公文式学習独自の特徴について、まとめました。
公文への理解をより深めて頂ければと思います。
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公文式学習の特徴【6つの柱】
公文式学習の特徴については、全部で6つです。
- 『ちょうどの学習』【発達の最近接領域】
- あえて『教えない』生徒の自主性を伸ばす
- 『『わかる』より『できる』』【繰り返し学習】
- 『学年を越えて先に進む』【先取り学習】
- 『100点のみが合格』【完全習得学習】
- 『細分化された教材や目標』【タキソノミー】
細かくいえばもっとありますが、大きくは上記の6つになります。
順にお伝えさせて頂きます。
<1>『ちょうどの学習』【発達の最近接領域】
まず公文式学習の特徴として、絶対に外せないのが、『ちょうどの学習』です。
これは公文創設時から大切にされてきた理念の一つであり、今でも変わることなく公文式学習を特徴づけています。
学年枠がないのも大きな特徴。
学年で規定するのではなく、ひとりひとりの子どもに「ちょうどの学習」を与えることで、自信とやる気を引き出しているのです。
(『くもんのヒミツがわかる本』19ページより)
さまざまな年齢の子どもたちが肩を並べてプリントに向かうが、取り組む課題は、一人ひとり違っている。
(『子どもの”自学”する力を育むKUMON』2ページより)
例えば、一般的な塾では、小学4年生であれば、小学4年生の内容を勉強し、中学1年生であれば、中学1年生の内容を勉強する、といった学年相当の内容を勉強するのが普通です。
しかし、公文が生徒に提供するのは、あくまで『ちょうどの学習』。
生徒一人ひとりの現在の学力レベルに合わせた内容と量を勉強してもらうこととしています。
公文式では、学習を開始する前に『学力診断テスト』を行います。
一人ひとりの子どものその時点の学力を正確に把握し、その後の学習をもっとも順調に進めるために、教材のどこから学習をスタートするのがいいかを、個人別に決定します。
(『公文式がわかる』57ページより)
「ちょっと難しいけれど、おもしろいよ」と、子ども自身が手応えを感じながら、自分の意欲で挑戦して学習できるところ、自分のさまざまな力を最大限に発揮して解き進んでいけるところが、ちょうどのレベルです。
(『公文式がわかる』68ページより)
学習する教材の枚数も個人別で、おおむね1教科5枚から10枚を学習します。
(『公文式がわかる』60ページより)
またこの『ちょうどの学習』は、ロシアの心理学者:レフ・ヴィゴツキーが提唱した『発達の最近接領域』と同じ考えであるともされています。
公文式でいう「ちょうどの学習」は、著名な心理学者ヴィゴツキーが唱えた最適な発達支援理論である「最近接発達領域説」と同じ考え方であると言えます。
『KUMON ガイドブック』17ページより、心理学者:田島信元さんの発言
※『最近接発達領域説』と『発達の最近接領域』は同じ意味である
では、なぜ公文は、『ちょうどの学習』を大切にしているのか?
自分も公文で講師をしていて、疑問に思ったことがあります。
それは、公文では、全員が一斉に同じ内容を勉強する学校のようなやり方では、生徒を伸ばすのに十分ではないと考えているからです。
一斉授業ではなく、クラス分けもありません。
(『公文式がわかる』60ページより)
一斉に同じことを学んでも、全員が同じように理解し、身につけることは難しいでしょう。
しかし、一人ひとりの子どもには、「ここならできる」「わかる」というところが必ずあります。
一人ひとりの子どもがそれぞれの力を伸ばすのに適した「ちょうど」の練習量が必ずあるのです。
(『公文式がわかる』62ページより)
なぜ、個人別なのかーー。
それは、同じ学年、年齢であっても、子どもは一人ひとりちがうからです。
学力も、子どもの理解度や習熟するまでの練習量にも個人差があるからです。
そしてその個人差の幅は、わたしたちが想像する以上に大きいのです。
たとえば学校の授業。
先生の説明を聞いただけで、すぐにわかる子もいます。
実際に練習問題を解きながら、やり方をゆっくり理解する子もいます。
なかには、それ以前のことが十分に身についていないために、内容を理解できないまま授業が進んでしまい、ついていけなくなる子もいます。
(『公文式がわかる』60、61ページより)
そして公文では、そんな生徒一人ひとりに合った『ちょうどの学習』を提供することで、『処理能力』をはじめとした勉強の土台が身につくと考えています。
公文式では、できないところではなく、ひとりでスラスラできるレベルから学習をスタートします。
スラスラ解ける、どんどん解けるという体験を重ねることで、自分の力で手際よく問題を次々とこなせる作業力や処理能力をまずつけて、集中力を高めたいと考えるからです。
