『公文信者』が多い理由【公文と進学塾の元講師が暴露してみた件】

祈りの合掌

公文信者が多い理由のまとめです。

僕は公文の信者でもアンチでもありませんが、公文に信者が多い理由については少なからず疑問に思っていた時期があったので、今回はその疑問を検証した内容となっています。

 

『信者』というと聞こえが悪いかもしれませんが、広い意味でいうならば、『公文ってなんでそんなに人気があるの?』という問いに迫った内容でもあります。

悪気はありませんので、ご理解下さいませ。

 

とはいえ、徹底的に検証した結果、無駄に長くなってしまいましたし、知ったところで特に有益なことがあるとも思えません…。

しかも公文と進学塾で講師をしていた僕の憶測によるところも大きいため、今回の内容は興味本位かつ話半分で見て下さるのが一番かもしれません。

続きを見るとわかること
  1. 公文信者が多い理由について

公文信者が多い8つの理由

検証した結果、理由は8つ挙がりました。

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<1>シンプルでわかりやすい学習法が万人受けした

まず公文に信者が多い一番の理由は、シンプルでわかりやすい公文の学習法が、万人受けしやすかったからかもしれません。

公文式学習の特徴
  1. 用意されたプリントをひたすら解く
  2. 次の進度に進むには100点が必要【0か100の評価】
  3. レベル分けされた教材プリント

公文は一般的な塾のように、学校のテスト対策や、塾が用意した小テストなどといったイレギュラーな勉強もありません。

学校の成績を上げたい方だけでなく、単に子供に習い事をさせてみたいという方にも受けたことも、公文が人気となった理由といえそうです。

関西の大手中学塾の講師:清水裕策さん(仮名)の意見

理念に基づいたシンプルな教育メソッドだからこそ世界に広まっている

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』162ページ参考)

教育の仕事に携わる石川一郎さんの意見

公文式は、ある意味究極の勉強システムです。

課題がはっきりしている。正解のある問いが出される。

解き方は提示されているので、基本的にはそこに当てはめていけばいい。

要は、マニュアルどおりに進めていけば必ず正解にたどり着き、正解にたどり着くと次のステージに行ける。そこに達成感がある。

頭がいい悪いはあまり問われない。

要領がいい悪いもあまり問われない。

だから、どのレベルの子供にもいい教材である。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』132ページより)

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<2>公文式創設者:公文公会長の遺産

また公文が信者を増やした理由として、公文式創設者:公文公(くもん とおる)さんの存在は外せません。

なぜなら、『危ない公文式早期教育』という公文への批判本のなかでは、公文公さんは『独裁的な宗教団体の教祖』とされており、公文信者の増加に一役買っていたと言われているからです。

(真偽は不明ですが、僕も『公文信者』という言葉が使われ出したのは、公文公さんがきっかけだと聞いたことがあります)

 

そんな公文公さんの教祖振りがわかるエピソードは数多いですが、例えば、次のような言葉が挙げられます。以下は公文式指導者が受講したとある講座において、生前の公文公さんが壇上で話した発言です。

「みなさん、『可能性の追求』が公文の理念です。

公文で伸びた子は、人格も向上するか?公文は本当に人格教育なのか?ここを疑う局員は探しだして首を切る。

『公文幼児教育は世界一である』、これを信じられるかどうか?信じられない人にはやめてもらう。

可能性の追求に興味がもてない人に教室の場所を埋められては困る」

(『危ない公文式早期教育』154ページより)

※局員:公文で働く職員のこと

こういった強気ともいえる発言は、この本だけでなく、公文公さんの自著やメディアでも度々見受けられます。

 

その他にも当時の公文は公文式指導者に、1~2か月に一度の『会長講座』なるものの受講を義務付けており、その講座の前夜には、公文公さんと公文式指導者との『夕食懇談会』があったとのこと。

そこでは、公文公さんに向けて公文式指導者が以下のような感謝の言葉を言わされる機会があったといいます。

「おかげさまで目標を達成することが出来ました。

これというのも、会長先生のおかげです。ありがとうございました。

公文をやって本当によかったです」このような挨拶が延々と続く。

(『危ない公文式早期教育』154ページより)

