公文式の海外事情『KUMON』についての情報一覧

飛行機による飛行

日本の教育産業を代表するグローバル企業:公文の海外にまつわる情報について。

なお、公文の全体像については、『【公文式とは何か?】子供の習い事『公文教育研究会』の全容』にて。

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公文式の海外受講者数と教室数(2020年3月のデータより)

2020年3月時点では、公文は世界56の国と地域に教室を展開している。

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海外での受講教科数は247万(日本は144万)

公文の海外での受講教科数は247万。

(日本の受講教科数は144万)

※受講教科数とは、生徒一人あたりの数

例)一人の生徒が公文で算数と英語を習っていたら、受講教科数は2とカウント

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※生徒数(学習者数)の公表はされていない

なお、公文は1980年に英語がスタートしてから、受講教科数単位での数え方をするようになった。

そのため、現在では国内外関わらず、生徒数(学習者数)の公表はされていない。

当然ではあるが、取り扱う教科が算数・数学のみだったときは、その限りではなかった。

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海外の教室数は8,800(日本は16,100)

海外で開かれている公文式教室は8,800。

(日本の教室数は16,100)

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海外は日本に比べて教室数が少ないが、受講教科数は多い

以上のことから、公文の海外教室数は日本に比べて少ないが、受講教科数は海外の方が日本より多くなっている。

理由は不明だが、海外と日本では、教室単体の規模が違うことが影響しているのかもしれない。

または各国によって日本とは公文の立ち位置や教育観そのものが大きく異なっていることも何らかの形で影響しているのかもしれない。

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2016年と2020年を比較しても海外事業は堅調に拡大

公文の海外事業は堅調に拡大を続けている。

参考として2016年と2020年までの4年を比較すると、公文の海外へ導入された国と地域数と、海外での受講教科数、海外教室数、海外での教室指導者数はともにプラスに推移している。

公文の海外事業データ 導入された国と地域の数 海外での受講教科数 海外教室数 海外での教室指導者数
2016年 48 276万 8,400 7,800人
2020年 56 247万 8,800 8,500人

※スマホ版は表を触ると左右にスライド

※『導入された国と地域の数』は日本を除外した数字

※教室指導者数とは教室長のこと

※ともに各年3月でのデータ

受講教科数のみマイナスとなっているが、これについての詳細は不明。

複数教科を受講する生徒が減っている何らかの理由があるのかもしれない。

▼参考に使った2016年についての資料▼

現在では世界49の国と地域に教室を展開、全世界で約427万人が公文式を学習している(2016年3月現在)。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』114ページより)

海外学習者数は約276万人、教室数は約8400教室、教室指導者数は約7800人。

海外教室事業の売上はグループ総売上の半分に迫る。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』117ページより)

※『世界49の国』というのは、日本をふくめた数字

※海外学習者数というのは、生徒一人あたりの受講教科数のこと

例)一人の生徒が公文で算数と英語を習っていたら、学習者数は2とカウント

※教室指導者数とは教室長のこと

※すべて2016年3月における数字

▼参考に使った2020年についての資料▼

公文のデータ(2020年)

KUMONグループの事業データ

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公文式の海外教材

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日本の教材がそのまま現地語に翻訳されるのが基本

海外で使われる公文式教材プリントは、基本的には日本で使われているものをそのまま現地語に翻訳する形で使われている。

これはそもそも公文式教材が日本の学校カリキュラムをベースにして作られていなかったからこそ可能だった。

例)公文では算数・数学教材で図形問題や文章題がほぼ出題されないなど

公文の海外教材プリント

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公文式への海外の反応

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発展途上国で高い人気

世界のなかでも、どちらかというと公文の人気は発展途上国にあるようだ。

どちらかといえば公教育整備が遅れている発展途上国での人気が高い。

そのような国や地域の、教育熱心な富裕層がKUMONを選んでいるのである。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』115ページより)

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アジア系の人々からの支持が高い

アジア系の人々からの人気が高いことも特徴とされている。

北米やヨーロッパでもアジア系の人々からの支持が圧倒的に高い傾向がある。

コツコツ努力型の学習法はやはりアジア系の人々への受けがいいのかもしれない。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』115ページより)