(『公文式がわかる』58、59ページより)
<2>あえて『教えない』生徒の自主性を伸ばす
あえて『教えない』というのも、公文式学習の特徴です。
くもんでは指導者が解き方を一から教えることはありません。
自分で発見する喜びや、自ら学ぶ力の芽を伸ばしていくためです。
(『くもんのヒミツがわかる本』20ページより)
公文の教室には黒板がない。
先生が前に立って教えるわけでもない。
子どもたちは思い思いの時間に教室にやって来て、その日の”自分”の学習を始める。
(『子どもの”自学”する力を育むKUMON』2ページより)
公文式は、個人別に自習形式のプリント教材を学習し、子ども自身が自分で一つひとつの課題を習得していく学習法です。
(『公文式がわかる』83ページより)
このやり方を可能にしている理由の一つが、さきほどお伝えした、『ちょうどの学習』です。
ちょうどだからこそ、最後まで自分でやりぬくことができるのです。
(『公文式がわかる』68ページより)
そして公文式教材においても、生徒が自力で問題を解いていけるよう、様々な工夫が施されています。
公文式教材には、子どもたちが自分の力で学んでいけるように、適切な例題や解説、ヒントなどが配置されています。
(『公文式がわかる』81ページより)
それ以前の学力がしっかりついていれば、教材の例題を見て考えたり、先生からヒントをもらったりするだけで、自分で解きながら先へと進んでいけるようになっているのです。
(『公文式がわかる』82ページより)
しかし、これは教育に携わった方にはご理解頂けるかもしれませんが、『教えない』ということは、口で言うほど簡単ではありません。
ときには、手取り足取り教えてしまった方が、教える側からしても、ラクに感じてしまうこともあります。
このことについては、公文の教材開発チームの一員であり、数学教材部:数学1チームのリーダーの小玉大輔さん(当時)が以下のように話しています。
「子どもの自主性を支えることは教え込むことより手間暇かかりますが、それだけ力がつきます。
子育て全般に言えることかもしれませんね」と児玉さん。
(『くもんのヒミツがわかる本』20ページより)
つまり『あえて教えない』のが公文式学習ということです。
とはいえ、時に公文の学習法は無責任な放任主義だと誤解されやすいですが、それは違います。
公文の指導者といえども、まったく教えないなんてことはありません。
自分も公文で講師をしていましたが、あくまで教えすぎないようにしているだけです。
しかし、ひとりでは「できない」「わからない」という場合も、もちろんあります。
そういうとき、先生はその子がどこまではしっかり理解できているか、どの段階までの学力は定着しているかを確認し、それからヒントを与えたり、例題やすでに勉強した類題を示したりします。
手取り足取り教えるのではなく、子ども自身に自分の力で気づかせるように導くのは、「自分の力で解けた!」という喜びを味わってほしいからです。
「先生に聞いてできた」のではなく、「先生のところに質問に行ったけれど、ひとりでできた」と実感して学習するのが公文式です。
(『公文式がわかる』83ページより)
例題をヒントに、自分で問題に取り組ませます。
生徒が質問に来た場合にも、いきなり解き方を教えることはしません。
例題を再度注意深く見るように促したり、「どうやって計算していると思う?」と問いかけたりしながら、自分で解き方を発見できるように導きます。
(『くもんのヒミツがわかる本』20ページより)
このことはおそらく、他の公文の指導者の方々も皆同じだと思います。
そして公文では、勉強だけでなく、その他のことについても、生徒に手取り足取り世話を焼くようなことはしません。
それも生徒のことを思ってのことです。
公文式では、子どもたちは自分の都合のいい時間に教室へ行って、自分のためのプリント教材を個人別に学習します。
(『公文式がわかる』60ページより)
子どもは、学校ではまだ習ってないことでも、教えてもらわずに「できた」「わかった」という経験を重ねるうちに、難しそうに思えた問題でも、まず自分で解いてみよう、やってみようとする挑戦力が身についていきます。
(『公文式がわかる』82ページより)
いつの日か子どもたちは、誰にも頼れず、誰も教えてくれない課題に直面します。
そんなときでも、自分で学ぶ習慣や自信、そして挑戦力を身につけていたなら、自分の力で課題を解決しようとチャレンジし、自分の力で乗り越えていけるにちがいありません。
子どもたちに、こうした未知の領域をも自力で切り拓いていこうとする精神を育むことが、公文式の「自分で考え、自分で学ぶ学習」のもっとも大きなねらいなのです。
(『公文式がわかる』82ページより)
<3>『『わかる』より『できる』』【繰り返し学習】
また『『わかる』ということよりも、『できる』ということを重視している』のが、公文式学習でもあります。
