『手袋を買いに』あらすじを簡単に短く要約&考察【『ごんぎつね』の作者が残した不朽の名作】

キツネたちの手

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名作 【『名作』一覧】童話や文学、戯曲など【海外と日本の有名作品集】

童話:『手袋を買いに』のあらすじです。

読み聞かせができるようにまとめています。参考にして下さいませ。

このページでわかること
  1. 『手袋を買いに』のあらすじ要約
  2. 考察と解釈
  3. 学校教育にまつわる情報
  4. 参考文献

『手袋を買いに』のあらすじを簡単に短く要約

あらすじと作者紹介です。

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物語:きつねの親子が抱く人間への思い

キツネ

さむふゆが、きつねの親子おやこもりにもやってきました。

そこでかあさんぎつねは、よるになったらまちまでき、ぎつねに毛糸けいと手袋てぶくろってあげようとかんがえます。

 

まちのそばまでたとき、かあさんぎつねは、「片手かたてして」と、ぎつねのを、可愛かわい人間にんげんえてみせました。

そして帽子屋ぼうしやさがすようにいます。

たたくと、なかから人間にんげんすこけるからね。そのいた隙間すきまから、この人間にんげんせて、「このにちょうどいい手袋てぶくろをちょうだい」ってうんだよ」

 

さらにかあさんぎつねはつぎのようにいます。

人間にんげんはね、相手あいてがきつねだとわかると、手袋てぶくろってくれないんだよ。それどころか、つかまえておりなかれちゃうんだ。人間にんげん本当ほんとうおそろしいんだよ」といました。

絶対ぜったいにこっちのせちゃいけないよ。人間にんげんのほうをせるんだよ」と、かあさんぎつねはぎつねの人間にんげんほうへおかねにぎらせました。

 

ぎつねはまちまでき、目指めざしていた帽子屋ぼうしやつけます。かあさんぎつねにわれたとおり、たたきました。

でも、ぎつねは間違まちがってきつねのほうを、隙間すきまからせてしまいました。

「このにちょうどいい手袋てぶくろください」

帽子屋ぼうしやはきつねのて、「(きつねがイタズラでたんだな…)」とおもったので、「さきにおかねください」といました。

しかし、ぎつねが帽子屋ぼうしやわたしたおかね本物ほんものだったので、帽子屋ぼうしやどもよう手袋てぶくろぎつねのたせてあげました。

キツネ立ち

かあさんぎつねは、心配しんぱいしながらぎつねのかえりをっていました。

いまいまかとふるえながらっていました。

そのため、ぎつねがかえってると、きたいほどよろこびました。

 

かあちゃん、人間にんげんって、ちっともこわくないよ。間違まちがえて本当ほんとうほうせちゃったんだ。でも、帽子屋ぼうしやさんはつかまえようとはしてこなかったもの。ちゃんと、こんなにいいあたたかい手袋てぶくろをくれたんだよ」とかえみちぎつねはって、手袋てぶくろのはまった両手りょうてうれしそうにパンパンとやってみせました。

心配しんぱいしてっていたかあさんぎつねはあきれましたが、「人間にんげんって本当ほんとうはいいものなのかしら…本当ほんとうはいいものなのかしら…」と、つぶやきました。

(おわり)

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作者:新美南吉

作者:新美にいみ南吉なんきち(1913~1943年)

現在の愛知県半田市に生まれた後、児童文学作家として活躍。

本作:『手袋を買いに』はそんな作者が20歳のとき(1934年(昭和9年))の作品になりますが、発表されたのはそれよりも後のことでした。

南吉の二十歳のときの作品だが、発表されたのは、南吉の死後に刊行された童話集『牛をつないだ椿つばきの木』の中である。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』100ページ 手袋を買いに より)

子供の頃から創作活動に意欲的で、半田中学校に在学していた14歳の頃から、童話や童謡、小説、詩、俳句、劇作などの創作をしていました。

十四歳の頃から、童話や童謡を盛んに創作し始めた。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』20ページ 新美南吉 より)

