【書評】オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」

オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」

オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』を読みました。

(タイトル長い…)

本書はイギリスの名門:『オックスフォード大学』と『ケンブリッジ大学』の入学試験で、実際に出題された問題が掲載された一冊です。

この本は解答付き問題集である。

もちろん、すべて、オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)の入試の面接官が出した悪名高き難問奇問から選りすぐった。

(『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』5ページ より)

とはいえ、入試問題といっても、数学や英語などの教科の知識を直接問うものではありません。

本書に掲載された問題は、「あなたにとって悪い本とは?」、「あなたは脳のどこか一番好き?」などのような問題です。

ちなみに本書の解説によると、このような口頭試問は、『インタビュー』と呼ばれているとか。

個人的には読む人を選びそうな内容だとは思ったものの、本書は好評だったのか、続編も出版されています。

そこで今回は、そんな本書を読み終わった自分が、書評をさせていただきました。本選びの参考にでもなればと思います。

このページでわかること
  1. 本書の特徴
  2. 留意点

世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」の特徴

では、まずは本書の特徴です。

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考えさせられる奇問、難問の数々

まずは冒頭でもご紹介させていただいた通り、本書に掲載された問題は、『奇問、難問のオンパレード』です。

掲載された問題の例
  1. 火星人に人間をどう説明しますか?
  2. カタツムリには意識はあるでしょうか?

よって考えることが好きな方にとっては、本書は好奇心がそそられる一冊になるかもしれません。

質問の主旨は、大学側が本当に賢い学生を、つまり、当意即妙の応対ができる学生を見つけることにある。

両大学の問題がほかとちがって特別なのは、すばらしく思考力を刺激する点である。

(『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』5ページ より)

びっくりするような質問もあれば、好奇心がそそられる質問も、奇問も愚問も、ときには苛々させられるだけの質問もあるが、すべてに共通して言えるのは、考えなくてはいけないということだ。

そして、それはそう滅多にあることではないから、たちまち楽しくなってくる。

(『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』5、6ページ より)

『水平思考』を刺激する!?

なお、なんでも本書に掲載されているような問題を解くことは、『水平思考』というものに通ずるとのこと。

(前略)ここに取り上げた質問には解答の秘訣などない。

この類の問題にいつも取り組んでいるジャーナリストたちによれば、要は「水平思考」なのだそうだ。

これはエドワード・デボーノが一九六七年に著した有名な著書『水平思考の効用』に由来する。

ある言述の信憑性を評価することだけを目的としたふつうの「批判的思考」とちがって、「水平思考」とは、その言述を利用して、斬新で、どうかするとそれとはまるで関係ないアイデアを創出する考え方である。

(『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』7、8ページ より)

少なくとも本書に掲載された問題は、知識を引き出して解くようなクイズ問題とは違います。

その意味では、個人的にも、より考えがいのある問題になっているな…という感想を持ちました。

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イギリスの文化や社会事情、教育動向の一端が垣間見える

ロンドン在住ジャーナリスト:秋島 百合子さんは、本書の最後で、『イギリスの文化や社会事情、教育動向などを解説』して下さっています。

オックスブリッジに入学した方々の証言を交えながらの解説は、とても読み応えがありました。

オックスブリッジで奇問、難問が出題される背景にも通ずる内容となっているため、これも個人的には、問題そのものよりも面白かったかもしれません。笑

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世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」の留意点

最後は留意点です。

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正解は載っていない

注意点としては、本書には、オックスブリッジの合格者の答えなどが掲載されているわけではないことです。

本書には著者であり、ケンブリッジ大学のジーザス・カレッジ出身でもあるジョン・ファーンドンの回答例は用意されてはいるものの、あくまで”例”に過ぎません。

本書には「正解」を載せたつもりはない。

きっと私の答えに絶望して呆れるオックスブリッジの面接官もいると思う。

ここにはただ、思考の栄養程度にはなりそうな答えを載せておいたーーこういう答え方もあるとか、この質問はこういう意味であるとかを提案しただけだ。

(『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』6、7ページ より)

そのため、本書は答えを導く過程を楽しむための本といえるのかもしれません。

(もちろんそもそも決まった答えがあるのかどうかも不明ですが)

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世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」まとめ

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