「『ゲーム理論』とは?」がゼロからでもわかるようにまとめました。
心理学実験と同様、専門用語は使わず、可能な限りわかりやすく、簡単にご紹介させていただいています。一つの参考としてご覧下さいませ。
- 【一言でわかる】ゲーム理論とは?
- 具体例のご紹介
- 身近にあるゲーム理論の例
- 参考文献
タッチ⇒移動する目次
『ゲーム理論』とは『『相互依存性』の関係を数学的にモデル化した理論』のこと
『ゲーム理論』とは『複数人が相互に競合したり協力したりする『相互依存性』の関係を数学的にモデル化した理論』のことです。
数学者:ジョン・フォン・ノイマンらが提唱
数学者:ジョン・フォン・ノイマンらによって提唱されました。
ゲーム理論の具体例
具体例を見ていきます。
囚人のジレンマ
『囚人のジレンマ』はゲーム理論の代表例の一つです。
1950年に公表され、人の意思決定を検証する手段などに使われています。その内容を一覧にしたのが以下のような図です。
図:利得行列(利得表)
上の図は囚人Aと囚人Bの相互依存性が表になっています。
- 2人がそろって自白⇒2人に懲役10年
- 1人のみが自白⇒自白した方は不起訴、黙秘した方は懲役20年
- 2人がそろって黙秘⇒2人に懲役1年
これがなぜ『ジレンマ(葛藤)』と呼ばれているのかというと、それはお互いの囚人が別々の場所で、別々に取調べを受けていることを仮定しているためです。
そのため、囚人はともに、相手が何を選択したのかわからない状況で、自白か黙秘かを選択しなければいけない状況にあります。そこにジレンマがあります。
ゲーム理論『囚人のジレンマ』をわかりやすく【ゼロからわかる】
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※『運命統制』と『行動統制』
囚人のジレンマのような関係にあることは『相互運命統制』と『相互行動統制』と呼ばれる状況の両方に当てはまります。
・運命統制…AがBの運命を完全に決定できる関係にあること
※BがAにも当てはまると『相互運命統制』と呼ばれる
・行動統制…AがBの行動を完全に決定できる関係にあること
※BがAにも当てはまると『相互行動統制』と呼ばれる
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ゲーム理論の身近な例
最後は身近な例を取り上げて終わりとします。
じゃんけん
『グー・チョキ・パー』で勝負が決まるあの『じゃんけん』もゲーム理論に当てはまる一つの例です。
さきにお伝えしたゲーム理論の言葉を借りるならば『じゃんけんは複数人が相互に競合するゲーム』といえます。
『ゲーム理論』とは?【わかりやすく簡単に】の終わりに…
ゲーム理論は、様々な要因を投入して複雑になった。
一見、現実世界を説明する素晴らしい洞察を提供したかに見える。
しかし、数学的要因の投入や論理は恣意的である。
所詮はモデル構築に留まっていて、現実世界からの検証手続きが欠けている。
予定調和を目指した数学理論を構築しようという試みは続いているが、今後は、心理学や社会学からの成果を取り入れないと、発展は難しいだろう。
(『心理学で何がわかるか』203ページより)
参考文献
ページをつくるにあたり、大いに参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
・Thibaut, J. W., & Kelly, H. H.(1959)The social psychology of groups. Wiley.
・Kelly, H. H., Holmes, J. G., Kerr, N. L., Reis, H. T., Rusbult, C. E., & van Lange, P. A. M.(2003)An atlas of interpersonal situations. Cambridge University Press.