小・中学校で6年間に渡り、学校教師を務めた後、公文の教室長となった清水寿美子さん(当時)は、公文と学校との違いを次のように語っています。
学校は「わかる」で、公文式は「できる」だった。
(『子どもの”自学”する力を育むKUMON』35ページより)
学校では、なぜそうなるかを理解させてきた。
しかし公文式では、できることが先に来るのだった。
理屈よりもまず体で覚えようとする公文式は、教師をしていた自分から見れば合点がいかなかった。
(『子どもの”自学”する力を育むKUMON』35ページより)
公文式学習を経験したことがある方なら、上記の内容には少なからず身に覚えがあるかもしれません。
公文では、『繰り返し学習』といって、何度も似たような問題を解くことで、解き方などを体で理解する学習法が実践されているからです。
公文式教室では、同じプリント教材を2回以上くり返して学習することがあります。
100点を取れていても、子どもたちは、その習熟度に応じて同じ内容をくり返し学習します。
それは、その段階の学力をしっかり定着させるためであると同時に、次の段階の学習を順調にするためです。
先に進んでも困らずに学んでいける学力をつけるためには、今、学習していることを速く正確にできるようにしておくことが大事だからです。
(『公文式がわかる』72、73ページより)
ある課題をマスターするのに、10回練習しなくてはならない子もいれば、5回でできるようになる子もいます。
10回練習が必要ならば10回、5回でよい子には5回の練習をさせるべきです。
(『公文式がわかる』61ページより)
公文で講師をしていた自分の経験上でも、こういった学習法には賛否がありました。
また現代的ともいえないかもしれません。
しかしながら、少なくとも公文は、さきほどお伝えした子供たちの『自主性』を伸ばすうえで、このような学習法には意味があると考えています。
同じプリント教材をくり返して学習することは、つまらないことでしょうか。
もちろん子どもたちは、先の教材に進むことが大好きです。
新しいことを学ぶのは楽しいことですし、初めてのところが自分でできることは、とてもうれしいことだからです。
しかし、多くの子どもは、「1回目の内容を思い出しながら解くのが楽しい」「1回目よりスラスラできるから、気持ちがいい」「2回目はやり方がよくわかる」「初めのときより理解できて、やりやすい」など、くり返し学習の必要性や楽しさもきちんと理解して学習に取り組んでいます。
くり返すことによって時間が短縮され、前よりできるようになったこと、徐々に力がついていることを自分自身で実感できるからでしょう。
(『公文式がわかる』74、75ページより)
教育の世界では、『自己効力感』という言葉がありますが、こういった『自分はできる!』という自信を育むところが、公文の何よりの特徴なのかもしれません。
<4>学年を越えて先に進む【先取り学習】
『学年を越えて先に進む』という『先取り学習』も、公文式学習の特徴の一つです。
一般的に、ひとりでスラスラできるところから学習を始めて、およそ半年から1年で、そのとき学校で習っているところと同じか、それよりも先の学習に進むことができます。
(『公文式がわかる』77ページより)
多くの子どもたちにとって、「学校で習うところに追い着き、その先の学習に進む」ことが、最初の大きな目標となっています。
(『公文式がわかる』77ページより)
公文がこういった学習法を取り入れている理由は、大きくわけて2つあります。
それはさきほどもお伝えした、生徒の『自主性を伸ばす』ため。
そして『学力の貯金をつくる』ためです。
子どもは、学校ではまだ習ってないことでも、教えてもらわずに「できた」「わかった」という経験を重ねるうちに、難しそうに思えた問題でも、まず自分で解いてみよう、やってみようとする挑戦力が身についていきます。
(『公文式がわかる』82ページより)
十分な予習ができていて、授業はその予習内容を確認していくくらいの余裕がほしいのです。
そのためには「学力の貯金」が必要です。
小学生、中学生のときから、学年相当より先の内容に進んでおくべきです。
(『公文式がわかる』43ページより)
しかしながら、こういったことをいうと、なかには『学年以上の内容を勉強して、本当にその内容が理解できるのか?』という疑問を持つ方も少なくありません。
そこで公文では、生徒にとって負担になり過ぎないように、2つの工夫を施しています。
まず1つは、さきほどもお伝えした、教材に施された工夫です。
公文式教材には、子どもたちが自分の力で学んでいけるように、適切な例題や解説、ヒントなどが配置されています。
(『公文式がわかる』81ページより)
それ以前の学力がしっかりついていれば、教材の例題を見て考えたり、先生からヒントをもらったりするだけで、自分で解きながら先へと進んでいけるようになっているのです。
