▼YouTube▼
パンぞう
ナマケモノ君
トモヤ
僕は地元の工業高校から一般入試で理系大学に進学した後、現在はエンジニアとして働いています。
高校生だったときの僕は工業高校の授業を通して勉強が楽しくなり、『もっと専門的な勉強がしたい!』という理由で大学進学を決めました。
ですが、工業高校では卒業後は就職が一般的です。
その証拠に、僕が通っていた高校の同期もほとんどが就職を選択しました。
そのため、驚くほど進学の情報が少なかったんです。
高校生だった僕
そこで当サイトでお伝えしていくことにしました。
ここでは学校の先生が立場上教えてくれない進学後の話も包み隠さずおお伝えしていくつもりです。
工業高校から大学進学を考えている方は参考にして下さいませ。
- 大学進学の方法
- 工業高校から大学に行く意味
- 大学で苦労しないための対策法
注)工業高校から大学に行く方で最も多い『理系大学』に進学することを前提にしたお話しになります。
工業高校から文系大学に進むことについては以下をどうぞ。
【工業高校から文系大学へ進むのは大アリ】工業高校出身の僕が伝えたい
タッチ⇒移動する目次
工業高校から大学進学する方法は2通り
高校から大学に進学する方法は大きく分けて『推薦入試』と『一般入試』の2通りです。
どちらも良い面と悪い面があるので、どちらにするべきかはよく理解して選ぶ必要があります。
①『推薦入試』で進学
工業高校から大学進学される方に一番多く利用されるのが『推薦入試』です。
【推薦入試とは…】
一般的に学力試験が免除される試験のこと。
『指定校推薦』や『AO入試』など様々な推薦の種類がある。
『推薦入試』には様々な種類がありますが、その中でも一番よく利用されるのが『指定校推薦』です。
【工業高校の指定校推薦】後悔しないために絶対に知っておきたいコト
『推薦入試』を利用するメリットは『学力試験を受けなくていい』ことに尽きます。
なぜなら、一般的に『推薦入試』は面接のみで学力試験が免除されることが多いからです。
工業高校の授業は普通科高校の授業と比べてどうしてもレベルが落ちます。
そのため、『推薦入試』は工業高校生にとってとてもありがたい制度なんです。
ナマケモノ君
トモヤ
『推薦入試』を使えば大学に入るのは簡単になりますが、大学に入ってから単位をとるのに苦労する可能性があります。
さきほどお話しした通り『推薦入試』は一般的に学力試験が免除されます。
そのため、基礎学力が不足したまま大学に行くことになるからです。
工業高校の生徒が実習をしている間に、普通科高校の生徒は机に向かって勉強をしています。
学力に差が出るのは仕方がないことですが、『推薦入試』は決して良いこと尽くしではないことを知っておきましょうね。
高校の先生方は生徒を大学に進学させることまでしか考えていない方が多いです。
『推薦入試』で大学に行ったものの、『大学の勉強についていけなくて留年してしまった…』という方は少なくありません。
大学に進学するのであれば、高校生のうちに基礎を固める勉強をしておくことはとても大切です。
②『一般入試』で進学
『一般入試』は普通科高校の生徒がよく利用する入試です。
【一般入試とは…】
3科目もしくは5科目の学力試験に合格して大学に進学する入試のこと。
冒頭でお伝えしましたが、僕も『一般入試』で大学進学しました。
『一般入試』を利用するメリットは、進学する大学のレベルに見合った学力を付けてから入学できることです。
トモヤ
受験勉強をしなければいけないので、大変といえば大変ですが…。
『推薦入試』と『一般入試』のどちらを使うのかは自由です。
2つの違いは『大学進学した後で苦労するか』、『大学進学する前に苦労するか』という点になります。
