【『アリババと40人の盗賊』が伝えたいこと】教訓の考察[原作のあらすじ内容も簡単に短く要約]

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名作:『アリババと40人の盗賊』をご紹介させていただきました。

あらすじは全文ふりがな付きで、読み聞かせができるようにまとめています。

一つの参考にして下さいませ。

このページでわかること
  1. 全文ふりがな付きのあらすじ要約
  2. 作者紹介
  3. 伝えたいことの教訓の考察
  4. 解説:「どこの国の話?」など
  5. 参考文献

『アリババと40人の盗賊』の原作のあらすじ内容を簡単に短く要約

まずは教訓などの前提となるあらすじと作者紹介です。

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ストーリー:「開け、ゴマ!」

アリババと40人の盗賊

むかし、ペルシャ*のまちに、アリババという青年せいねんがいました。

ある、アリババはもりぎょうをしていると、40にん盗賊とうぞくたちが、うまってやってきます。

とっさにかくれてようると、そこにはもりいわ盗賊とうぞくかしら*が、いわにあるとびらかって不思議ふしぎ呪文じゅもん*をさけんでいました。

 

ひらけ、ゴマ!」

 

すると不思議ふしぎなことに、とびらがすうーっとひらいたのです。

盗賊とうぞくたちがなかはいるととびらまり、しばらくすると、またとびらひらいて盗賊とうぞくたちがてきました。

そして盗賊とうぞくかしらが「じろ、ゴマ!」とさけぶと、とびらはまたすうーっとまったのでした。

 

盗賊とうぞくたちがったあと、アリババはためしに、あの呪文じゅもんさけんでみました。

ひらけ、ゴマ!」

するとどうでしょう。

やはりとびらひらきました。

そしてなんとそのなかには、たくさんの財宝ざいほうかくしてあったのです。

アリババは、きんはいったふくろを、ろくふくろいえかえりました。

 

あとになってそれをきつけたのが、アリババのあにのカシムです。

カシムはおとうとからきんのありかを無理矢理聞むりやりきし、「ひらけ、ゴマ!」とさけんでとびらなかはいりました。

でも、るときのことわすれてしまい、盗賊とうぞくつかって、ころされてしまいました。

 

盗賊とうぞくたちは、「カシムのなかもこのしょっているはずだ」とかんがえます。

そこで、おとうとのアリババをうたがはじめたのでした。

またきんうばわれていたことをった盗賊とうぞくかしらは、カンカンにおこっていました。

ぬすつけせ!」としたたちにめいじたのです。

 

その盗賊とうぞくたちは、すぐにアリババのいえさがてます。

よるになってから、アリババをおそ計画けいかくてました。

そこで、いえのドアにしろいチョークでしるしをつけてかえったのでした。

 

そのしるしづいたのが、アリババの召使めしつかいのモルジアナです。

用心深ようじんぶかくてかしこいモルジアナは、てんかせて、まちじゅういえのドアにもおなしるしけてまわります。

おかげで盗賊とうぞくたちは大混乱だいこんらん

がかりをうしなってしまった盗賊とうぞくたちは、アリババをおそうことができませんでした。

 

しかし、それでも盗賊とうぞくたちは、またアリババのいえさがてます。

つぎばんには、盗賊とうぞくかしらあぶらりのしょうにん変装へんそうして、アリババのいえにやってきました。

とおくからきたので、一晩ひとばんまらせてください」

なにらないアリババは、変装へんそうした盗賊とうぞくかしらを、こころよれてしまいます。

そして、ロバ20ぴきと、おおきなあぶらびん40いえかせてあげたのでした。

じつは、そのあぶらはいっているようにせかけたびんなかには、盗賊とうぞくしたたちがかくれていました。

盗賊とうぞくたちはまんまと、アリババのいえはいむことに成功せいこうしたのです。

 

ところが、ここでもまたモルジアナは、へんづきます。

盗賊とうぞくたちがびんなかにいることをやぶったのです。

モルジアナは、煮立にたったあぶらびんなかながむことで、なかにいた盗賊とうぞくたちを、やっつけたのでした。

 

これにおどろいたのは、盗賊とうぞくかしらです。

なぜなら、かしらがいくらあいおくっても、誰一だれひと人出りでないどころか、びんなかではしたたちがみんなたおれていたからでした。

かしら大慌おおあわてで、もりかえりました。

 

それでも、盗賊とうぞくかしらりません。

こんだいしょうにんのふりをして、アリババのむすなかくなります。

そしてうまいこと、アリババのいえばんごはんにばれたのでした。

 

しかし、やはりここでもモルジアナは、そのきゃくじんのことをすこへんだとかんじていました。

そこでよくよくをつけてきゃくじんてみると、そのしょうたい盗賊とうぞくかしらであることにづきます。

しかもそでなかには短刀たんとうしのばせていることにもづきました。

 

モルジアナはおどしょう着替きがえ、きゃくおどます。

短刀たんとううつくしくうモルジアナの姿すがたに、きゃくじんおおよろこびです。

そこできゃくじんきん一枚いちまい、モルジアナにわたそうとしたそのとき。

 