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公文式の海外展開のきっかけは、とある家族からの要望だった

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当初、公文は海外進出に積極的ではなかった

公文は今でこそ、日本の教育産業を代表するグローバル企業であるが、当初は海外進出には意欲的ではなかった。

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『ニューヨークに転勤しても、公文を続けたい』という願いに応えた

しかし、ニューヨークに転勤することとなった、とある家族からの要望に応えたことで、公文は必然的に海外にも目を向けるようになる。

その家族は日本で子供を公文に通わせていたのだが、転勤先のニューヨークでも公文を続けることを願ったのだ。

この出来事が、1974年にアメリカのニューヨークで公文式教室がオープンすることにつながる。

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公文式の海外展開の歴史

公文の海外展開の歴史について。

なお、国内を含めた公文の歴史詳細は、『公文式の歴史年表【黎明期から新時代まで】』にて。

1974年:アメリカ(ニューヨーク)にオープン

1974年:アメリカのニューヨークに公文式教室がオープンする。

同じような形で、他国や他の地域でも教室展開が進み始める。

1976年:ブラジル(ヴィトーリア)にオープン

1976年:ブラジルのヴィトーリアに公文式教室がオープンする。

現地の日本人コミュニティからの要請に応える形でオープンすることとなった。

1980年:ブラジル(サンパウロ)にオープン

1980年:ブラジルのサンパウロに公文式教室がオープン。

1980年:ドイツ(デュッセルドルフ)にオープン

同じく1980年:ドイツのデュッセルドルフにも公文式教室がオープンする。

1982年:アメリカ(ロサンゼルス)にオープン

1982年:アメリカのロサンゼルスに公文式教室がオープン。

1984年:オーストラリア(シドニー)にオープン

1984年:オーストラリアのシドニーに公文式教室がオープン。

1988年:『サミトンの奇跡』が起こる

1988年:『サミトンの奇跡』が起こる。

これは学力低下に悩んでいたアメリカのアラバマ州の公立小学校サミトン校から、『公文を学校の授業に取り入れたい!』と強い要望があり、正規の授業として導入した結果、わずか数か月で多くの生徒たちの学力が向上した出来事である。

この一連の出来事は『サミトンの奇跡』として、『タイム』や『ニューズウィーク』をはじめとしたアメリカメディアで大々的に取り上げられ、KUMONの名を全米に知らしめることとなり、公文の海外事業の拡大に大きな後押しになったとされている。

1988年:香港にオープン

1988年:香港に公文式教室がオープン。

日本人駐在員が多い都市を中心にオープンし、その現地の子供をターゲットに教室を拡大させていった。

現地法人の設立も進む。

1990年:スイス公文学園高等部が開校

1990年:スイス公文学園高等部が開校。

スイスのリゾート地レザンにある全寮制高校。

高いレベルの英語教育が受けられる。

公文式教材プリントを使った勉強もあり、高校1年生は数・英・国の3教科必修。高校2年生は2教科選択必修。高校3年生は任意選択となっている。

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公文とKUMONの違いと共通点

海外での月謝は高め

海外での公文の月謝は、現地の物価と比較すると安いとはいえない。

日本では安価だとされる公文式だが、海外での月謝は現地の物価に比較すると実は決して安くない。

たとえばアメリカでは1教科あたりの約130ドル(約1万3600円)の月謝である。

シンガポールでは145シンガポールドル(約1万900円)、フィリピンで約2000ペソ(約4300円)、インドで2500~5000ルピー(約4000~8000円)、など、富裕層でないと通えない。

一方で、イタリアの財団の支援を受け、フィリピンの貧困街には80名限定で月謝無料の教室も開設している。バングラデシュでは、BRACというNGOと共同して、やはり貧困層への教育支援を行っている。子供たちが貧困を抜け出すための社会的インフラとしてもKUMONは重要な役割を果たしているのだ。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』115、116ページより)

教材や指導法、経営体制は世界共通

教材はさきに述べた通りだが、公文では教材にくわえて指導法、経営体制も世界共通である。

教材や指導法が世界共通であるだけでなく、指導者が教室経営者を兼ねる原則も、指導者が規定の単位の研修を受けなければいけないルールも、世界共通だ。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』115ページより)

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