そして夕食というにはお粗末な弁当を食べるのだが、細かいことに、この代金も指導者もちである。

(『危ない公文式早期教育』154ページより)

※会長先生:公文公さんのこと

あくまで本で語られていることですので、これら一連の発言や出来事が本当に事実なのかはわかりません。

ただこれがもし事実だとしたら、個人的には、質の悪い宗教っぽさを感じざるを得ませんし、それ以上に質の悪い盲目的な公文信者を生むきっかけとなった可能性は十分に考えられます。

儀式

といっても公文公さん自身は、公文式経営陣のトップという立場でありながら、自ら表舞台に出ることで、公文の広告塔の役割もされていたお方です。

特に1974年に出版した自著『公文式算数の秘密』は30万部を超えるベストセラーとなり、公文の生徒数を爆発的に増やしたきっかけとなりました。

もしかしたら公文信者が増えるきっかけと張本人かもしれませんが、純粋に公文を教育産業として確立した功績は疑いようがありません。

なのでまったく悪人であるわけではありませんので、その点は悪しからず。

研究公文公(くもん とおる)のWikipedia的プロフィール:公文式創設者の人物像
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<3>信頼性(周りが通っている、創立60年以上)の高さ

続いては、公文の信頼性の高さが、根強い信者を増やすきっかけになったのでは、という話です。

『信頼性』というと漠然としていますが、公文に限って言えば、『周りが通っている』ということと、『創立60年以上の歴史がある』ことが挙げられます。

公文が誇る信頼性
  1. 多くの生徒が通っている
  2. 創立60年以上の歴史

どちらの理由も改めて説明するまでもありませんが、まず『周りが通っている』、『多くの生徒が通った実績がある』というのは、それだけで安心につながります。

 

『創立60年以上の歴史がある』というのは、単純に『新しくできた店よりも、老舗の方が外れは無さそうだな…』といったイメージを持つ方が少なからずいるということです。

ちなみに創立60年以上というのは、塾業界のなかでは間違いなく老舗の部類になります。

 

また公文では、教室そのものだけでなく、教室指導者も指導歴30年以上という方も珍しくありません。

これも子供を預ける親としては安心という信頼性につながるはずです。

 

つまりこれらの要因が、根強い公文の支持者ならびに信者を増やすことにつながっていたとしても、何ら不思議ではないということです。

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<4>親世代から子世代へ受け継がれている事実

そして当然のことながら、長く続けていれば、『親世代から子世代へ』といった受け継がれ方もされていきます。

つまり公文信者も、それと同じように代々受け継がれているため、今日までの増加につながっているということです。

家系図

実際に僕が公文で講師をしていたときも、『親がやっていたから』といった理由で入会される方は少なくありませんでした。

今なら孫世代に影響をあたえている場合もありそうです。

とある母親(匿名)の声

「夫が高校生まで公文式をやっていたので、まるで公文式の信者みたいで(笑)。

公文式をやっておけば絶対に大丈夫だからと、公文式をやらせることにしたんです」と母親。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』14ページより)

2人の息子を公文に通わせた経験のある母親:佐藤和美さん(仮名)の声

公文式に通わせようと思ったきっかけは、夫がやっていたから。

(『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』136ページより)

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<5>『質よりも量』の勉強法が特定の層から受けた【スポ根世代とか】

また公文はプロの講師に教わらずに生徒が黙々とプリントをこなしていく勉強法です。

どちらかというと『質よりも量』の勉強法といえますが、公文と進学塾で講師をしていた僕の経験上では、こういった勉強法を好む保護者の方は少なからずいます。

なのでこういった特定の層に響いたという点も、公文信者の増加に少なからず、つながっているのでは、ということです。

 

さらに実際に量による努力で何らかの成果を出した親であれば、成功体験から自分の子供にも似た経験を積ませたいと思うのは不思議ではありません。

 