日程としては『推薦入試』の方が『一般入試』よりも先にあるので、個人的には推薦を狙いつつも勉強をコツコツやっていくことをオススメしますね。
ナマケモノ君
『工業高校から大学進学する意味あるの?』というあなたへ
ナマケモノ君
トモヤ
ここでは元エンジニアの経験から『高卒』と『大卒』の仕事の違いを中心にお話しさせて頂きます。
どちらの方がいいという話ではないので、あくまで参考にして頂ければと思います。
『高卒』の仕事
工業高校卒で就職すると『現場』の仕事が多い、というのが僕の印象です。
実際に高卒で就職した僕の高校の同期は、僕が知り得る限り全員が卒業して『現場』の仕事をしています。
また、僕のエンジニア時代にも『現場』の仕事には高卒の方が圧倒的に多かったです。
『現場』の仕事は『モノづくり』で例えると『モノを組み立てる仕事』のことです。
体を動かすことが多いので、どちらかというと『体力仕事』になります。
しかし、『現場』の仕事は実物の製品に直接関わることができます。
モノを触ったり作ったりするのが好きな方にとってはやりがいはありそうです。
例えば、自動車会社であれば、世に出る前の最先端の自動車の部品の組み立てなどに関わることができます。
パンぞう
なので個人的には、プラモデルやレゴブロックなどのモノを組み立てることが好きな方は高卒で就職するのも良いかもしれません。
また高卒での就職は学校での成績が良い生徒から好きな企業を順に選べます。
大学であるような就職活動も経験しなくていいのもポイントです。
大卒だと就活で全国の学生と競争しなければいけませんからね。
ナマケモノ君
それに高卒での就職面接は出来レースなので落ちることはほぼありません。
成績上位者は大手企業に無条件で入れますので、大企業で働きたい方は高校を卒業してすぐに就職した方がいいかもしれません。
【工業高校から就職まとめ】工業高校出身でエンジニアの僕がお伝えしてきたこと
また工業高校卒の就職先には『学園生』といって、1年だけ給料をもらいながら学生生活ができる環境もあります。
大学進学にするか就職にするかをどうしても決められない方は、学校生活と就職を同時に経験できる『学園生』を考えてみてもいいかもしれませんね。
【高卒で就職するメリット&デメリット】社会人の僕が現実を伝えたい
『大卒』の仕事
大卒の仕事は『設計』や『開発』寄りの仕事が多いです。
実際に僕も大学を卒業して就いた仕事が機械設計の仕事です。
『設計』の仕事は幅広いですが、ざっくりいいますと、『現場で組み立てるための製品の設計をする仕事』になります。
【現役エンジニアが解説】機械設計の仕事内容や出世に必要なこととは
仕事内容はモノを組み立てるための強度やコストを計算したり、CADを使うこともあります。
そして僕たち『設計』の方々が作った図面を元に、先ほどお話しした『現場(高卒の方が多い)』がモノを組み立てます。
また、大学に進学すると就職できる仕事が圧倒的に広がります。
僕がエンジニアになってわかったことですが、世の中には大卒でしか働けない仕事が数多くあります。
そのため、モノを組み立てることがさほど好きでないなら、大学に進学して選択肢を増やすのは悪いことではありません。
しかし、大卒は高卒と違って就職活動があります。
企業訪問や面接の日程調整などはすべて自分でやらなければいけません。
パンぞう
トモヤ
もし就職するのか進学するのか決めかねている方は、以下にその点の話をまとめさせて頂きました。
興味がある方はご覧下さいませ。
【工業高校の進路】就職するか進学するかについて僕の経験を話したい
工業高校から大学進学しても授業にはついていけるのか?
