とある保護者
【公文式のまとめページ】今まで伝えてきたすべて
トモヤ
学研と公文には、お互いにまったく違った特徴があります。
ですが、実際は学研よりも公文の方が、明らかに良いところがあることも事実です。
- 【理由もアリ】学研よりも公文が良い部分
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学研より公文が良いところは6つある
順にお伝えさせていただきます。
<1>『計算力』が鍛えられる
まずこれは算数・数学に限った話になりますが、公文では、学研よりも計算力が徹底的に鍛えられます。
公文式算数は、出題される問題の約9割が計算問題ですので、計算に特化した勉強ができるからです。
【公文の算数に図形・文章問題がない本当の理由】実は1970年前後に一度、導入されていた
自分が公文で講師をしていたときも、公文に入会して、計算力がグングン伸びていく生徒は少なくありませんでした。
学研教室の指導者:川上聡子さん(仮名)は、公文の良さを以下のように話します。
「早期に計算能力を一気に鍛えるにはいい。計算力に焦点を絞っていれば、公文式のような効率的な指導ができるのかもしれません」
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』177ページより)
川上さんは、『計算力の勉強』に一点突破ができることは、学研にはない公文の良さだと認めているようです。
「公文式は受験勉強を楽にするために計算力を養うことを目的としたプログラム。
学研教室は学校に寄り添い、地域の教育をサポートする立場。
目的がまったく違う。
その意味で、私としては公文式を競合だとは思っていません。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』177ページより)
また川上さんは、公立中学の教師や中学受験塾での講師経験もあるとのこと。
学研だけではなく、様々な教育現場を目にしてきた川上さんだからこそ、学校に準拠していない(図形・文章問題がほとんど出題されないなどという意味)公文式算数は、余計に特異な存在として映るのかもしれません。
表面的なしくみは公文式に酷似している。
ただし、教材の設計理念に大きな違いが見られる。
一言で言えば、学校準拠か否かである。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』175ページより)
<2>『速く解く意識』が身につく
また公文は学研よりも、圧倒的に『問題を速く解く意識』が身につきます。
公文では、『標準完成時間』といって、『勉強する教材プリントごとに、問題を解くための目安が決められている』ためです。
【『標準完成時間』とは…】
公文の教材プリントを解くのにかかる標準的な時間のこと。
教材ごと、教科ごとに設定されており、生徒の理解度をはかる目安としても使われる。
公文では、仮にとある教材で100点が取れたとしても、この標準完成時間がオーバーしている場合は、再度同じ教材を繰り返させることを原則としている。
公文式では決められた時間内で解くことを求めるが、学研教室では速さを求めない。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』176ページより)
…といっても、実際に公文の生徒と学研の生徒の問題を解くスピードを比較した例はありませんので、公文で勉強をすれば、必ずしも問題を速く解けるようになるとはいえません。
しかしながら、公文で講師をしていた自分の経験上でも、公文で勉強すれば、『速く解く意識』が身につくことはほぼ間違いありません。
なのでもしご自身のお子さんに、「今よりも問題を速く解けるようになってほしい…!」と思っているのなら、公文は悪い環境ではないと思います。
<3>1教科のみの勉強ができる
1教科のみの勉強ができることも、学研にはない公文の良さです。
公文では、算数だけとか、英語だけといった、1教科のみの受講ができる一方で、原則として学研では1教科のみの勉強はできません。
しくみ上の違いといえば、基本的に学研教室の場合、小学生は算数と国語の2教科がセット受講になっていて、英語と理科・社会と読書活用がオプションであることくらい。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』174、175ページより)
【学研と公文の違い】塾講師だった自分がすべてを明らかにします【比較】
学研では、基本は算数と国語で1セット受講となっています。意外と知られていないことですが、学研の基本的なルールです。
なのでもし「算数だけを勉強したい」とか、「国語のみを習わせたい」といったような、特定の教科だけを勉強したい場合には、学研よりも公文に分があるということです。
<4>生徒のレベルに合った勉強ができる
生徒の現在の学力レベルに合った勉強ができるのも、公文の良さになります。
たとえば公文では、たとえ生徒が小学4年生であったとしても、必ずしもその学年の内容を勉強するとは限りません。
小学4年生より上の学年の内容を勉強することもあれば、その逆もあり得ます。
というのも、公文では、入塾前に生徒は『学力診断テスト』を受けることが義務付けられており、勉強する教材レベルはそのテストの結果によって決まるからです。
