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『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を読みました。
スタンフォード大学の心理学者:ケリー・マクゴニガル博士が著者の本です。
一言でいうと、『ストレスを感じたとき、それをチャンスだと思えるようになる』内容の一冊でした。
- 【要約】『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』
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『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』の要約
本書の要点は一つです。
考え方で『ストレスホルモン』が変化
結論からいうと『人はストレスを感じたとき、あえて「ストレスには良い効果がある」、「ストレスは役に立つ」などと考えると、そのストレスを力に変えることができる』ということです。
理由は身体に分泌される『ストレスホルモン』(コルチゾールやDHEA)の分泌バランスが変化するからとのこと。
つまり考え方一つで体の生理的状態が変わる可能性が示唆された内容です。
本書では、この現象の証明になり得る研究や調査結果、個人の証言などが、著者のマクゴニガル博士の考えなどとともに多方面から考察されています。
ギャラップ社の世論調査なども裏付ける
その一つがアメリカのギャラップ社による調査結果です。
121カ国、12万5,000人を対象に実施されたこの世論調査では、「昨日、多くのストレスを感じましたか?」との質問への答えが集計されました。
調査結果を要約すると『人はストレスでネガティブになりやすい面があった一方、ポジティブになりやすい面もあった』ことを示唆するものだったようです。
ストレスを感じている人が多い国ほど、自分の健康状態や仕事、生活水準などに満足している人も多かったとか。
『ストレス・パラドックス』が証明?
一般的に悪いものと思われがちなストレスには、もしかしたら良い面もあるのかもしれません。
この一見するとストレスをめぐる矛盾のようにも思えることを、著者のマクゴニガル博士は『ストレス・パラドックス』と呼んでいます。
もしこの現象が確かなものであるなら、ストレスは必ずしも避けるべきものではないのかもしれません。
少なからず”ストレス=悪”との認識が根強い方にとっては、本書はストレスへの見方を一変させる一冊となり得ます。
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を要約してわかった注意点
とはいえ、本書には1つだけ注意点もあります。
“すべてのストレスに万能ではない”
それは“決してすべてのストレスに万能ではない”ことです。
つまり本書に書かれている内容は、世の中のあらゆるストレスへの対処には使えないということです。
当然のことのようですが、これについて著者は本のなかでハッキリと明言しています。
(前略)本書に出てくるすべてのアイデアが、あらゆるストレスや苦しみに対して効果があるとは保証できません。
(『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』35ページより)
そのため、もしこれからこの本を見る予定の方は、本の内容を妄信することだけはしない姿勢が大切となりそうです。
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個人的には、ストレスに対する新たな気付きを得られる意味で、十分に一見の価値があるとは思いますが。
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『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』の要約まとめ
以上のことから本書は、ストレスに真っ向から抵抗するのではなく、あえてストレスを受け入れるかのような形で、ストレスと向き合う考え方とその根拠となる理由が色んな角度から理解できる一冊でした。
よくあるストレス解消法と違ったストレスへの向き合い方が知りたい方などは、新たな気付きが得られるかも…です。自分は少なくともそうでした。
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