とある保護者
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トモヤ
結論からいうと、公文のズンズンに効果はあります。
まとめると以下の通りです。
- 運筆力
- 作業力
- 筆圧
上記は公文と進学塾の講師として、数多くの生徒を見てきた自分の経験によるものになります。
ですが、実は当の公文も公式の場で、ズンズンの効果については以下の3つがあることを明言しています。
①進みたい方向へどんな線でも自在に鉛筆を動かすことができる運筆力
②自信をもって力強く線が書ける筆圧
③プリント教材を10枚、一気にやりこなせる作業力や集中力
(『公文式がわかる』119ページより)
そのため、個人差はあれ、これらの効果はズンズンによって伸びるものだといって、ほぼ間違いありません。
しかし、そうはいっても、公文のズンズンには、意外と見落としがちな注意点もあります。
そこで今回は、以下の内容についてお伝えできればと思います。
- 【実話アリ】公文のズンズンで得られるリアルな効果
- 【注意点】公文のズンズンに過度な期待をする意味がない理由
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公文のズンズンの効果は3つある
それではまず、冒頭でお伝えした公文のズンズンをやることで得られる以下3つの効果について、その中身をお伝えさせて頂きます。
- 運筆力
- 作業力
- 筆圧
[1]運筆力
まず公文のズンズンの効果で真っ先に挙げられるのが、『運筆力』です。
運筆力とは文字の通りですが、『鉛筆を自由に運ぶ(あつかう)能力のこと』であり、公文も公式にズンズン教材をやる目的として挙げています。
一人ひとりの子どもの書く力に応じて、運筆力を楽しく高めることができるのがズンズン教材です。
(『公文式がわかる』119ページより)
そもそもズンズンというのは、なぞり書きをするための教材です。
なので数をこなせば個人差はあれど、当然のごとく運筆力は上がっていきます。
自分も公文で講師をしていたとき、はじめはなぞり書きがままならなかったお子さんが、ズンズン教材をこなしていくことで、少しずつうまくなっていくところを何度も目にしてきました。
そのため、公文のズンズンに運筆力を高める効果があることは間違いありません。繰り返す通り、個人差はありますが。
[2]作業力
また公文のズンズンには、『作業力』を高める効果もあります。
さきほどズンズンによって運筆力が上がることをお伝えしました。
そしてその運筆力が上がれば、それにともなって、子供はよりうまく、速く作業ができるようになります。
実際に自分が公文で講師をしていたときも、ズンズンによって作業力が向上するお子さんは数多くみてきました。
また時間については、公文では作業時間を記録しているはずなので、気になる方は、教室に聞いてみるのも良いかもしれません。
とはいえ、公文のズンズンの上達は、作業力にも直結することは明らかです。
[3]筆圧
最後に挙がる公文のズンズンの効果は、『筆圧』です。
筆圧というのは、ご存じの通り、『鉛筆のさきに加えられる力のこと』ですが、これもズンズンによって身につきます。
理由はズンズンで鉛筆を握る習慣ができることで、握力が上がるだけでなく、鉛筆を適切な力加減であつかえるようになるからだと思います。
またこれは公文の教室によるとは思いますが、自分がいた教室ですと、生徒が鉛筆で何かを書くときは、指導者側から『できるだけハッキリと書くこと』をアドバイスすることもありました。
そういった影響も子供の筆圧を向上させることにつながっていたのかもしれません。
公文のズンズンの効果と合わせて知っておくべき3つの注意点
以上、ここまでの内容では、公文のズンズンには、ポジティブな効果があることをお伝えしました。
ですが、そうはいっても、公文のズンズンはあまり注力すべき教材ではありません。
自分の経験上、保護者の方のなかには、『周りの子はみんなたくさんの枚数をこなせるのに、うちの子は…』と他のご家庭に対抗意識を持ち、ズンズンをやること自体にムキになってしまう方も少なくありませんでした。
しかし、それは無意味です。
その理由を、3つの注意点とともにお伝えさせて頂きます。
<1>ズンズンは子供の将来を左右する教材ではない
まず公文のズンズンは、子供の将来を左右する教材ではありません。
ズンズンで身につける『なぞり書き』というのは、たとえズンズンをやらなかったとしても、遅かれ早かれ誰もができるようになるからです。
そもそも自分が知る限り、公文に入会されるお子さんは、ズンズンをやるような年齢から入会されることの方が少数です。
(自分の経験上では、小学校低学年から入会されるお子さんが一番多かったです)
それに実際に公文で『優秀児』といわれているお子さんでも、これも自分が知る限りではありますが、ズンズンから始めているお子さんの方が少数でした。
また自分は4年しか公文で講師をしていなかったので、あまり長期的なことはわかりませんが、ズンズンが得意だったお子さんがそのまま優秀だったかというと、そんなことはまったくありませんでした。
なので公文のズンズンは、やる意味がないとまではいいませんが、少なくとも神経質になる教材ではありません。
ご存じの通り、ズンズンは学校の教科でもないので、あくまで『学習の土台を作る』という位置づけでいた方が良いかと思います。
<2>そもそもズンズンは『公文式学習のための土台を作る』という意味合いが強い
とはいえ、公文のズンズンには、『学習の土台を作る』という意味合いがありながらも、それはあくまで『公文式学習における』という意味合いが強いことも事実です。
公文式学習は、『できるだけ短い時間で、数多くのプリントをこなす』ことが大きな特徴ですが、ズンズンにおいても同様のためです。
本来ズンズンのような『なぞり書き』をする教材では、何もそこまで早く、大量のプリントをこなす必要はありません。
しかし、公文がズンズンにおいてもそういったことを子供に強いているのは、ズンズンの目的が、『公文式学習のための土台を作る』という意味合いがあることに他ならないからであると思います。
こういったことをいうと、公文の関係者の方々からご批判が寄せられるかもしれませんが…少なくとも自分はそう感じていました。
<3>効果には個人差がある
最後はズンズンに限った話ではありませんが、公文のズンズンの効果には個人差があります。
同じような枚数をこなしていても、上達が早いお子さんとそうでないお子さんがいるのは事実です。
これは言うまでもなく当然のことではありますが、意外と見落としがちなことだと経験上、感じていますので、まずは頭の片隅にでもよく留めておく必要があるかと思います。
またこのことはさきほどお伝えした通り、他のご家庭に対抗意識を持ちがちな方ほど、見落としがちになりやすいとも感じています。
あくまで自分の経験上のことではあれど、ムキになって周りが見えなくならないように注意することが必要だと思います。ご参考までに。
公文のズンズンの効果まとめ
- 運筆力
- 作業力
- 筆圧
- ズンズンは子供の将来を左右する教材ではない
- ズンズンには『公文式学習のための土台を作る』という意味合いもある
- 効果には個人差がある
以上が、公文のズンズンの効果でした。
ズンズンは続けることでほぼ間違いなく何かしらの効果が見込めるとは思いますが、そうはいっても過度な期待は厳禁です。
個人的には、適度な距離感を持って、取り組むのが良いかと思います。