教育心理学にまつわる用語集とその意味のまとめ一覧です。
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教育心理学にまつわる人物用語集
ソーンダイク
デシ
アメリカの心理学者。
人はお金などの報酬(外発的動機づけ)を与えられると、行動などに対するやる気(内発的動機づけ)が低下してしまう可能性があることを研究で明らかにした。
ターマン
アメリカの心理学者。アメリカ心理学会の会長も経験。
『IQ(知能指数)』の起源となる『スタンフォード=ビネー知能尺度』を考案。
また生前、IQは教育に依存するものであるが、遺伝的でもあると信じていた。
スキナー
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。
バラス・フレデリック・スキナー(Burrhus Frederic Skinner)
1904年ー1990年
アメリカの心理学者。
動物による研究から解明された『学習原理』を、『プログラム学習』として人間にも応用できる形で発展させた。
またパブロフの犬やネズミによる実験で有名な条件づけを、『レスポンデント条件づけ』と『オペラント条件づけ』と命名し、明確に区別した人物でもある。
ブルーナー
アメリカの教育心理学者。
学習者自身が自主的に学習をする『発見学習』の理論とメリットを提唱したことで有名。
ブルーム
この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
ベンジャミン・サミュエル・ブルーム(Benjamin Samuel Bloom)
1913年ー1999年
アメリカの教育心理学者。
効果的な教育には、『教育目標の分類』をしたうえで取り組むことが大切だと提唱。
また勉強を進めていくには、その分類された目の前の目標が完全にできるようになってから次に進むべきだとする『完全習得学習』という理論も提唱した。
バンデューラ
カナダとアメリカの国籍を持つ心理学者。アメリカ心理学会の会長も経験。
他の人の行動を見て学習する『観察学習』などを要素とする『社会的学習理論』を提唱。
さらに、自分を信じることでやる気の向上につながる『自己効力感』の存在を明らかにした論文には、現在までに約7万件もの被引用件数があるなど、教育界に多大な功績を残した。
※現在、『社会的学習理論』は『社会的認知理論』という名称に変更されているが、ここでは一般的な認知度を考慮し、前者を呼称した
ジマーマン
バリー・J・ジマーマン(Barry J. Zimmerman)
1942年ー現役
アメリカの教育心理学者。
主体的で望ましい学習サイクルを『自己調整学習』として理論立てた。
教育関連の心理学理論と心理効果の用語集
アンダーマイニング効果
『面白い!』や『好き!』といった知的好奇心(内発的動機づけ)をエネルギーにした行動は、『ご褒美』や『お金』などの外的な報酬(外発的動機づけ)を下手にあたえられることで、弱まってしまうことがある心理効果。
教育に例えると、知的好奇心によって勉強していた学習者が、知的好奇心とは別の外的な報酬の存在を知ることで、勉強への動機が置き換わってしまう現象。その結果、学習者は報酬がもらえないと、やる気がなくなってしまうようになる。
ホーソン効果
周りから期待されていると、それだけでやる気が高まり、結果が向上することがある心理効果。
教育の現場に例えるなら、学習者が指導者から期待されていることを感じるだけで、その後のテスト成績が上がることがある。
ピグマリオン効果
指導者側が学習者や教育法に期待したうえで指導すると、学習者の結果が向上することがある心理効果。
ゴーレム効果
指導者側が学習者に期待しないでいると、学習者の結果が低下することがある心理効果。
完全習得学習
勉強を進めていくには、目の前の課題や目標が完全にできるようになってから次に進むべきだとする理論。
公文式学習や自動車教習所などで使われている。
アメリカの教育心理学者ブルームが提唱。
タキソノミー
効果的な教育には、『教育目標の分類』をしたうえで取り組むことが大切だとする理論。
教育目標を細分化することで、学習者にとっては取り組むべき目標が具体的になる。
アメリカの教育心理学者ブルームが提唱した理論であるため、『ブルーム・タキソノミー』や『ブルームの分類法』とも呼ばれている。
教育心理学でも使われる動機づけにまつわる用語集
動機づけとは、生体の欲求を刺激して、行動への後押しとなる動機そのもののことである。
内発的動機づけ
知的好奇心など、欲求を満たす対象が内部にある動機のこと。
また内発的動機づけの要因の影響度は人によって様々であり、それは内発的動機づけ自体が人間固有の自主性や価値観によって変わるからである。
外発的動機づけ
お金や食事など、欲求を満たす対象が外部にある動機のこと。
また強制力のある外的なルールのある環境に身を置くことも、外発的動機づけの一種とされる。
そのため、教育の世界では、『アメとムチ』による賞罰教育もそれにあたる。
教育心理学に関連する組織用語集
日本教育心理学会
科学的心理学会
1988年に設立された、アメリカの学会組織。
『科学的な心理学』のイメージ回復を使命としており、公式サイトでの文献紹介や各種コンテンツの提供、メディアへの支援などを行っている。
会員は世界80か国以上もの心理学者や研究者、教育者などから形成されており、会員数は35,000人を超える。
通称:APS(Association for Psychological Science)。
アメリカ教育研究学会
1916年に設立された、アメリカの学会組織。
世界中の教育研究者たちの英知が集約されている。
通称:AERA(American Educational Research Association)。
教育心理学の研究方法にまつわる用語集
観察法
研究者が被験者を観察する研究方法。
観察法は、研究者が人工的な介入や設定をするかどうかで、『自然観察法』と『参加観察法』、『構造化観察法』、『フィールド実験』に分類される。
<介入ナシ>
・自然観察法…自然な状態の被験者を観察
<介入アリ>
・参加観察法…研究者自身が、被験者がいる環境に介入して観察
・構造化観察法…研究者が観察したい特定のイベントを設定するために介入し、意図していたイベントが成立されたうえで観察
・フィールド実験…研究者が実験条件(独立変数)を1つ以上操作したうえで観察
実験法
実験条件(独立変数)を変化させることで生じる結果(従属変数)を調べる研究方法。因果関係の解明に役立つ。
調査法
研究者が被験者の意見や行動、事実情報、好みなどを調査する研究方法。
調査法にはいくつもの種類があるが、教育心理学で主に使われるのは、『質問紙調査』と『面接調査』、『心理検査』あたりである。
・質問紙調査…被験者にアンケート用紙の質問に回答してもらう
・面接調査…研究者が被験者と直接面接する
・心理検査…研究目的の用途に応じた検査法を被験者に受けてもらう
事例研究法
少数の事例に注目し、その事例の変化や性質を研究する方法。
教育心理学でも使われる研究法だが、最もよく使われるのは、臨床心理学をはじめとした臨床研究の分野である。
縦断的研究
同じ被験者を一定期間、継続して追跡することで起こる行動や思考、感情の変化を検証する研究方法。
横断的研究
異なる年齢の被験者を集め、その集団ごとの違いを比較することで関連性を検証する研究方法。
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