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『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』を読みました。
精神科医:岡田 尊司(おかだ たかし)さんが、ゲーム依存やネット依存の危険性や恐ろしさなどを書き下ろした一冊です。
一言でいうなら、『ゲームやネットを過剰にやりすぎることは、いかに”ヤバい面”があるのか、その恐怖が思い知らされる内容』でした。
- 【3つのポイント】要約と感想まとめ
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『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』要約と感想【ポイントは3つ】
ポイントを3つにまとめました。
- 「ゲーム依存症の人の脳はアレと同じ?」
- 忍び寄る『デジタル・ヘロイン』
- スマホにも注意すべき理由
順にお伝えさせていただきます。
<1>ゲーム依存症の人の脳はアレと同じ?
まず本書では、『ゲームやネットに過剰に依存する人の脳には、“薬に依存する人と似たようなことが起きている”』ことが確認された海外の研究を紹介。
人の脳には、『前頭前野』と呼ばれる『理性をつかさどる脳の領域』があります。
その研究によれば、人はゲームやネットで依存症に陥ると、その前頭前野の機能が低下する恐れがあるとのことです。
この現象は今までにも薬に依存する人などには広く確認されていたことでした。
しかし、どうやら依存症と脳の関係は、ゲームやネットであっても例外ではないようです。
つまりゲームやネットを過剰にやりすぎることは、いわば”薬漬け”になることと同じ脳の壊れ方になる可能性を示唆したわけです。
言うまでもなく、ゲームやネット依存の恐ろしさはそれだけではありません。
その他にも本書では、依存症とまでは言わなくとも、ゲームやネットのやりすぎが心身にもたらし得る”異常”を網羅。
- 睡眠障害や記憶力の低下
- 集中力の欠如
- 攻撃的な言動や行動の増加
- 無気力
- うつ状態
ゲームやネットを”過剰に”やることへの警告ともとれる内容でした。
<2>『デジタル・ヘロイン』が忍び寄る
本書ではそんな依存症への予防法や治療法なども併せて紹介されています。
特徴的だったのは、著者の岡田さんが精神科医であることから、治療法や予防法には、岡田さん自身による臨床経験も絡められていたことです。
実際に施設で行われた依存症治療のリアル、認知行動療法など、具体的な予防法や治療法が数多く紹介されていました。
…とはいえ、それでも本書では、依存症の治療は決して簡単ではないとしています。
その理由は岡田さんいわく、治療の過程で“禁断症状”や“離脱症状”があることが影響しているからだそうです。
これらは依存症治療全般でよく見られる症状ですが、これも岡田さんいわく、ゲームやネット依存症の人にも少なからず起こり得る症状のようです。
以上のことから、本書ではそんなゲームやインターネットのことをあえて、『デジタル・ヘロイン』(≒薬物)と呼んでいました。
深刻な依存症に陥った人や、その家族にまつわる実話など、衝撃的な内容も多かったです。
ですが、それも著者の岡田さんなりの、読者に向けたメッセージだったのかもしれません。
<3>スマホにも注意すべき理由
より身近な事例が取り上げられていたことも、本書の大きな特徴の一つです。
たとえば、何もやるべきことがないとき、ふとスマホを見てしまう…。
またはスマホなどを通じて、SNSなどにハマってしまう人のことも、本書では広い意味で依存症になり得ると位置付けていました。
それも本書によると、スマホはたとえ大人であったとしても、長時間使うことで記憶力や注意力が低下することなどが報告されているからだそうです。
このことからも本書は、ゲーム依存やネット依存の傾向がある方を対象とはしているものの、おそらくスマホやネットを日常的に使うすべての方にとって、タメになる面がある一冊でした。
『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』要約&感想まとめ
『ゲーム依存』や『ネット依存』と聞くと、もしかしたら日本ではあまりピンとこない方がいるかもしれません。
本書でもゲーム依存やネット依存が半ば社会問題化している国として、中国や韓国などの事例が数多く紹介されていました。
しかし、著者の岡田さんはこれらの国よりも、日本のある問題を危惧している節がありました。
それは、日本にはゲーム依存やネット依存の事例が少ない分、対策が遅れている面があることです。
もちろんゲームやネットが必ずしも悪いものだとは思いません。
とはいえ、本書は依存症とまではいかなくとも、ゲームやネットをするうえで一度向き合っておいて損はない問題がまとまっています。
少なからず一度目を通しておく価値がある一冊です。
それでは(`・ω・´)ゞ
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