(『公文式がわかる』82ページより)
そして2つ目は、指導者の目です。
先生は、子どもたちの学習ぶりを観察しながら、定期的に学習の見通しを見直します。
最初の予想を超えて意欲的に学習し、先へ先へと進む子、習いごとなどとの関係で、予定通りに家庭学習ができない子の場合など、一人ひとりの学習状況に合わせて、きめ細やかに進め方を調整しながら、学習を見守ります。
(『公文式がわかる』77ページより)
以上の2つについては、自分も公文で講師をしていた高い効果があることをこの目で見てきました。
それに公文では、『先取り学習』をしたがらないお子さんや保護者の方は、驚くほど少ないです。
もちろんあくまで自分が知る限りの話ではあるものの、これも公文が提供する学習法が適切であることの何よりの証拠といえるのかもしれません。
公文式は、個人別に自習形式のプリント教材を学習し、子ども自身が自分で一つひとつの課題を習得していく学習法です。
この方法でどの子も自分の弱点を克服し、さらに学年を越えて先に進んでほしい、というのが公文式の願いです。
(『公文式がわかる』83ページより)
とはいえ、公文にとって『先取り学習』は、目的ではなく、あくまで手段です。
どの生徒も学年を越えて先に進まなければいけないわけではありません。
根底にあるのは、繰り返す通り、『ちょうどの学習』です。
この点はよく誤解されやすいことでもあるので、この機会にご理解下さい。
<5>100点のみが合格【完全習得学習】
『100点のみを合格』としているのも、公文の特徴でもあります。
公文式では、どの子もプリント教材を必ず100点にします。
(『公文式がわかる』69ページより)
公文式では、子どもたちはまちがいを必ず自力で直して100点に仕上げます。
(『公文式がわかる』70ページより)
そして自分の力でその日の分をすべて100点に仕上げたら、その日の学習は終わります。
(『公文式がわかる』60ページより)
つまり公文では、今、勉強している教材プリントが100点にならなければ、その先へ進むことはできないということです。
それがたとえ99点であったしても、公文では100点にすることを求められます。
とはいえ、これも公文が生徒の『できる』という気持ちを育み、勉強への『自主性を伸ばす』ことを大切にしているからです。
100点は最高点。
たとえ、かんたんなレベルであっても完璧に「できた!」という喜びは大きく、子どもたちは100点をとても喜びます。
(『公文式がわかる』69ページより)
このうれしい気持ちが、「次もやってみよう」「また100点を取りたい」という意欲につながるのです。
勉強に対する自信が育まれていくのです。
(『公文式がわかる』70ページより)
このような学習法は、アメリカの教育心理学者:ブルームが提唱した『完全習得学習』にも通ずる面があります。
【『完全習得学習』とは…】
アメリカの教育心理学者:ブルームが提唱した『勉強を進めていくには、目の前の課題や目標が完全にできるようになってから次に進むべきだとする理論』
公文式学習以外には、自動車教習所などでも採用されている
<6>細分化された教材や目標【タキソノミー】
そして最後は、公文が『細分化された教材や目標』を採用していることです。
特に教材については、『スモールステップ』といって、先を急がず、確実に力をつけていける構成となっています。
スモールステップの教材なので、自分がどれだけ進んだかが子ども自身にもはっきりとわかりますから、先の目標や、これからどう進んでいけばいいかという学習の見通しも立てやすいのです。
(『公文式がわかる』29ページより)
そのうえ問題は、前に習ったことを使って類推しながら新しい問題を解き、そこで学んだ要素を使って次の問題を解く、というように、大変ゆるやかなステップで構成されています。
(『公文式がわかる』81ページより)
このことは公文式教材がアルファベットと番号で細かく細分化されていることが何よりの証です。
公文式の教材は、A教材(小1レベル)の次はB教材(小2レベル)、その次はC教材(小3レベル)…というように、アルファベット順で構成されています。
そして、それぞれの教材は200枚のプリントで構成され、1番から200番まで番号がついています。
(『公文式がわかる』76ページより)
これによって勉強する子供自身も、『自分が今どんな内容を勉強しているか?』が理解しやすくなります。
だから、「今、C教材の180番だ。あと少しでC教材が終わりそう」「来月にはD教材に進めるようにがんばろう!」というように、子どもたち自身が目標や学習計画を具体的に立てやすく、またその後の学習の見通しも目に見える形で表わしやすくなっています。
(『公文式がわかる』76ページより)
また生徒一人ひとりの学習目標を細かく立てるのも、公文の特徴です。
