パンぞう
トモヤ
ご存じの通り、日本の小学校では2020年からプログラミング教育がスタートします。
文部科学省によると『プログラミング的思考』を伸ばすことを目的としているとのこと。
まぁぶっちゃけエンジニアの立場からいうと、『プログラミング的思考』という言葉自体が?ですが…。
そもそもあえて『プログラミング』という言葉を入れる意味がわかりませんし。
とはいえ、一方で教育の仕事をしてきた立場としては、教育改革は必要だとも思っていました。
なのでどうなるのかはさておき、教育を変えること自体は賛成です。
ですが、現役エンジニアで教育の仕事をしてきた立場からいわせて頂くと、このプログラミング教育はあんまり期待できなさそうな気がしています…。
- 【2つだけ】プログラミング教育が無意味な理由
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プログラミング教育が意味ない理由は2つある
『そもそもプログラミング教育をする必要があるのか問題』は置いておいて、中身の問題は以下の2つがあります。
- 教える側の人材に不安アリ
- 教科ではないところ
順にお話しさせて頂きます<(_ _)>
<1>教える側の人材に不安アリ
まず一番の問題は、プログラミング教育をする教える側の人材に不安を感じることです。
言葉は悪いかもですが、学校の先生でプログラミングを理解している方はほとんどいない気がしますので…。
一応現状では、プログラミング教育の授業はIT企業や大学、ボランティアの方々と協力して進めていくとのこと。
>>【PDF】プログラミングを教える人材について(P42~)
これ自体は素晴らしいことです。
ですが、すべての授業で外部の講師にお願いすることは不可能なはずです。
そんなに都合の良い人材が確保できるとも思えませんし。
最終的に学校の先生の指導力がカギになることは目に見えています。
しかし、そうなると繰り返す通り、学校の先生でプログラミングを理解しているのがどの程度いるのかが問題になります。
プログラミングができない先生がプログラミングを教えても、形だけになってしまう気がするんですよ。
その証拠に文科省の資料には以下のようなことが書かれています。
プログラミングが不得意な教師は授業をするにあたってどんな工夫が必要ですか?
小学校プログラミング教育は、プログラミングに関する高度な専門性が求められるものではありません。
注:上記のQ&Aはわかりやすくするために文章を一部変更しています。
小学生に対して高度なプログラミングを教える意味がないのはわかります。
とはいえ、プログラミングをわからない先生が生徒に対して『プログラミング的思考』を教えるのは無理がある気が…。
もちろん『プログラミング的思考』というのはプログラミングスキルを伸ばすものではなく、物事を自主的に考える力、試行錯誤する力のことであることは理解しています。
とはいっても、ITについて理解していない人間が教えても、社会で通用するIT人材は育ちません。
学校英語のように、実際に使えないスキルにしかならない気がします。
<2>正式な教科ではないところ
しかもプログラミング教育が始まっても、プログラミング自体は正式な教科にはなりません。
これも微妙な気がします。
というのも、教科にしないと親を巻き込みにくいからです。
例えば、算数や国語といった正式教科を一生懸命勉強する生徒のご家庭を例にします。
親その1
子供その1
親その2
子供その2
上記のようなご家庭は僕が教育の仕事をしていたときによく目にしました。
とはいえ、親が教育熱心なご家庭の子供はそれなりに勉強します。
なので子供が勉強に一生懸命になるかどうかは親も無関係ではありません。
子供がプログラミング教育に本気になってくれるかどうかは親も巻き込む必要があるということです。
しかし、経験的に親が子供に対して教育熱心になる理由は主に以下の通り。
- 勉強させておけば受験など将来で困らないから
- 『〇〇くんより良い点数、良い成績を取って欲しい』という保護者同士のライバル意識
上記についての是非はさておき、つまりは教科として成立している勉強にのみ当てはまる話です。
ところが繰り返す通りプログラミング教育では、プログラミングは教科にはなりません。
勉強しても点数にもならなければ成績にも反映されないので、プログラミング教育に本気になる親は少なくなるということです。
もちろんプログラミングは算数や英語のように公式や文法があるわけではないので、教科にするのが難しいのはわかります。
注:プログラミングに文法は多少ありますが、覚える意味はないです。
ですが、もし『プログラミング的思考』を伸ばすのであれば、プログラミングを正式な教科としないのは微妙だと思うわけです。
どちらにせよこのままでは無意味になってしまう予感しかしません。
プログラミング教育は意味ないまとめ
- 教える側の人材に不安アリ
- 教科ではないところ
少し厳しめの話になりました。
とはいえ、冒頭でお伝えした通り、僕は教育が変わること自体は賛成です。
将来的にIT人材の需要が増々高まっていくことは明らかなので、これからの行く末を見守っていきたいと思っています<(_ _)>
最後までご覧頂きありがとうございました。
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