繰り返しになりますが、工業高校の授業は普通科高校の授業よりもレベルが落ちることが多いです。
たとえ工業高校の中で成績が上位であっても、普通科高校の生徒には太刀打ちできないと思って頂いていいでしょう。
その証拠に僕の大学にも工業高校出身で推薦によって大学に進学したものの、勉強についていけなくて留年した方は何人もいました。
パンぞう
トモヤ
僕が伝えたいことは、『大学の授業で苦労しないように高校生のうちに準備をしておくこと』です。
そのためには『数学』や『物理』などの普通科高校の生徒と差が付きやすい科目の基礎を勉強しておくことが大切です。
しかし、イチから勉強するのは効率が悪いためオススメできません。
そこで、ここでは元工業高生であり元大学生でもある僕の立場から、『大学入学前にやっておくといいこと』を厳選してお話しさせて頂きます。
工業高校から大学進学までにやっておきたい3つのこと
トモヤ
①『数学III』
『数学III』という科目の勉強は大学進学の前に必ずやっておくべきです。
なぜなら、理系大学では『数学III』の中の『微分積分』という内容を中心に授業が進むからです。
特に大学2、3年になると『数学III』を理解していることを前提に応用問題がバンバン出題されます。
僕の大学時代でも、数学系の授業で単位を落として留年してしまう工業高卒の同期が多かったです。
パンぞう
トモヤ
工業高校によるかと思いますが、高校によっては『数学III』は必修ではありません。
そのため、授業で習わないこともありえるんです。
つまり、高校で習ったことのない分野を大学でいきなりやらなければいけない可能性があるんですね。
ナマケモノ君
そこで僕がオススメしたい参考書は『黄チャート』というものです。
チャートは難易度別に白<黄<青<赤と種類がありますが、基礎を固めるのであれば『黄チャート』で十分だと思います。
ただし分厚い参考書なのでイチから解こうとはせずに、『微分積分の問題(特にグラフ)』を中心に解くことをオススメします。
パンぞう
トモヤ
最初は分からない問題ばかりだと思いますが、基礎問題だけでも解けるようにしておくと大学に入学してからとても役に立ちます。
完璧に解く必要はないので、理系大学に進学する予定の方は一度解いてみて下さい。
②『物理』
『物理』は大学の『熱力学』や『流体力学』などの力学系の授業で必要になります。
工業高校においても『物理』の授業はあるかと思いますが、僕の高校では十分ではありませんでした。
オススメの参考書は『橋元式の参考書』と『物理のエッセンス』です。
どちらも普通科高校の生徒であれば誰もが知っている良書になります。
『物理のエッセンス』が解けるなら橋元式は必要ありませんが、おそらくそれは難しいかなと思います。
なのでまずは『橋元式の参考書』で基本を学んでから『物理のエッセンス』に挑戦するのがオススメです。
僕は力学系を中心に何度も何度も繰り返し解き、大学進学後も教科書代わりにしていました。
内容は簡単ではありませんが、解けるようになれば『物理』の基礎が身につきます。
③『英語』
英文に慣れておくと大学生活でとても役に立ちます。
進学先が理系大学であれば、正直『英語』は『数学』や『物理』ほど重要視される科目ではありません。
しかし、大学3、4年生になると研究の授業が始まります。
研究室によって何をやるかは様々ですが、僕がいた研究室では海外の論文をひたすら読んで内容を発表する課題がありました。
海外の論文は当然英語で書かれています。
そのため、読むときに英語力は少なからず必要になるんです。
また、僕の経験からも英語が得意なのはそれだけで就職においてもメリットになります。
エンジニアとして働いた経験からも、英語ができると会社に入ってからも重宝されるのは間違いないです。
トモヤ
時間があれば英語の勉強は力を入れて取り組んで頂きたい科目です。
オススメの参考書は『Next Stage(ネクステージ)』です。通称ネクステ。
ネクステは普通科高校の生徒の間では知らない方はいないほど有名な参考書です。
単語と文法を同時に覚えることができるのでとても役に立ちます。
大学で分からない英文や文法があっても参考書代わりに使えるので、一冊持っておくと便利です。
工業高校から大学進学した僕が伝えたいことまとめ
僕は工業高校から大学進学を決意したとき、教師や親にとても反対されました。
工業高校=就職というのが一般的だったからかもしれません。
そんな中、当時の教師が『勉強するのは良いことだ!』といって背中を押してくれたのは良い思い出です。
この場を通じてになりますが、僕もその当時の教師のように『読んでくれた誰かの背中を押すことができれば』と思っています。
長くなりましたが、最後までご覧頂きありがとうございました。
関連ページ
【大学に行く意味がわからない…】わからなくなったときに聞いて欲しい
【工業高校の進路】就職するか進学するかについて僕の経験を話したい
【工業高校の指定校推薦】後悔しないために絶対に知っておきたいコト
【工業高校の資格】機械科出身の自分が取得をおすすめしたい資格一覧