『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』を書評してみたぞ【データ×恋愛】

恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚

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恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』を読みましたよ。

著者は若者研究でおなじみのライターの牛窪 恵(うしくぼ めぐみ)さんです。

テレビ番組『ホンマでっか!?TV』や、報道番組などのコメンテーターとしてもご活躍されています。

本書はそんな牛窪さんが約半年もの取材を通して得たデータや、社会学者の方々をはじめとする恋愛を研究する方へのインタビューなどを元に書き下ろされています。

各種統計データなどを元に、若者の恋愛事情を考察した内容』となっておりました。

恋人がいない方が見ると、自分に彼氏とか彼女ができない本当の理由がわかるかも…な内容ともいえます。

(大きなお世話かもしれませんが。笑)

とはいえ、そのうえで自分の行動を正していけば…「モテまくれるようになるかも!?」な一冊といえるかもしれません…!

やる気がみなぎる

(効果は保証できませんが。笑)

続きを見るとわかること
  1. 【書評&要約】『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』
  2. 参考文献

『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』:書評

順にご紹介させていただきます。

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恋愛に消極的な人の深層心理を暴くかの内容

本書が一貫していたのは、恋愛に消極的な人の深層心理に焦点を当てていることでした。

簡単にいうと、恋愛には消極的なのに、身近にいる可愛い子やイケメンなどを見ると、「あぁ、なんかいいな~」とか「付き合いたいなぁ~」と思うことがある人の深層心理をズバリと分析しています。

つまり恋愛には消極的なのに、「恋人がいたらな~」と、ふと考えることがある人の深層心理を暴くかのような内容です。

考え事をする女性

そのための1つのカギとして書かれていたのが、“ネットやSNS、ゲームなどの存在”でした。

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誰とも付き合っていない20代は男性が76%、女性は60%【2014年:リクルートマーケティングパートナーズの調査】

そこでまず前提として本書で紹介されていたのが、2014年のリクルートマーケティングパートナーズの調査結果です。

その調査によると、誰とも付き合っていない20代は、男性が76%、女性だと60%にもなることが明らかとなっているよう。

グラフ調査

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「恋人は別に欲しくない」と思っている20歳は男性が35%、女性は40%【2015年:オーネットの調査】

さらに紹介されていたのは、2015年のオーネットの調査結果です。

その調査では、「恋人は別に欲しくない」と思っている20歳は、男性が実に35%、女性だと40%になるんだそう。

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恋愛に消極的な人の存在は珍しくない?

つまりあくまでこれらのデータを踏まえるのであれば、「今は恋人なんていなくてもイイかなぁ~」とか、そんな恋愛に消極的な人は、実はそんなに珍しくもないことがわかります。

とある人

恋人なんて今は別にいらないよ~

冷めた目の人

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15年前に「恋人は別に欲しくない」と思っている20歳は男女ともに約10%だった

しかし、本当に注目すべきはここから。

さきほどご紹介したオーネットの「恋人は別に欲しくない」と思っている人の割合を調査したデータは、実は15年前にも同様の調査が行われていたようです。

 

それを見てみると…なんと15年前には「恋人は別に欲しくない」と答えていた割合は、男女ともにたったの約10%だったといいます。

 

つまり本書いわく、恋人がいない人は決して珍しいことではないとはしつつも、「恋人は別に欲しくない」と思っている人は、15年もの間に男女ともにかなりの割合で増えてきている傾向にあるようです。

その理由に恋愛に消極的な人の心理が垣間見えるといいます。

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“トキメキとチラリズム”が奪われたことが原因!!??

では、なぜそんな恋愛に消極的な人が増えてきているのか?

その理由の一つが、さきほどご紹介した、”ネットやSNS、ゲームなどの存在”にあると、本書では考察。

その一つには、15年もの間にネットなどが発達したことにより、アッチ系のヤバい画像とか、いかがわしい動画とかがいとも簡単に見れるようになったことを指摘しています。

企む人

そのことによって、リアルな恋愛へのドキドキ感とかワクワク感とかが薄れ、“トキメキとチラリズム”が奪われてしまった面があるのでは!?と本書には書かれていました。

昔は恋愛といえば、リアルに”がっつく”しかなかったのに、現代ではネットなどの発達によって、リアルにがっつかなくてもそれなりに満足できる環境が整った背景があるのかもしれません。

とはいえ、そのことが恋愛に消極的な人の増加につながっているのかもしれない…とのこと。

個人的には多少なりとも納得感がある話でした…。

社会学者:谷本 奈穂(たにもと なほ)さんは、本書のなかで次のように話しています。

「若者にとって、恋愛がとても『面倒』な時代になった」

(10ページより)

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余談ながらチラリズムの件については、『影響力の武器』でおなじみの社会心理学者:ロバート・チャルディーニも遠からずなことを指摘していました。

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『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』まとめ

それならいっそのこと、「(ネットやSNS、ゲームなどをする時間を減らしてしまえば、自然と恋愛に積極的になれるのでは…?)」と“個人的には”思いました。

ですが、本書にはそこまでのことは書かれていません。

そのさきは読者が各自で考える必要があるのかもです…。

とはいえ、本書にはその他にもデータを元に恋愛にまつわる話が数多く考察されています。

データの正当性や、2015年に出版されていることなど、各自が注意する必要はありますが、個人的にはとても面白い内容でございました(‐人‐)

(また便宜上、下ネタ寄りの言葉が頻出することにも注意が必要かもです…。笑)

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参考文献

・Whitchurch, E. R., T. D. Wilson, and D. T. Gilbert. 2011. “”He Loves Me, He Loves Me Not …”: Uncertainty Can Increase Romantic Attraction.” Psychological Science 22: 172-75.

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