ちなみに公文が設立されたのは1962年ですが、それから国内学習者数が100万人を突破したのが1981年のこと。

1960年代~1970年代といえば、『巨人の星』とか『エースをねらえ!』とか、『スクール☆ウォーズ』といったスポ根全盛の時代ですが、公文の泥臭い勉強法はこういった世代の心をガッツリつかんでいたのかもしれません。これについては僕は生まれていないので予想の域を出ませんが。

歴史公文式の歴史年表【黎明期から新時代まで】
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<6>実績が多い

そしてこれは言うまでもありませんが、公文で実績を挙げた生徒が多いことも、信者を増やした理由です。

さきほどお伝えしたように、公文は創立60年以上の歴史があり、これまでに数多くの生徒が公文を経験したわけですので、単純に実績を残した生徒も一定数はいるというわけです。

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<7>SNSやネットが未成熟の時代にうまく事業を拡大できた

繰り返す通り、公文が国内学習者数100万人を突破したのが1981年ですが、このときはSNSやネットが今ほど成熟していませんでした。

SNSの代表格であるTwitterが開設されたのが2006年で、Google検索が出たのは1997年です。

時系列
  1. 1981年:公文が国内学習者数100万人を突破
  2. 1997年:Google検索誕生
  3. 2006年:Twitter誕生

公文がこういったSNSやネットが未成熟の時代に波に乗れたのも、信者を増やせた理由だと感じています。

というのも、まずさきほどご紹介した公文公さんの件などは今の時代だと即炎上しているはずですし、そうでなくとも公文式学習自体も一般的な塾とは異色の特徴があります。

仮に今の時代に公文が誕生していたら、SNSやネットで賛否両論が渦巻いて今と同じように成長していたかはわからないということです。

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<8>科学的な検証が少ない時代に事業を拡大できた

そして最後は、公文が科学的な検証の少ない時代に事業を拡大できたことです。

さきほどお伝えした通り、公文の教育法はシンプルでわかりやすいため、万人受けしやすい素晴らしいものだと思います。

ですが、科学的とはいえない特徴が多いのもまた事実です。

 

例えば、公文ではよく、『生徒の良いところを褒めましょう』ということが言われます。

これは指導者研修や指導者向けのガイドブックなどでもよく言われていることで、つまりは生徒を褒めて伸ばす教育法です。

しかし、こういった褒める指導法の真偽については、少なくとも教育心理学や発達心理学をはじめとした科学の世界では、ハッキリとした答えは今も出ていません。

つまり褒めることが生徒のためになるというのは、経験則の域を出ないわけです。

褒める

それにも関わらず、公文が今日までにこれだけ多くの方の支持を集めているのは、公文的には良い意味で時代的な後押しがあったからだと、僕は感じています。

 

教育に詳しい方はご存じの通り、20世紀末にはアメリカやヨーロッパで、『証拠に基づく教育(evidence-based education)』が推進されました。

その影響なのか日本でも、あくまで肌感覚ではありますが、研究や書店を見て回ると、以前よりも教育を科学的に検証したものが増えてきたように思います。

繰り返す通り、公文が国内学習者数100万人を突破したのはそれよりずっと前の1981年のことですので、こうした科学的な検証が少ない時代に事業を拡大できたのも、公文が信者を増やした理由かもしれません。

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公文信者まとめ

公文信者が多い理由
  1. シンプルでわかりやすい勉強法が万人受けした
  2. 公文式創設者:公文公の遺産
  3. 信頼性(周りが通っている、創立60年以上)の高さ
  4. 親世代から子世代へ受け継がれている事実
  5. 『質より量』の公文の勉強法が特定の層から受けた【特にスポ根世代】
  6. 実績が多い
  7. SNSやネットが未成熟の時代にうまく事業を拡大できた
  8. 科学的な検証が少ない時代に事業を拡大できた

公文信者が多い理由についての考察でした。

といっても、どれも憶測の域を出ませんので、今回の内容は話半分でご理解頂ければと思います。

 

ちなみにこれも繰り返しますが、公文に信者が多いことは決して悪いことばかりとは思いません。

少なくとも信者が多いというのは、それだけ公文が教育産業に根付いている証だとも思います。

 

今回は以上になります。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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