思考実験:『アキレスの亀』についてまとめました。
なお、このページでは”誰にでもわかる”ことを目的としているため、数学的解釈は省略しています。あらかじめご承知おき下さいませ。
- アキレスと亀の前提と問題文
- その隠されたカラクリ
- 参考文献
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アキレスと亀の屁理屈|どこがおかしいかわからない方に、わかりやすくそのパラドックスの意味を解明してみる
それでは前提内容と問題文です。
『ゼノンのパラドックス』の一つ
まず『アキレスと亀』は、かつて哲学者ゼノンが提示したことから、『ゼノンのパラドックス』の一つとされています。
後に哲学者:アリストテレスが自著:『自然学』の中で数多くの思考実験を紹介しましたが、それらの多くは元々、ゼノンから着想を得ていたといいます。
では、そんなアキレスと亀の問題は次の通りです。
「アキレスという名前の足の速い男がいた
ここに、“アキレス”という名前の、足の速い男がいます。
とある日、そのアキレスは一匹の亀と競走することになった
あるとき、そんなアキレスは、一匹の亀と競走をすることになりました。
当然ながらアキレスの方が亀より速い
とはいえ、言うまでもなく、アキレスの方が亀より足が速いことは明らかです。
そのため、このまま勝負をすれば、アキレスが勝つことは目に見えていました。
そこで亀にはハンデ(スタート地点をアキレスより前方にする)が与えられた
そこで亀にはスタート地点をアキレスよりも前にするハンデが与えられました。
ハンデの影響は小さかった
といっても、亀に与えられたハンデはとても小さいものです。
結果に影響を与えるレベルのハンデではありませんでした。
しかし、アキレスは亀に惨敗した…」
しかし、アキレスは亀に惨敗することとなります…。
ーーーーー
以上がアキレスと亀のシナリオです。
アキレスと亀のカラクリ「なぜ、アキレスは負けたのか?」
普通に考えれば、亀よりも足が速いアキレスが勝つだろうと思えそうなものです。
では、「なぜ、アキレスは亀に負けてしまったのでしょうか?」
“アキレスが亀に追いつくまで”を描写しただけのこと
結論からいうと、この思考実験は、“アキレスが亀に追いつくまで”を描写したに過ぎないからです。
たとえば、アキレスのスタート地点をA、亀のスタート地点をBとします。
亀にはスタート地点をアキレスよりも前にするハンデが与えられていたため、当然地点Bは地点Aよりも前方です。
とはいえ、足が速いのはアキレスなので、遅かれ早かれアキレスは亀に追いつきます。
仮にアキレスが亀に追いつく地点をGとします。
しかし、もしこのアキレスと亀の競争を地点Gよりも前(たとえばDやEなどの地点)の段階で切り取ったとしたら?
アキレスはまだ亀には追いついていません。
そのため、アキレスが亀に負けているように見えるだけのことです。
つまりアキレスと亀の思考実験は、アキレスが亀にまだ追いついていない地点を拡大解釈したに過ぎないということです。
【アキレスと亀の屁理屈】どこがおかしいかわからない方に、わかりやすくそのパラドックスの意味を解明してみる…のまとめ
個人的に、『アキレスと亀』は屁理屈な思考実験だと感じます。苦笑
おそらく意味不明に感じる人もいるでしょうし(自分がそうでした)、つまらないと思う人もいるかもしれません。
また便宜上、このページでは省略していますが、数学的解釈から考察すると、さらに屁理屈感が増します。笑
とはいえ、これも思考実験の一つです。
参考文献
このページをつくるにあたり、大いに参考にさせていただきました。
ありがとうございました。