実際に行われた心理学の実験例を一覧にしてまとめました。
注1:乱雑になるのを避けるため、参考文献はじめ各心理学実験の詳細は内部リンクとなっています。お手数をおかけしますが、詳しい内容が知りたい方は、そちらからご覧下さいませ。
注2:なお、言うまでもなく怖いかどうかなどの選定基準は当サイトの運営者である自分の独断と偏見です。
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『心理学実験』の例一覧【怖い心理学実験ベスト2】
まずは怖い心理学実験です。
<1>スタンフォード監獄実験
- 心理学者:ジンバルドーの実験
- 役割やルールなどに支配されていく人の心理を明らかにした
- 14日の実験予定が6日で中止となった
『スタンフォード監獄実験』は、スタンフォード大学の地下に造られた”模擬刑務所”で行われた心理学実験です。
1971年に心理学者:ジンバルドーが『普通なら拒絶する役割やルール、状況などの”力”に注目すること』を目的に実施。
実験では”囚人役”と”看守役”の役割を実験対象者に演じてもらうことで、人がその役割などに染まっていく様子を明らかにしました。
しかし、その一方で実験は、看守役が囚人役に”暴力”を振るい始めるなどの問題が多発。
実験参加者のメンタルに異常が見られ始めるなど収拾がつかなくなったため、当初14日予定していた実験は6日で突如中止に。
実験結果とは裏腹にその問題も語り継がれることとなりました。

<2>ミルグラム実験
- 心理学者:ミルグラムの実験
- 権威に服従する人間の心理を明らかにした
- 教科書で掲載が見送られるほどの過激さと衝撃
『ミルグラム実験(アイヒマン実験)』は、アメリカの名門:イェール大学で行われた心理学実験です。
1961年に心理学者:ミルグラムが『権威に服従する人間の心理を知ること』を目的に実施。
“名門イェール大学の学術研究”という権威に屈し、非人道的な罰(致死レベルの電気ショック)を与え続ける人間のリアルを明らかにしました。
このことは実験から45年経った2006年の再現実験などでも同様の結果が得られています。
しかし、その一方で実験内容の過激さや倫理の問題を指摘する声が絶えず、心理学の教科書などでは掲載が見送られることがあったようです。

『心理学実験』の例一覧【面白い心理学実験ベスト3】
続いては面白い心理学実験です。
<1>吊り橋実験
- 心理学者:ダットンとアーロンの恋愛心理実験
- 『吊り橋効果』の原点
心理学者:ダットンとアーロンの『吊り橋実験』は、恋愛にまつわる心理学実験です。
『吊り橋効果』が誕生するきっかけにもなりました。
実験では、『人は感情的に興奮していると、異性への魅力が高まる可能性がある』ことが明らかとなっています。
その理由はダットンらが考察するに、不安定な吊り橋を渡ったことで生じた恐怖感が、人恋しさのような感情を生じさせ(親和欲求)、さらにはそこでのドキドキした感情が異性への魅力だと錯覚(帰属理論)したことによるものだとしています。

<2>泥棒洞窟実験
- 社会心理学者:シェリフ夫妻らによる実験
- 集団間の対立とその解消の心理を明らかにした
『泥棒洞窟実験』は、アメリカのオクラホマ州にある”泥棒洞窟”と呼ばれるキャンプ場で行われました。
1954年に社会心理学者:シェリフ夫妻らが『集団間の対立の心理』を明らかにすべく実施。
実験によると、集団間の対立の解消には、集団同士が協力しないと達成できないことに一緒になって取り組むことが効果的だったようです。
一方で食事や映画鑑賞などによる集団同士の交流は、かえって逆効果。集団同士の対立をさらに悪化させたといいます。

<3>アッシュの同調実験
- 心理学者:アッシュの実験
- 集団に屈する人の心理を明らかにした
『アッシュの同調実験』は、1951年に心理学者:アッシュが実施した心理学実験です。
実験では『自分の意見や信念を曲げてまで、多数派の意見や行動に流されてしまう『同調』を検証』しました。
「人がいかに周りの集団に影響されやすいのか?」を明らかにしています。

【心理学実験ではないが…】意思決定の研究などで使われる『ゲーム理論』について
最後は心理学実験ではありませんが、『ゲーム理論』についてご紹介させていただきます。
ゲーム理論は心理学や計算機科学などの分野で、人の意思決定を検証する手段に使われています。

[1]囚人のジレンマ
- 『ゲーム理論』の一種
- 『ジレンマ(葛藤)』をゲームで再現
- 【悲報】人は”裏切りやすい”
『囚人のジレンマ』は『『裏切り』と『協力』の狭間で揺れる『ジレンマ(葛藤)』を再現したゲーム』です。
1950年に公表され、人の意思決定を検証する手段などに使われています。
人の”裏切りやすさ”、人が”協力しやすくなる条件”の一端が明らかにされています。
