつて現在げんざいあいけん常滑とこなめ存在そんざいしたまち

火打ひういしをつけるためにわせるいしのこと

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作者:新美南吉

作者:新美にいみ南吉なんきち(1913~1943年)

現在の愛知県半田市に生まれた後、児童文学作家として活躍。

子供の頃から創作活動に意欲的で、半田中学校に在学中から童話や童謡、小説、詩、俳句、劇作などをしていました。

その後、半田小学校の代用教員をしながら、復刊した児童雑誌『赤い鳥』に投稿。童話4編、童謡23編が掲載されます。

上京して東京外国語学校を卒業してからは、安城高等女学校で教員などの仕事をしながら、数々の作品を発表し続けました。

作品:その他の代表作の一部

当サイトでご紹介させていただいたその他の代表作の一覧です。

>>ごんぎつね

>>手袋を買いに

>>でんでんむしのかなしみ

>>二匹のかえる

>>花のき村と盗人たち

>>牛をつないだ椿の木

作風:善意溢れる詩情を讃えた作

庶民の子どもの生活や喜び、悲しみを、物語のなかにたくみにとけこませて、ユーモアのある独特な語りくちで、清潔で善意あふれる詩情をたたえた作である。
(『学習人物事典』332ページ より)

評価:1960年代に評価され始めた

生前にはあまりみとめられなかったが、1960年代にいたって評価されはじめ、『新美南吉全集』全8巻が出版された。
(『学習人物事典』332ページ より)

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『おじいさんのランプ』の解説「物語から学べる2つの教訓とは?」

では、「この童話:『おじいさんのランプ』からは、一体何を学ぶことができるのでしょうか?」

結論からいうと、そのあらすじから学べる教訓は大きく2つあると考えます。

あくまで自分の考察、解説に過ぎませんが、一つの参考としていただければ幸いです。

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<1>時代の変化に迅速かつ柔軟に対応することの意義

一つ目の教訓は、『時代の変化に迅速かつ柔軟に対応することの意義』です。

まずこの童話に登場する巳之助は、時代の変化に合わせて商売をランプ屋から本屋へと変化させています。

そうすることで巳之助は、少なくとも自身がおじいさんになるまで生き残ることができました。

またそんな巳之助は、苦しくもあった自身の思い出を、今では懐かしむこともできています。

そのため、以上のことからこの童話では、巳之助のように、『時代の変化に迅速かつ柔軟に対応すること』は、『意義あること』だと描写されていると考察しました。

もちろん何事も変化させることだけが正義ではありません。変わらないことの意義もあることだろうと思います。

ですが、この童話の最後では、巳之助が商売を変える決断をしたことを、これからの時代を生きるであろう東一君が尊敬する描写も描かれています。

この描写も少なからず、『時代の変化に迅速かつ柔軟に対応することの意義』が強調されているようにも見えました。

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<2>知性を駆使することの意義[人は考える葦]

とはいえ、この童話では、時代の流れに合わせてただ闇雲に変化することが推奨されていたわけではありません。

登場人物の巳之助は、放火に失敗した出来事を通じ、ランプが既に時代遅れであることに気づきます。

思わぬ出来事から気づきを得た巳之助ではありますが、それは巳之助自身がそのとき知性を働かせたからに他なりません。

もしそのとき巳之助が冷静にならず、ただ憎しみに任せて放火を続行していれば、時代の変化を客観的に実感することはできなかった可能性もあります。

このことは見方によっては、『知性を駆使することの意義』が問われているようにも思いました。これが2つ目の教訓です。

直感や思いつきに任せて運よく成功することもあれど、この童話においての巳之助は、その限りではありません。

知性を働かせ、常に意図を持ったうえで行動しています。

以上のことは、パスカルの言葉を借りるなら、「人は『考えるあし』である」という言葉が体現されているかのような童話だった気もしました。

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『おじいさんのランプ』あらすじを要約&解説まとめ

童話:『おじいさんのランプ』は、時代の荒波に翻弄されたおじいさん(巳之助)が、目の前のランプをきっかけに、そんな自身の過去を振り返っていくあらすじでした。

またそのあらすじは、時代の変化とどう向き合っていくかの示唆に富んでいたものだったとも思います。

現代はもちろん、これからの時代でも、色あせることなくその価値を帯び続けていくであろう名作童話であることに、間違いはありません。

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参考文献

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