パンぞう
トモヤ
数年前ではありますが、僕は特別区のI類採用試験を合格しました。
倍率が低い技術系機械職の採用ではありましたが…。
しかし、当時論文の添削をして頂いていた東京アカデミーの方には合格圏内のB評価をもらえていました(評価はA~Eの5段階)。
【特別区の論文の配点】受験経験者が評価項目と配点比率を解説してみた
なので論文対策の参考にはなるかと思いますよ( ・ㅂ・)و ̑̑
ちなみに今からご紹介する解答例は、以前お話しした『型』にならって書きました。
【公務員論文の書き方】論文をうまく書ける『型』を合格者が徹底解説
本番でも同じ書き方で合格しました。
そのため、この先の解答例は上記の『型』を一度見て頂いてからの方が理解が深まるかもです。
- 過去問の解答例
- 論文対策の注意点
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特別区の論文解答例を受験経験者が書いてみた【テーマは環境問題】
今回書いた論文テーマは以下の通り。解答例と合わせてどうぞ。
【過去問】
地球規模での平均気温の上昇が指摘され、その要因とされる地球温暖化が大きな問題となっています。
こうした状況において、特別区職員は日常生活の中で、環境問題に対し、どのように取り組んでいくべきか、あなたの考えを論じなさい。
実際の解答例
地球規模での平均気温の上昇が指摘され、その要因とされる地球温暖化が大きな問題となっている。政府においても21世紀末までに温室効果ガスの排出をゼロにすることを世界が約束した「パリ協定」が発行される等、環境問題は世界規模での社会問題である。このような環境問題を解決していくためには、国や企業、自治体が取り組むだけでなく、区民の一人一人が主体的に取り組んでいく必要がある。そのために特別区職員は、区民に対して環境問題への周知を図り、個人単位で温暖化対策に取り組んでいくための具体策を知ってもらうため、イベント等の参加の開催、呼びかけを積極的に行うべきだと考える。
近年、世田谷区では「環境エネルギー・ラボ」というイベントを開催し、区民が環境問題について関心を高めることができる機会を設けている。このイベントにより、区民に対してエネルギーを大切に使う省エネや、自然エネルギーを使う創エネの理解が図られる等したため、区民の一人一人が環境問題に対して関心を高めるきっかけになったのではないか。このようなイベントは今後も継続して開催していくべきだと考える。一人でも多くの区民の参加を促すためにも、イベントの参加には特別区職員が直接区民に対して呼びかけることも大切だが、ICTを活用することも有効だ。若い世代を中心にイベントの有無を知らせることができるだけでなく、区のホームページやSNSを通じて呼びかけを行うことで、一度のイベントで多くの区民を集客することが可能だからだ。しかし、デジタル・ディバイドの問題があるので、ICTでの呼びかけばかりに頼らないことに注意する必要がある。
また、家庭での温室効果ガスを削減する取り組みとして、LEDの活用や住宅の断熱性の向上、室内温度管理の徹底等があるが、そうした取り組みが世界規模での温暖化対策にどの程度効果があるのかを理解している人は少ない。特別区職員は、個人が行える環境対策とその有効性を正しく知るための機会を設けることが必要だ。内容自体により説得性を持たせるため、企業やNPO等と協働してイベントを企画するのも良いだろう。しかし、温暖化対策をするうえでの注意点も欠かさずに伝える必要がある。真夏に室内温度管理を過度に徹底した影響で熱中症に陥る人が増加したことがあったので、環境問題の対処に取り組む上で、健康面に配慮した説明は欠かせないからだ。
以上述べたように、日常生活の中で地球温暖化等の環境問題に対して特別区職員が取り組むこととして、区民が環境問題に関心を持つことが期待できるイベントの開催と呼びかけがある。そのためには、これまで以上に特別区職員が主体的に環境問題に対して関心を持ったうえで取り組んでいく必要があると考える。
特別区の論文解答例を合格経験者が書いてみた【注意点は2つ】
ここでは僕が書いた解答例についての注意点を2つほど補足しておきます。
- 環境問題を書いた理由
- 問題文と解答は一部変更した
大切な話なので順にくわしくお話ししていきます。
