思考実験のページや、思考実験の本のおすすめの一冊としてもご紹介させていただいているのが、『論理的思考力を鍛える33の思考実験』です。
読んだ感想をまとめました。
- 『論理的思考力を鍛える33の思考実験』の良かったところ
- 気になった留意点
本書を通じて思考実験の魅力と、考える楽しさに新たな発見があったなら幸いです。
(『論理的思考力を鍛える33の思考実験』255ページ より)
タッチ⇒移動する目次
『論理的思考力を鍛える33の思考実験』の感想【良かったところ】
まずは良かったところです。
思考実験の世界が垣間見える入門本
本書は『思考実験の世界が垣間見える入門本』として最適です。
イラスト付きで内容もわかりやすく、前提知識がゼロの状態でも問題なく読めます。
実際、自分も「(思考実験って何だ…?)」みたいな状態から本書を読みましたが、最後までスラスラ読むことができました。
オリジナルの思考実験もアリ
また本書は『エレベーターの男女』をはじめ、『著者オリジナルの思考実験も掲載』されています。
本書では、そんな刺激的な思考実験を全部で33本用意しました。
有名な思考実験から筆者のオリジナルの思考実験まで、幅広い視野で楽しめるよう厳選しました。
(『論理的思考力を鍛える33の思考実験』3ページ より)
正直、自分は思考実験関連の本を数多く見てきたなかで、「(どれも似たり寄ったりなものが多いな…)」と感じることは少なくありませんでした。
その意味で、このオリジナルの存在は、本書を読む一つの価値となっています。
『論理的思考力を鍛える33の思考実験』の感想【留意点】
最後は本書を読むうえでの留意点です。
個人的に気になったことをまとめました。参考までに。
物理学の思考実験はない【哲学系が多い】
まず本書は『思考実験のジャンルが網羅されているわけではない』です。
特に『シュレーディンガーの猫』や『ウィグナーの友人』、『EPRパラドックス』などをはじめとした物理学の思考実験は一切掲載されていません。
どちらかというと、哲学系、倫理学系の思考実験が大半となっています。
参考文献はない
また『データなどの元となる参考文献は掲載されていない』ことも一つの留意点です。
個人的には本書の『トロッコ問題』のところで紹介されていた統計データなど、情報の元が知りたいと感じたところはいくつかありました。