『徹底図解 社会心理学』要約と感想【歴史に残る3つの実験】

徹底図解 社会心理学

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徹底図解 社会心理学ー歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで』を読みました。

社会心理学者:山岸 俊男(やまぎし としお)さんが監修した一冊です。

社会心理学を中心に、その歴史や研究などが、とてもわかりやすく解説』されています。

イラストびっしりで、カラーで見やすい内容ともなっていました。

続きを見るとわかること
  1. 【要約&感想】『徹底図解 社会心理学』

『徹底図解 社会心理学』要約と感想【3つの実験】

本書で取り上げられていた、3つの実験です。

3つの実験
  1. 泥棒洞窟実験
  2. コンピュータ・トーナメント
  3. アイヒマン実験

順に見ていきます。

<1>泥棒洞窟実験

まず1つ目は『泥棒洞窟実験』です。

これは“泥棒洞窟”と呼ばれる(なんとも怪しげな響きがある)キャンプ場にて行われたことから、その名が付いている心理学実験になります。

神秘的な洞窟『泥棒洞窟実験』とは?【ゼロからわかる社会心理学実験】

実験は1954年社会心理学者:シェリフらが、とある”集団心理”を明らかにすべくスタート。

仲の悪い集団同士の関係性の解消(『集団間葛藤の解消』)には、集団同士の交流ではなく、『仲の悪い集団同士が協力しないと達成できないような目標(上位目標)に、一緒になって取り組むことが効果的』とのことが明らかとなりました。

 

実験では、集団同士の交流として、『食事や映画鑑賞などを通じた交流』が実施されたようです。

しかし、意外にも実験では、それらはむしろまったくの逆効果。

かえって集団同士で残飯の投げ合いが勃発したり、聞くに堪えない罵声が飛び交い始めるなどなど…予想されていなかった事態が繰り広げられるまでになったといいます。

言葉の暴力

集団心理は奥が深い/(›´ω`‹ )\

<2>コンピュータ・トーナメント

2つ目にご紹介するのは『コンピュータ・トーナメント』です。

これは政治学者:アクセルロッドが、とあるゲーム戦略プログラムを募集したことがきっかけとなっています。

まずこの『ゲーム戦略プログラム』というのは、『人の(心理や)意思決定を検証するときなどに使われる』、1950年に公表された『囚人のジレンマ』という『ゲーム理論』のプログラムのことです。

選択のジレンマゲーム理論『囚人のジレンマ』をわかりやすく【ゼロからわかる】

コンピュータ・トーナメントでは、その最も強いゲーム戦略プログラムを決定すべく、心理学や経済学、数学などのゲーム理論の専門家たちが一同に結集。

様々なプログラムが披露、対戦されました。

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補足:対象となったのは、”複数回繰り返す”タイプの囚人のジレンマだった

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専門家たちによって披露されたプログラムのなかには、「これぞインテリ!」とも言うべき、高度で複雑なものが多かったようです。

なかには相手の戦略の裏をかいたうえで、打つべき戦略を決定する、といったようなプログラムもあったとのこと。

しかし、意外なことに、結果としてこのトーナメントで一番高い成績を残したのは…『しっぺ返し戦略(応報戦略)』と呼ばれる単純なプログラムでした。

このプログラムは簡単にいうと、「おはよう!」といったら「おはよう!」と返してくれる“オウム返し”を再現したかのようなものです。

オウム返し

具体的には最初のターン以外は、相手が前回とった選択を“真似る”といった単純なものだったとのこと。

しかしながら、実際のトーナメントではこの『しっぺ返し戦略(応報戦略)』の強さは”圧倒的”。

1回目のトーナメントはもちろんのこと、それよりも大幅に参加者が増えた2回目の同様のトーナメントにおいても、最も高い成績を残したといいます。

オウム返し最強説!?/(゚A゚;)\

<3>アイヒマン実験

最後は『アイヒマン実験』です。

この実験は1961年心理学者:ミルグラムが、『権威に服従する人間の心理を知ること』を目的に行われました。

ミルグラム実験とも呼ばれている心理学実験です。

後に実験の模様が”映画化”されるなど、心理学実験のなかでは、とても名が知れていることで有名でもあります。

しかし、その一方で、実験の倫理面などを問題視する声が絶えなかったことなどから、心理学の教科書などでは掲載自体が見送られることもあったとか…。

 

実際の概要は、まず生徒役の実験参加者を”電気椅子”に固定。

そしてその生徒役に教師役が、名門:イェール大学の学術研究という権威の名の元で、非人道的な罰ともいえる、致死レベルまでの電気ショックを与えることを半ば強制的に命令。

電気椅子『ミルグラム実験(アイヒマン実験)』とは?【ゼロからわかる心理学実験】

実験の詳細は上記にまとめましたが、ほんの概要だけでも、なんとも過激というか…残酷というか、いかにも倫理的に問題がありそうな実験内容です。

とはいえ、『実験結果は大方の予想に反し、人はたとえ非人道的な命令であっても、権威に屈してしまい、命令された行為に手を染めてしまう…』ことが明らかとされました。

以上からこのアイヒマン実験は、「社会的な人間心理の一面を、リアルな形で浮彫りにした…」といった声もあるようです。

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補足:実験では実際に電気ショックは流されておらず、サクラたちによる演技によって成り立っていた面も強かった

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『徹底図解 社会心理学』要約と感想まとめ

心理学の歴史や研究などを知るうえで、とても良い一冊です。

今回は以上です。

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