【『名作』一覧】童話や文学、戯曲など【海外と日本の有名作品集】
名作:『ピーターパン』のご紹介です。
あらすじは読み聞かせができるようにまとめています。参考にして下さいませ。
- ピーターパンのあらすじ要約
- 雑学
- 参考文献
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『ピーターパン』物語のあらすじを簡単に短く要約【童話】
あらすじと作者紹介です。
物語:永遠に大人にならないピーター・パンとの冒険
ロンドン十四番地のダーリング家。
そこには、ウェンディという少女と、その弟のジョンとマイケルが暮らしていました。
両親が出掛けたある夜のことです。
子供部屋の窓から、突然ピーター・パンが家の中に入ってきました。
小さな妖精:ティンカー・ベルも一緒です。
ピーターは、「この前、置いていった自分の影を取り戻しに来たのに、くっつかない」と泣いています。
そんなピーターを見て、ウェンディは影をぬいつけてあげました。
そこでウェンディはピーターに年齢を聞きましたが、ピーターは次のように答えました。
「知らない。僕は生まれた日に逃げ出したんだ。大人になんか、なりたくないからね」
ピーターはウェンディたちを連れて夜空に飛び立ち、おとぎの国:『ネバーランド』へと向かいました。
ネバーランドでは、迷子たちや海賊、アメリカインディアン、獣たち、ワニ、迷子たちの順で、グルグルと追いかけ回っています。
海賊の悪党:フック船長の右腕には、鉄のかぎがついていました。
ピーターに腕を切られ、ワニに食べられたからです。
それ以来、フック船長はワニに追いかけられるようになっています。
しかし、ワニは時計を飲み込んでいたため、”チクタク”という音を合図に、フック船長はいつも逃げ出すことができました。
フック船長にとって、ピーターはとても憎い相手です。
ピーターと迷子の男の子ばかりの六人が暮らしている家に、ウェンディたちは加わります。
ウェンディはみんなにとってのお母さんのような存在となりました。
ところが、あるときウェンディたちは、フック船長たちに捕まってしまいます。
そして、処刑されようとしたそのとき。
“チクタク”と時計の音が聞こえてきました。
フック船長はワニが来たと思ったので、その場からとっさに逃げ出します。
ところが、実は”チクタク”と聞こえた時計の音の正体は、ピーターでした。
ピーターが、時計を真似して出した音だったのです。
ピーターたちは、海賊たちを次々と倒していきます。
最後はピーターとフック船長の一対一です。
ついにピーターに追い詰められたフック船長は、海に飛び込み、ワニの口の中へと落ちていったのでした。
海賊たちの海賊船に乗り、ウェンディと弟たち、迷子たちは、十四番地の家へと帰りました。
子供たちが戻ると、お母さんもお父さんも犬のナナも大喜びです。
迷子たちを家族に迎え入れたお母さんは、ピーターのことも誘います。
しかし、ピーターは次のように答えるのでした。
「とんでもない。大人になんか、なりたくないね」
代わりにピーターは、春の大掃除のときだけウェンディを迎えに来ることを約束しました。
しかし、ピーターはそのことを度々忘れてしまっていました。
そしてその間に、ウェンディは大人になっていきます。
次にネバーランドを訪れるのは、ウェンディの娘であるジェーンの番です。
子供たちが陽気で無邪気でいる限り、ピーター・パンはいつまでもやって来るのです。
(おわり)
作者:ジェームズ・マシュー・バリー
作者:ジェームズ・マシュー・バリー(1860~1937年)
イギリスの作家として活躍。
空想とユーモア溢れる作品が特徴でした。
ピーターパン雑学
最後はピーターパンにまつわる雑学です。
『ピーターパン症候群』の由来となった
『ピーターパン症候群』とは、『大人の年齢なのに、精神的には子供のまま』という意味を持つ言葉です。『ピーターパン・シンドローム』とも呼ばれています。
アメリカ合衆国の心理学者カイリーが説いたもので、「大人へ成長することを拒む男性」をさす。
ピーターパン症候群とも訳す。
年齢的には大人でも、心理的に少年のままの人間的に未熟な男性を、永遠の少年ピーターパンにたとえたもの。
(『倫理用語集』3ページ ピーターパン=シンドローム より)
言動や性格にどことなく子供っぽさが見られる大人など、広い意味で使われているようです。一種の心理現象にも近いのかも…しれません。
【心理現象一覧】面白い有名な心理現象の名前と意味大全【心理学を大学で勉強した自分が徹底調査】
なお、名称の通り、この言葉の由来はここでご紹介した童話:『ピーターパン』にあります。
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また参考までに上記でもご紹介させていただいた『倫理用語集』では、この『ピーターパン症候群』が次のようにも解説されていました。
家庭内の不和などに起因し、孤独に脅えつつ、自分を愛するナルシズムや、他者に甘える依存的な面があり、また無責任で反抗的な面ももつ。
(『倫理用語集』3ページ ピーターパン=シンドローム より)
【『倫理用語集』:第2版】面白く、お手頃さに似つかない充実度【万人にとって価値ある一冊】
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そもそも妖精とは何か?
白百合女子大学大学院児童文学専攻(当時)の池田美桜さんは、本作に登場するティンカー・ベルをはじめとした『妖精』について、次のように解説して下さっていました。
現実には存在しない想像上の生き物で、一般に超自然的な能力を有する。
ケルト神話などの主としてヨーロッパの伝承文学に登場し、容姿・起源・属性等は多彩で、その種類も豊富である。
シェークスピアをはじめとした多くの作家たちは、伝承世界の妖精像を土台にした独自の妖精を創造し、現代でも『砂の妖精』(E・ネズビット)のサミアドや『ピーター・パン』(J・M・バリー)のティンカー・ベル等、多種多様な妖精像が形成されている。
(『童話学がわかる』168ページ より)
『ピーターパン』物語のあらすじを簡単に短く要約【ピーターパン雑学】まとめ
童話:『ピーターパン』は、ユーモアな世界観を背景にして、子供心がくすぐられるような物語となっていました。
『ピーターパン症候群』はじめ、その物語から誕生した雑学も存在しています。