なお、『ごんぎつね』は作者が18歳のときの作品になります。

その後、半田小学校の代用教員をしながら、復刊した児童雑誌:『赤い鳥』に投稿。童話4編、童謡23編が掲載されました。

上京して東京外国語学校を卒業してからは、安城高等女学校で教員などの仕事をしながら、数々の作品を発表し続けています。

作品:1,500を超える作品を残した

(前略)童話の他、童謡、小説、戯曲、詩、俳句、短歌など、千五百を超える作品を残した。

それは、創作を始めたのが早かったおかげといえよう。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』20ページ 新美南吉 より)

その他の代表作の一部

当サイトでご紹介させていただいたその他の代表作の一覧です。

>>ごんぎつね

>>でんでんむしのかなしみ

>>二匹のかえる

>>花のき村と盗人たち

>>おじいさんのランプ

>>牛をつないだ椿の木

>>赤いろうそく

作風:善意溢れる詩情を讃えた作

庶民の子どもの生活や喜び、悲しみを、物語のなかにたくみにとけこませて、ユーモアのある独特な語りくちで、清潔で善意あふれる詩情をたたえた作である。
(『学習人物事典』332ページ より)

評価:1960年代に評価され始めた

生前にはあまりみとめられなかったが、1960年代にいたって評価されはじめ、『新美南吉全集』全8巻が出版された。
(『学習人物事典』332ページ より)

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『手袋を買いに』のあらすじの考察と解釈

最後は『手袋を買いに』のあらすじの考察と解釈です。

物語への理解を深める参考にしていただければと思います。

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きつねには”化ける(変身)”ことができるという言い伝えがある

きつねにまつわる伝承には、”化けること(変身)”があります。

作中では、母さんぎつねが子ぎつねの手を人間の手に変える場面がありますが、それはおそらくこの伝承が由来しているものと考えられます。

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当時は帽子屋で手袋が売られていることが多かった

また当時、手袋は帽子屋で売られていることが多くあったとされています。

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『手袋を買いに』と学校教育

最後は童話:『手袋を買いに』の学校教育にまつわる情報です。

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小学3年生の教科書に掲載

まず本作は小学校3年生の教科書に掲載されたことがあるようです。

小学三年生の教科書に採録された。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』100ページ 手袋を買いに より)

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ちなみに本作と同じ作者で、なおかつ、きつねが登場する『ごんぎつね』は、小学校4年生の教科書に掲載されていたとのことでした。

キツネ 『ごんぎつね』のあらすじを簡単に短く【読み聞かせOKの要約版】

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実際に行われた指導例

なお、実際の学校教育の現場では、本作は次のような2つのことに着目した指導が行われていたそうです。

<1>『場面ごとに登場人物の気持ちを考えながらの朗読』

その一つが『場面ごとに登場人物の気持ちを考えながら朗読する』です。

授業で行われた指導は、次のようなもの。

・場面の移り変わりに即して、登場人物の気持ちを考えながら朗読する。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』100ページ 手袋を買いに より)

本作では特に母さんぎつねの気持ちが大きく揺れ動いていました。

よってまずは母さんぎつねの気持ちを考え始めてみることがわかりやすいのかもしれません。

<2>『最後の場面についての感想を考える』

二つ目が、『最後の場面についての感想を考える』です。

授業で行われた指導は、次のようなもの。(中略)

・最後の場面について感想を書いたり、話し合ったりする。

(『もう一度読みたい 教科書の泣ける名作』100ページ 手袋を買いに より)

本作の最後では、母さんぎつねが人間に対して持っていた考えを、疑い始めた様子が描かれていました。

そのため、個人的にはそのことを「素直にどう思ったか?」、「なぜ、そう考えたのか?」などと深堀りしていくと、本作への見方が深まるのでは…と思いました。

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『手袋を買いに』のあらすじを簡単に短く要約&考察まとめ

童話:『手袋を買いに』は、きつねの親子の視点から、人間の優しさが垣間見える物語でした。

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参考文献

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関連ページ