【『学力診断テスト』とは…】
生徒の学力レベルを調べるための公文独自のテスト。
注:点数が低いからといって入塾を拒否されるようなことはありません。ご安心下さいませ。
もちろん実際に勉強する内容は、テストの結果だけではなく、保護者の方の意見なども尊重されます。
とはいえ、このように生徒の実力や保護者の意見などを参考に、生徒の学力レベルにピッタリな勉強ができるのは、公文の良さといえるはずです。
一方でこれは自分が公文と進学塾で講師をしていたときに聞いた話にはなりますが、学研では、公文ほど勉強する内容に融通は利かないと聞いたことがあります。
たとえ勉強ができる生徒さんであったとしても、学研では公文のように、学年を越えた内容を勉強する『先取り学習』はさほどできないとも聞きました。
公文では、『先取り学習』が進むと、『オブジェ』というトロフィーがもらえる制度があります。
【公文のオブジェ(トロフィー)は超優秀生の証】公文の元講師の自分が振り返る【天才だと思う】
これも公文が生徒に、自分に合うレベルから勉強を始めてもらって、どんどんそのレベルを高めていってほしいという想いがあってこそのことです。
<5>宿題の枚数を変えられる
公文は学研と違って、宿題の枚数にも融通が利きます。
プリントへの取り組み方にも両者の理念の違いが表れる。
公文式がその子の能力に合わせて毎日取り組むプリントの枚数を調整しているのに対し、学研教室では、教室では各教科1日2枚、家庭では各教科1日1枚と決まっている。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』176ページより)
【公文の宿題を減らすのは全然OK】公文で働いた自分の話【注意点アリ】
もちろんなかには、『宿題の枚数はコロコロ変えるべきではないのでは?』という意見があることも理解はしています。
とはいえ、公文で講師をしていた自分の経験上でも、公文では宿題の枚数を柔軟に調整できることは事実です。
つまり公文では、子供がやる気になっているときは宿題を増やしたり、逆に理解が追い付いていないときなどは、あえて宿題を減らしたりすることが可能というわけです。
しかし、学研では宿題の枚数は原則として一日1枚のみ。
これは自分が聞いた話になりますが、宿題の枚数は基本変更不可だったはずです。
【学研と公文の違い】塾講師だった自分がすべてを明らかにします【比較】
なので『宿題の枚数に融通が利く』という意味では、公文に分があります。
ちなみに公文で宿題の枚数を調整したいときは、その教室の教室長に言う必要がありますが、それは保護者の方ではなく、子供が伝えてもOKです。
基本的に公文は生徒ファーストの塾なので、すぐに変えてくれると思います。
(教室長にもよりますが…)
<6>教室によって当たり外れが少ない
最後は、教室によって当たり外れが少ないことです。これも公文の良さになります。理由は以下の通りです。
- 設立して50年以上のノウハウがある
- 講師や経営者への研修がしっかりしている
- 『教えない』やり方なので指導者の質がさほど影響しない
まず公文式は1958年に創立されてから、半世紀以上の歴史がある老舗の塾です。
【公文式の歴史年表】黎明期から新時代まで【1956年~2015年の分岐点】
長い歴史の中で確固たるノウハウが積み重なっており、教育の理念が大きくブレることはありません。
その影響は、実際に現場で働く公文の講師や経営者へも反映されています。
自分も公文で講師をしていたときは、研修などで、公文式の理念や生徒にかける言葉がけを厳しく指導されました。
つまり公文は、たとえどの教室であったとしても、保護者や生徒の立場からすれば、一貫して同じようなサービスが受けられるということです。
もちろん実際は、教室長や講師、または通っている生徒たちなどによって、多少なりとも、その教室の『色』というものは存在します。
しかしながら、教室運営中は、公文の本部の方々が定期的に教室の運営状況を確認しにきたりもするため、あまり好き勝手に運営することはできません。
なので公文では、基本的にはどの教室であったとしても、『公文式の勉強』が受けられるということです。
教室によって指導方針に大きな違いが生まれることが少ないためです。
一方で学研も公文同様、きちんとした塾だとは思います。
ですが、学研は公文と違って講師がガッツリ勉強を教える塾です。
【学研と公文の違い】塾講師だった自分がすべてを明らかにします【比較】
公文と違って良くも悪くも講師の質に左右されますので、やはりそういった意味でも、教室によって当たり外れが少ないのは学研よりも公文といえるでしょう。
学研より公文のまとめ
- 『計算力』が鍛えられる
- 『速く解く意識』が身につく
- 1教科のみの勉強ができる
- 生徒のレベルに合った勉強ができる
- 宿題の枚数を変えられる
- 教室によって当たり外れが少ない
客観的に見ても、学研よりも公文が良い面はたくさんあります。
しかし、大切なことはお子さんに合うかどうかです。
もしどちらに通わせるか迷っているのなら、学研と公文の特徴をよく理解することが大切だと思います。
そしてそんなときは、今回の内容を1つの参考にしていただければ嬉しいです。
それでは。
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