『メアリーの部屋』思考実験をわかりやすく【結果を左右するのはクオリアの存在?】

女性のアート:白と黒

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思考実験:『メアリーの部屋』についてまとめました。

下記の順にご紹介させていただいています。

このページでわかること
  1. 問題内容
  2. 回答の考察
  3. 参考文献

『メアリーの部屋』思考実験をわかりやすく

それでは以下からが問題文とその問いになります。

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[問題文]

ここに、メアリーという名の、色にまつわる専門知識を持った科学者がいます。

メアリーは色についてとても詳しく、赤いリンゴや空の青さなどはもちろん、それらの色の仕組みや、色を見た人の反応をはじめ、多くのことを知っていました。

絵の具

しかし、そんなメアリーは、普通の人とはまったく違う人生を送っています。

それは、メアリーが、“白と黒しか見えない世界に生きてきた”ということにあります。

なぜなら、メアリーは生まれてからずっと、世界が白黒に見えるように加工されたゴーグルをつけて生活していたのです。

つまりメアリーは色にまつわるあらゆる知識を持っていながら、実際に白と黒以外の色を見たことがなかったのでした。

とはいえ、あるときそんなメアリーに、そのゴーグルを外し、外の世界に足を踏み入れる機会が訪れます。

メアリーの目の前に広がったのは、あらゆる色に満ちた世界でした。

では、「このときメアリーは、『何かを新たに知った』といえるのでしょうか?

ーーーーー

以上が思考実験:『メアリーの部屋』のシナリオと問題になります。

もちろん多くの思考実験と同様、これらのシナリオはすべてフィクションです。メアリーも架空の人物となります。

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メアリーの部屋の思考実験の回答結果の一例

まず前提として、この『メアリーの部屋』に絶対の正解はありません。

このことは多くの思考実験においても同様です。

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そのため、ここでは参考文献を元に、考え得る2つの回答をご紹介させていただくこととします。

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「『クオリア(主観的な感覚)』を学んだ」という考え

一つ目は「メアリーは新しく『クオリア』を学んだ」という考えです。

まず『クオリア』というのは、一言でいうと、『主観的な感覚』のことになります。

つまりメアリーは、鮮やかな色の世界をはじめて見たことにより、色を自身の体験による一次情報として知ることができたということです。

(前略)人によってそれぞれの受け取る「感じ」は異なるでしょう。

この主観的な感覚はクオリアと呼ばれています。

(『論理的思考力を鍛える33の思考実験』239ページ より)

例えば、同じリンゴを見て、「おいしそうな赤い色」と2人が思ったとして、Aさんが見た「おいしそうな赤」と、Bさんが見た「おいしそうな赤」は異なる色かもしれません。(中略)

2人とも何ら嘘はついていないのです。

(『論理的思考力を鍛える33の思考実験』240ページ より)

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「何も新しく知ることはなかった」という考え

そしてもう一方の回答が、「メアリーは何も新しく知ることはなかった」という考えです。

繰り返す通り、メアリーは、色にまつわる専門知識を持った科学者になります。

色を見た人の反応も理解していると考えられるため、たとえメアリーが色鮮やかな世界をはじめて見たとしても、そこからメアリーが新しく何かを学ぶことはないだろうと考察できる…という見方になります。

マリーは色を見た人がどんな反応を見せるのかも知っていますし、バラは情熱的な赤い色なのだとか、空は澄み切った青なのだとか、そういったイメージも知っています。

(『論理的思考力を鍛える33の思考実験』239ページ より)

注:上記の参考文献では、メアリーのことをマリーと表記していた

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『メアリーの部屋』思考実験をわかりやすく結果までのまとめ

メアリーの部屋をどう考えるかは、クオリアの存在が一つのカギとなりそうです。

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参考文献

このページをつくるにあたり、大いに参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

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