『無(最高の状態)』という本を読みました。
※以下より『無』と表記する
タイトルからするに、『瞑想の本かな~?』と思っていましたが、いざ読んでみたら、『無』をテーマにした体系的な指南書となっていました。
今さっき一通り読み終わったので、内容を軽く要約してみたいと思います。
もちろん出版に関わった方々の迷惑にならないよう、ネタバレには注意させて頂きます(`・ω・´)ゞ
- 『無』の要約(+読んだ感想とか)
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『無』に書かれた8つの目次から内容を要約してみた
まず目次は以下8つの章にわかれていました。
- 苦
- 自己
- 虚構
- 結界
- 悪法
- 降伏
- 無我
- 智慧
…といっても、上記を見ただけだと、『なんのこっちゃ…』って感じだと思います。笑
なのでここからは、章ごとに内容を簡単に要約してみました。
『苦』:人は生まれながらに『苦』しむ生き物である
まずは『苦』です。
これは本書全体の前提にもなっていることですが、『人はみな生まれながらにして、苦しむ生き物である』とのこと。
なんでも、このことは人類の遺伝子レベルで埋め込まれていることだそうで、危険と隣り合わせだった原始の環境を生き抜くうえでは、『苦』をはじめとしたネガティブなことに敏感に反応することは、生存の助けになったとか。
とはいえ、問題は原始時代には良かれと発達した苦しみの精神が、現代にも引き継がれてしまい、現代人に悪影響を及ぼしているということ。この進化のミスマッチの話は、『最高の体調』にも書かれていたことですね。
なのでまずはこの前提を理解したうえで、『人は苦しみとどう向き合っていくのか?』を知り、対応していくことが、『無』になるためには必要なんだとか。
そして次章以降では、『はたしてその苦しみからは逃れられるのか?』について、話が進んでいきます。
『自己』:苦の消滅=『自己』の消滅
続いての章は、『自己』。
『苦しみを消し去るには、自己の消滅が必要』だとする内容です。
同じ苦しみであっても、人によって苦しみ度合いは変わったりするので、苦しみと自己が強く結び付いていることは、大いに納得できます。
といっても、本書いわく、その『自己』に対しては色んな考え方があるらしいのです。
が、近年では、認知科学や脳科学の発達により、『自己は特定の機能の集合体にすぎない』という考え方が生まれているとか。これは個人的にも腑に落ちました。
特に自己をアーミーナイフにたとえた例はわかりやすかったです。
アーミーナイフについて考えてみてください。
アーミーナイフは単にナイフとして使えるだけでなく、他にも栓抜き、はさみ、ドライバー、ヤスリといった多様な機能がひとつにまとまっています。
「自己=機能の集合体」の考え方も同じで、どれだけ自己が単一の存在のように思えても、実際には様々なツールのパッケージだとみなすのです。
(本書56ページより)
自己への理解が深まったら、次の章からは、『そもそも自己は消せるのか?』ということに話が続いていきます。
『虚構』:自己とは、人間の脳が巨大で上位だと錯覚している『虚構』である
序章、1章と続いて、2章に当たる内容は、『虚構』です。
個人的には、理解するのが一番難しい章でした。汗
とはいえ、この章で押さえておきたいことは自己の理解であり(多分)、『自己とは絶対の存在ではなく、脳が創り出す虚構である』ということ。
本書では、『特定の物事の因果関係』を『物語』と呼んでいますが、物語の製造機である脳と自己との関係性がまとめられています。
『結界』:自己を消す前にメンタルを整える『結界』を張るべし
『自己を消す』というと、何かを切り捨てるイメージがあるかもしれません。
が、本書ではまず、取り組みやすさの面から、『メンタルを整える方法』を紹介しています。
それがこの章の『結界』です。
(響きがカッコいい…)
この章からは、実践的な内容ということもあり、結界そのものの効用だけでなく、心理療法をはじめとした具体的な実践方法も紹介されています。
『悪法』:判断を歪める『悪法』について
続いては『悪法』です。
これは、『その人の判断を歪める思考のこと』で、『生まれ育った環境や体験に左右される』ものでもあるとのこと。
この章では、そんな自分が持っている悪法を知る方法が体系的に書かれています。
『降伏』:悪法は、抵抗ではなく、積極的に『降伏』する道もある
次はさきに登場した、悪法に対処するための『降伏』についての章になります。
本書では、『悪法を消そうとしたり、書き替えたりして抵抗することは、逆効果になり得る』とし、積極的に降伏する道を説いています。
降伏するための方法としては、メタファーを使った具体的な実践方法が紹介されています。メタファーを使った方法は、目的は違えど、『ヤバい集中力』にも紹介されていましたね~。
『無我』:自己を解体する『無我』という方法
いよいよ来ました。
本書のタイトルにも通ずる、『無我』。
ここでは『停止』と『観察』という2つの対策を使って、自己を切り離し、解体していく方法が書かれています。
本書いわく、無我に至るのは簡単ではないとしつつも、安全かつ効果的に実践できる方法がまとめられていました。
また個人的に興味深かったのは、『『DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)』がメンタルの悪化につながる』という内容です。
DMNとは、非集中状態のときに活性化しやすい脳の回路のことで、昔どこかで、『ひらめきに大事だから、どんどん活性化せよ!』みたいな話を見たことがあった気がするので、『あー…そうなのかぁ…』という感じでした(小並感)。
『智慧』:無我によってもたらされる産物『智慧』という善の力
最後は『智慧』です。『ちえ』。
この章では、『無になることで、はたして人にはどういったことが起こるのか?』がまとまっています。
最後の章にはなりますが、無になることへの理解を深めたい方は、まずはここから読むのも良いかもしれません。
『無(最高の状態)』のレビューまとめ
自分は無になることにさほど興味はありませんでしたが、本書は、『ストレスや不安とどう向き合うべきか?』のヒントが書かれているので、誰にでも一読の価値はあるかと思います。
また『『対症療法』ではなく、『原因療法』』の面から、根本的に問題を解決したい方にもおすすめです。
(特に超ネガティブ人間の自分のような方には特におすすめ)
自分も本書に書かれていることを試しつつ、何回も読んで理解を深めたいと思います(`・ω・´)ゞ
それでは。