とある保護者
【公文式のまとめページ】今まで伝えてきたすべて
トモヤ
結論からいうと、学研の英語と、公文の英語には3つの違いがあります。ザっとまとめると以下の通りです。
- 勉強できる英単語の量
- 長文”読解”問題の有無
- リスニングへの力の入れ具合
逆にいえば、上記以外に学研の英語と、公文の英語に大きな違いはありません。
そこで今回は、以下の内容についてまとめてみました。
- 【理由もアリ】学研の英語と、公文の英語の違い
- 逆に共通していること
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学研と公文の英語の違いは3つだけ
それでは冒頭で見た以下の内容について、理由とともに、順にお伝えさせていただきます。
- 勉強できる英単語の量
- 長文”読解”問題の有無
- リスニングへの力の入れ具合
<1>勉強できる英単語の量
1つ目は、『勉強できる英単語の量』です。
まず学研では、出題される英単語の数は正式に公表されていません。
一方で公文では、公文のガイドブックによると、合計で約10,000語の英単語が出題されるとのこと。
いきなり10,000語と言われても、あまりイメージがわかないかもしれませんが…一例として、日本の有名大学入試レベルで出題され得る英単語数は約5,000~6,000語ほどと言われています。
そのため、それを踏まえると、公文で勉強できる約10,000語の英単語数は膨大な量であることがわかります。
とはいえ、なかには、『そんなにたくさんの英単語が出題されることに意味があるのか?』と疑問に思う方がいるかもしれません。
たしかにその通りではありますが、一方で公文には、以下のような興味深いデータもあります。
2013年度の英検では、3級・4級の小学生合格者の4人に1人がKUMONの生徒でした。
(2013年度 年間累計英検結果KUMON独自調査による)
(『公文式がわかる』164ページより)
やや古いデータにはなるものの、英検3級と4級の合格者の実に4人に1人が公文の生徒だったこともあるとのこと。
自分が公文で講師をしていたときも、公文が英検に強いことは実感していましたが、その理由の1つはもしかしたら、『勉強できる英単語の豊富さ』も少なからず影響しているのかもしれません。
【公文の英語が英検対応に役立つ4つの理由】公文と進学塾の元講師の自分がズバリ答えます
少なくとも、公文はより多くの英単語に親しめる環境であることは間違いありません。
以上のことからあくまで予想にはなるものの、学研は公文のように勉強できる英単語の量をアピールしているわけではないことから、おそらくは公文ほど多くの英単語は出題されないのだろうと思います。
そのため、勉強できる英単語の量は学研<公文であるといえそうです。これが両者の1つ目の違いになります。
<2>長文”読解”問題の有無
2つ目の違いは、『長文”読解”問題の有無』です。
まず学研では、英語の長文読解問題が積極的に出題される一方で、公文では、英語の長文読解問題はほとんど出題されません。
【公文の英語のデメリット】公文で働いていた自分が正直にぶっちゃける
公文で勉強したことのある東大生:千石智則さん(仮名)は、公文式英語について、自身の経験を踏まえながら次のように話しています。
あと、英語は上のほうの教材になると文章を写すだけとか、そんな感じなんですよ。
「これ、やっていて意味があるのかな」と思いました。
中1ぐらいで疑問をもちましたね。
(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』26ページより)
この千石さんの言葉は、公文式英語の核心をついています。
つまり公文では、英語の長文問題は出題されるものの、長文”読解”問題はほとんど出題されないというわけです。
このことは公文と進学塾で講師をしていた自分の経験的にも、間違いないことです。
その証拠に公文の英語で勉強できる読解問題は、小文~中文が中心となっています。
では、『なぜ公文式英語は長文”読解”問題が少ないのか?』というと、これについての理由はよくわかりません…。
もしかしたら『公文は、より多くのプリント問題を早く解く『繰り返し学習』を基本としている』ため、問題を解くのに時間がかかる長文”読解”問題は、そもそも公文式の理念に合わなかったのかもしれません。
なので英語の長文”読解”の力を効率的につけたいのであれば、個人的には公文よりも学研をおすすめします。
何より学研では、講師が勉強を積極的に教えてくれるはずですので、公文よりも問題の解き方への理解を深められるとも思いますので。
<3>リスニングへの力の入れ具合
最後の違いは、『リスニング学習への力の入れ具合』です。
まず学研の英語は、公文ほどリスニングに力を入れていません。
学研では、一応リスニングに使えるCDは配られますが…それでも教室でリスニングをする機会はあまりないようです。どちらかというと学研英語は、算数や国語と同じように机に向かって黙々と勉強する感じといえます。
一方で公文では、リスニング学習にはとても力を入れています。
E-Pencil(イーペンシル)を使った学習前の自主的なリスニングと、講師に向かっての音読は公文では常識です。
【『E-Pencil(イーペンシル)』とは…】
公文の教材プリントにかざすと自動で英語の音声が流れる機器(上の写真の水色のペン)のこと。
公文で英語を習ったら必ず利用する。
…といっても、『じゃあ公文で勉強している子供はリスニング能力が高いのか?』と聞かれると、そうとも言えない気はしますが。笑
とはいえ、英語は語学である以上、耳から学習することにも大きな意味があると思いますので、その意味でも学研よりもリスニング学習の環境が整っている公文には一定の価値があるとは思います。
学研と公文の英語で共通している2つのこと
とある保護者
トモヤ
最後は、学研の英語と、公文の英語の2つの共通点を簡単にご紹介して終わりとします。
〔1〕身につくことはあくまで『学校教育の英語』
まず学研の英語と、公文の英語は、どちらも学校教育に沿った内容を学びます。
『アルファベットの読み書き』から始まって、『be動詞』や『一般動詞』、『疑問視疑問文』を勉強する…といった流れです。
リスニングや音読も学校教育で求められているレベルの内容を学びます。
〔2〕英会話ができるようにはならない
そのため、裏を返せば、学研や公文で英語を勉強しても、英語はペラペラにはなりません。これも共通しています。
さきほどお伝えしたように、『学研の英語も、公文の英語も学校教育ための英語を勉強する内容』に終始していることが理由です。
どちらも英会話をする機会はほとんどないので、英語を話せるようにしたいのであれば、行くべきは英会話教室です。
自分が公文で講師をしていたときも、『公文で勉強すれば英会話は上達しますか?』と聞きに来られる保護者の方がいましたが、公文に英会話の上達は期待しない方が良いと思います。もちろんそれは学研でもそうです。
学研と公文の英語のまとめ
- 勉強できる英単語の量
- 長文”読解”問題の有無
- リスニングへの力の入れ具合
自分は公文と進学塾で講師をしていただけなので、学研で講師を経験したことはありません。
しかし、学研は国内の有名な学習塾の1つですので、教材研究をしたことがあります。
今回の内容を通して、学研の英語と、公文の英語にはハッキリとした違いがあることがご理解いただければ嬉しく思います。
両者の違いを精査するための1つの材料として下さいませ。
それでは今回は以上です。
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