[1]環境問題を書いた理由
今回扱ったテーマは、平成19年度に特別区の採用試験で実際に出題された過去問です。
数ある過去問の中から環境問題を書いた理由は、受験生当時に練習で書いていた論文が手元に残っていたからです。笑
なので解答例は当時書いた論文を一部書き直した内容となっています。
書き直した理由は既に終わっていた政策やイベントが書かれていたためです。
また、環境問題は毎年のように予想テーマに挙がります。
しかし、かれこれ10年以上出題されていません。
なので個人的にはそろそろ環境問題が出題されるとの期待も込めて書きました(僕の希望ですが…)。
とはいえ、『環境問題』は『エネルギー問題』や『区民との協働』といったテーマでも応用が利きます。
書けるようにしておくと幅広いテーマの対策ができますよ。
[2]問題文の一部変更について
問題文も一部変更しました。
変更した箇所は『特別区は日常生活の中で~』という部分です。
元々は『私達は日常生活の中で~』となっていました。
近年の特別区の論文は『特別区職員としてどうするべきか』という問題文となっています。
なので現状の論文の出題傾向に合わせて変更した形です。
特別区の論文解答例を見るだけではダメ【経験談】
最後に論文試験を通過するために大切なことについて。
結論からお話しすると以下の3つです。
- 書くことが一番大切
- 文章に完成型はない
- とがった主張は不要
最後に上記について経験談をもとにお話しさせて頂きます(`・ω・´)ゞ
<1>『書く』ことが一番力がつく
これは経験談ですが、論文で力を付けるには書くことが一番です。
僕も受験生のときは解答例を見ているだけの時期がありましたが…。
見ているだけではいざ書いてみると書けませんでしたので。泣
マラソンの中継を見ているだけでタイムが縮まらないようなものですね…。
なので論文の勉強では以下の手順がおすすめです。
僕は書くことと用語の暗記には多くの時間を使いました。
用語というのは、解答例でいうと『環境エネルギー・ラボ』とか『デジタル・ディバイド』とかです。
特別区の論文は1000~1500字程度なので、知識が少ないと文字数が埋まりません。
自分の希望区の政策でなくても全然OKなので、ネットや解答例などから使えそうなものをメモして暗記することが大切になります。
<2>【悲報】文章に完成形はない
これは真面目な方にありがちですが…。
文章に完璧さは求めない方が良いです。
文章の良い悪いは評価する人によって変わるので、万人に評価される文章は存在しないからです。
将来小説家になりたいのなら止めませんが…。
目的は合格することのはず。
そのためには合格できる文章に寄せていくことが大切かと。
とはいえ、ネットを見ると意識高い方が多いですが…。
僕レベルの文章でも合格可能です(`・ω・´)ゞ
また、公務員予備校の解答例は理路整然とした文章になっていますが…。
あれは講師の方がじっくりと下調べしてから書いたものなので、ああいった文章にはしなくてOKです。
論文が評価されるポイントをおさえつつ書いていくことが大切です。
【特別区の論文の配点】受験経験者が評価項目と配点比率を解説してみた
何回も書くと不思議とうまく書けるようになりますよ。
練習あるのみです( ・ㅂ・)و ̑̑
<3>独自性は必要ナシ
最後ですが、論文にはとがった主張は不要です。
僕が書いた解答例を見ればわかりますが…。
画期的な主張は一切していません。
知っている知識を書きつつ、誰もが考え付く無難な文章にしています。
とはいえ、平凡な論文でも十分合格できました。
教養試験の出来が悪くて一発逆転を狙う意味でとがったことを書くのは良いかもですが…。
論文を採点するのは特別区の職員の方々です。
自分が書いた文章を見直すときは、現職の方が見て嫌な気持ちにならないかを確認することが良いかもしれません。
間違っても公務員の方々ができないようなことを書くのはよろしくないかと…。
特別区の論文解答例を受験経験者が書いてみたのまとめ
いかがだったでしょう。
論文解答例はあくまで例に過ぎません。
実際に書いて書いて書きまくって力を付けていきましょう( ・ㅂ・)و ̑̑
最後までご覧頂きありがとうございました。
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