公文式教室の先生は、一人ひとりの子どもたちに対して、「いつまでに、どの教材まで進む」という先の見通しを立てて指導しています。
「3か月後にはどこまで進めるか」「半年後、1年後はどうか」と進み方を予測したり、「小学校卒業までにはこのあたりまで進んでみよう」と、計画を立てたりするのです。
子どもたち自身にも、「いつまでに、どこの教材まで進みたい」と目標を意識して学習してほしいと考えています。
(『公文式がわかる』75、76ページより)
ちなみにこのような教育法は、『タキソノミー』とも呼ばれています。
【『タキソノミー』とは…】
アメリカの教育心理学者ブルームが提唱した『効果的な教育には、『教育目標の分類』をしたうえで取り組むことが大切だとする理論』
教育目標を細分化することで、学習者にとっては取り組むべき目標が具体的になるメリットがある
『ブルーム・タキソノミー』や『ブルームの分類法』とも呼ばれる
『公文式』という企業の特徴
最後は補足として、一企業として面から、『公文式』の特徴についてお伝えして終わりとします。
[1]創立50年以上の信頼性
まずは『信頼性』です。
公文は1958年7月に創立された老舗の塾です。
【公文式の歴史年表】黎明期から新時代まで【1956年~2015年の分岐点】
創立して半世紀以上になる歴史は、公文がこれまでに多くの方々から支持されてきた何よりの証でしょう。
また子供を預ける立場からしても、歴史の浅いオープンしたばかりの塾よりも、『老舗の方がなんとなく安心できる…』というのは、誰しもが理解できると思います。
[2]徹底して一貫、共有される理念
教育や経営の理念が徹底して一貫、共有されていることも特徴の一つです。
公文はフランチャイズに展開している塾になりますが、どの教室も共通の理論の元で運営されています。
これは公文の特徴が一般に根付いているということだけが理由ではなく、教室で指導をする教室指導者や講師陣たちが、公文の研修や講習などを通じて、公文の理念をより理解できるようにされているためです。
自分も公文で講師をしていたときに、本部の指導講習を通じて公文への理解を深めました。
また以下はあくまで参考にはなりますが、公文で教室指導者の経験がある古田綾乃さん(仮名)の証言を元にした内容も載せておきます。
教室開設前の研修期間は約1カ月、週1回の集合研修5回と、研修日と研修日の間に自宅で学ぶWebプログラムがある。
公文式の基本的な考え方、指導・運営の基礎知識、各教科の構成、保護者対応など、全般に亘って座学とWeb、実際に教室にて実習という形で学ぶ。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』90ページより)
開設後は、より具体的に教材や生徒指導について学ぶ。
担当スタッフが付き、実地的にアドバイスをくれたり、相談に乗ってくれたりする。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』91ページより)
[3]グローバルな教育産業
『公文式』は、日本国内だけでなく、世界に広がるグローバルな教育産業でもあります。
2020年3月時点において、公文は世界56の国と地域に教室を展開しており、海外での受講教科数は247万(日本の受講教科数は144万)、海外で開かれている教室数は8,800(日本の教室数は16,100)にまでのぼります。
※受講教科数とは、生徒一人あたりの数
例)一人の生徒が公文で算数と英語を習っていたら、受講教科数は2とカウント
またこのようなグローバル化は着実に拡大を続けています。
参考までに、2016年と2020年までの4年を比較すると、公文の海外へ導入された国と地域数と、海外での受講教科数、海外教室数、海外での教室指導者数はともにプラスに推移していることがわかります。
公文の海外事業データ | 導入された国と地域の数 | 海外での受講教科数 | 海外教室数 | 海外での教室指導者数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 48 | 276万 | 8,400 | 7,800人 |
2020年 | 56 | 247万 | 8,800 | 8,500人 |
※スマホ版は表を触ると左右にスライド
※『導入された国と地域の数』は日本を除外した数字
※教室指導者数とは教室長のこと
※ともに各年3月でのデータ
以上のことから、こうした『公文からKUMON』へのグローバル化は、公文の大きな特徴の一つともいえます。
公文式の特徴まとめ
以上が公文の特徴になります。
公文への理解をより深めたいとき、もしくは他塾との比較などをしたいときなどは、参考にして頂ければと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
それでは。