モルジアナはきゃくじんむねをめがけて、短刀たんとうしました。

 

「なんてことをするのだ!」

アリババはモルジアナをしかりつけました。

モルジアナはすべてのわけはなします。

 

ようやく本当ほんとうのことをかいしたアリババは、モルジアナの行動こうどう感激かんげきしました。

その、モルジアナは、アリババのむすのおよめさんになりました。

 

ひらけ、ゴマ!」

 

アリババは、とびらなかかくしてあった財宝ざいほうによって、大金おおがねちになり、いつまでもしあわせにらしました。

(おわり)

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よう説明せつめい

*ペルシャ:現在げんざいのイランのこと

呪文じゅもん不思議ふしぎちからこす、まじないのこと

かしら:あるグループなどのリーダーのこと

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作者:不明

作者:不明

本作:『アリババと40人の盗賊』は作者不明、発表年不明のイスラムの民話*です。

*イスラムの民話:インドやエジプト、ペルシャなどのイスラム世界で集められた民間伝承のこと

その他のイスラムの民話には、『アラジンと魔法のランプ』や『シンドバッドの冒険』などがあります。

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「『アリババと40人の盗賊』が伝えたいことは何だったのか?」【教訓の考察】

では、「本作:『アリババと40人の盗賊』が伝えたいことは何だったのでしょうか?」

2つの教訓を考察しました。

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注:ここからの情報は自分独自の考察に過ぎません。

間違っていないとは言い切れませんので、あくまで一つの参考にして下さいませ。

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<1>『勧善懲悪』

まず一つ目は、『勧善かんぜんちょうあく』です。

【『勧善かんぜんちょうあく』とは?】

い行いをした人は栄え、悪い行いをした人は懲らしめられて滅びる』といった道徳的な意味を持つ言葉

本作における勧善懲悪の例
  1. 善人のモルジアナ⇒栄えた
  2. 悪人の盗賊たち⇒滅びた

本作に登場したモルジアナは、アリババのために献身を続け、最後には結婚をつかみました。

一方で、盗賊たちにはアリババの兄のカシムを始末し、アリババを襲おうとした罰が下されたかのような最後となっています。

以上のことは、見方によっては『勧善かんぜんちょうあく』が教訓としてえがかれていたとも見れます。

少なくとも自分はそう考察しました。

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(とはいえ、アリババ自身はそもそも盗賊たちの財宝を盗んでいるのに最後には幸せをつかんでいるため、必ずしも『勧善かんぜんちょうあく』がえがかれていたとはいえませんが…)

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<2>『機転を利かせることの意義』

二つ目は『機転を利かせることの意義』です。

本作の主人公はアリババではあるものの、あらすじの後半にはモルジアナの活躍が際立っていました。

特に機転を利かせて盗賊たちの数々の計画を阻止した活躍は、本作の大きな見どころです。

とはいえ、もしかしたらそんな見どころ自体も、本作の教訓の一つだったのではないか…とも自分は考察しました。

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『アリババと40人の盗賊』の解説

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『千夜一夜物語』の一編

本作:『アリババと40人の盗賊』は、小説集:『せんいち物語*』の一編です。

せんいち物語:主にイスラム世界を舞台とした小説集のことで、『アラビアン・ナイト』とも呼ばれている

アラジンと魔法のランプ』や『シンドバッドの冒険』などの作品も、『せんいち物語』の中の一編です。

なお、『せんいち物語』は、『枠物語』の代表例としても知られています。

宇宙のファンタジー 『枠物語』とは?代表作品12例からその効果を考察【わかりやすく説明】

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「どこの国の話?」⇒『舞台はイラン』

本作の舞台はイランです。

それは本作に登場するアリババが、ペルシャ*の町にいるという設定からもわかります。

*ペルシャ:現在のイランのこと

『アラビアンーナイト(せんいち物語)』の登場人物。

ペルシアの町のまずしい商人。

ある日、森で木を切っていると、40人の盗賊とうぞくがやってきて、岩に向かって「ひらけゴマ」と呪文じゅもんをとなえて岩あなの中に入るのを見た。

盗賊たちが去ったあと、中に入ると、たくさんのたからものがあったので家に持ちかえった。

ところが、よくの深い兄のカシムにみつを知られてしまう。

カシムは岩あなで宝物を見つけるが、呪文をわすれて盗賊に見つかり、ころされてしまう。

盗賊たちは、岩あなの秘密が知られたのをさとり、アリババの家をつきとめるが、めし使いモルギアナのてんでころされ、アリババはすべての宝物を手に入れて大金持ちとなった。

(『学習人物事典』24ページ アリババ より)

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なぜ”ゴマ”なのかは不明

本作には「開け、ゴマ!」という呪文が登場しました。

とはいえ、「なぜ”ゴマ”なのか?」という理由はよくわかっていないようです。

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【『アリババと40人の盗賊』が伝えたいこと】教訓の考察[原作のあらすじ内容も簡単に短く要約]まとめ

本作:『アリババと40人の盗賊』は、不思議な呪文にまつわる物語でした。

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参考文献

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