『テセウスの船』とは?思考実験とパラドックスの世界【その考え方と意味を解明】

月明かりと船と鳥と

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思考実験:『テセウスの船』についてです。

『テセウスの船のパラドックス』とも呼ばれることがある思考実験になります。

ここでは、専門用語などは使わず、誰にでもわかるような形でまとめています。ご承知おき下さいませ。

このページでわかること
  1. テセウスの船の問題内容
  2. 2つの回答例と考察
  3. 参考文献

『テセウスの船』とは?思考実験とパラドックスの世界【その考え方と意味を解明】

それではテセウスの船のパラドックスの概要と問題について、ご紹介させていただきます。

『オリジナルとは何か?』が問われる問題

テセウスの船のパラドックスとは、一言でいうと、「オリジナルとは?」が問われる思考実験です。

ローマ帝国のギリシャ人倫理学者:プルタルコスが残したギリシャの伝説が元となっています。

テセウスは、ミノタウロス退治などで知られる英雄だったようです。

問題文とその問いは、次のようなものとなります。

ーーーーー

「ここに木造でできた船がある

ここに木造でできた一艘いっそうの船があります。

船

年数が経過し、どうやら修復が必要のようだ

その船は長い年月と度重なる航海により、劣化し、修復が必要な状態です。

そこで傷んだ部材を新品の部材と交換する形で修復が始められた

船は傷んだ部材を新品の部材と交換する形で修復が進められていきました。

修復は繰り返されたが…船への敬意から、元の傷んだ部材も保管されていた…

修復は繰り返し、繰り返し行われ…徐々に船の修復は終わりに近づいていきます。

なお、交換した傷んだ部材は、その船への敬意から、捨てずに保管されていました。

新品の部材によって修復された船が完成

船の修復は無事完了しました。

人々は新しく生まれ変わったその船を見て、一同に喜びの表情を浮かべたといいます。

傷んだ部材によって復元された船も完成

しかし、その一方で、保管していた傷んだ元の部材によってのみから、もう一艘いっそうの船も復元がなされました。これも船への敬意からです。

目の前の二艘の船は、形だけを見ればまったく同じ

目の前にある二艘にそうの船は、形だけを見ればまったく同じです。

そこである一人が疑問を口にした…」

そこである一人がその目の前の二艘にそうの船を見て、ふと疑問を口にします。

その疑問により、修復された船を見て喜びの表情を浮かべていた人々は、途端に困惑のそれへと変わることとなりました…。

問題:『どちらの船がオリジナルのテセウスの船なのだろうか?』

どちらの船が、オリジナルのテセウスの船なのだろうか?

この疑問がテセウスの船のパラドックスです。

「元の部材がすべて取り換えられたこの船は、果たしてテセウスの船といえるのでしょうか…?」

ーーーーー

テセウスの船の各回答とその考え方の一例『基準をどこに置くかで変わる

まずテセウスの船のパラドックスに、絶対の答えは存在しません。

ですが、『”同じ”であることの基準をどこに置くか?』で、問題への見え方が変わることに大きな特徴があります。

あくまで一つの参考にしか過ぎませんが、最後はそのことについて、ご紹介させていただきたいと思います。

<回答1>「新品の部材に修復された船が本物である」という考え

まずは「新品の部材に修復された船が本物である」という考えです。

船としての”機能”を基準にした見方

この回答をした方は、もしかしたらテセウスの船の、船としての”機能”を基準に見ている側面があるのかもしれません。

なぜなら、船が修復される前後を比較したとき、修復された後の船にのみ引き継がれていたことの一つに、船本来の機能があるという見方ができるからです。

<回答2>「傷んだ部材で復元された船が本物である」という考え

続いては、「傷んだ部材で復元された船が本物である」という考えです。

船を構成する”部材”を基準にした見方

この回答をした方は、もしかしたらテセウスの船の、船を構成する”部材”を基準に見ている側面があるのかもしれません。

その理由は、これも船が修復される前後を比較したとき、修復される前の船にのみ残っていたことの一つに、元々の船を構成していた傷んだ部材の存在があるという見方ができるためです。

『テセウスの船』とは?思考実験とパラドックスの世界【その考え方と意味】まとめ

繰り返す通り、テセウスの船のパラドックスに、絶対の正解は存在しません。

人によって様々な考えがあるでしょうし、解釈の仕方はここでご紹介させていただいた以外にも様々な考えがあります。

それは「どういった立場で、どういった角度からこの問題を見たか?」によっても、おそらく変わってくるのだろうとも思います。

またそのことに思考実験の奥深さがあるとも思います。

参考文献

このページをつくるにあたり、大いに参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

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