パンぞう
トモヤ
人は過去にした具体的な行動を聞かれると、嘘をつきにくいとされています。(3)
その理由は、人は文字よりも風景などのイメージを変えるのが苦手な生き物だからです。
人は考えや信念を聞かれたとき、頭の中で話す内容を文字で考えるので自由に書き変えられます。
しかし、過去の行動は頭の中でイメージしなければいけません。
このことを利用して、面接者に嘘をつかせないコンピテンシー面接というのがアメリカで生み出されたのは有名な話です。
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今回はそんな相手の嘘を効率よく見破る方法や、嘘にまつわる心理学をすべてお話しさせて頂こうと思います。
- 心理学的に嘘を見破れる質問
- よくある間違い【視線をそらすのは嘘ではない】
- 嘘を見破る前に知っておきたいこと
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【嘘を見抜く能力を高める方法】具体的な行動を聞く
冒頭でお話しした通り、人は過去にした具体的な行動を聞かれると嘘がつけません。
そのため、相手の嘘を見破りたいのであれば、できるだけ具体的な行動を引き出すような質問をしましょう。例えば以下の通り。
- 『具体的に誰と行っていたのか?(行ったきっかけも聞く)』
- 『具体的にどこに行っていたのか?(店名や場所をくわしく聞く)』
ポイントは相手に考えさせるのではなく、思い出させるような質問をすること。
そうすれば相手から限りなく真実を引き出せます。
これは海外の尋問で使われる質問手法の一つです。
具体的な行動を問われる質問をされたときに後ろめたいことがあると、言葉につまったりしどろもどろになります。
嘘を見抜く能力を高めるうえでよくある2つの間違い
心理学には、人の仕草や癖などから嘘を見破れるのかについて検証している分野があります。
『NLP(神経言語プログラミング)』という分野です(1)。
しかし、個人的にはNLPのような心理学的なテクニックで嘘を見破るのはかなり難しいです。
ここではよくある間違いについてお話しします。
<1>視線をそらす【人はよく視線をそらす生き物】
『視線をそらすのは嘘をついている証』というのはよくある話ですが、心理学的に信頼性はゼロです。
実際に人と会話するときに意識的に相手の視線に注目すればわかります。
人は意外と視線をそらします。
逆にまったく視線をそらさない方が不自然かもしれません。
<2>腕を組むのは防御の証【ただの癖かも】
『腕を組むのはガードの証』というものがありますが、これも信憑性は薄いです。
なぜなら、その人は普段から腕を組むことが癖になっている方なのかもしれません。
ただ単に腕の置き場がなくて腕を組んだだけかもしれないことも考えられます。
こういった話は心理学的にはまったく信憑性は無いにも関わらず、本やネットなどでは事実かのように書かれていることも珍しくないです。
大切なことは、勝手に決めつけないことですね。
嘘を見抜く能力を高めたい方が知っておくべき2つのこと
視線をそらす、腕を組むといった行為はその人の習慣や癖などから大きく影響を受けます。
間違ってもテクニックに溺れてしまわないことが大切です。
そして最後に、嘘を見破りたい方が知っておきたいことを2つほどご紹介して終わりとします。大切なことなのでよく知っておきましょう。
<1>プロでも嘘を見抜くのは難しいという事実【研究で明らか】
アメリカの研究によると、司法関係の取調官、警察官、精神科医などの嘘を見抜く能力を必要とする職業の方々でも、一般的な大学生と比べて特に優れてはいなかったようです。(2)
どうしても特定の動作から人の嘘を見抜きたいなら、その人自身が普段どうしているのかをよく観察することが大切です。
とはいえ、嘘を見抜くことはプロでさえも難しいことは上記の通り。
嘘を見抜くときは、あまり思い込みすぎないことが大切といえるかもしれません。
<2>『男は嘘がバレやすい』は心理学的には事実
アメリカの研究の余談ですが、一般的には女性の方が男性よりも非言語的な観点(表情や仕草)から嘘を見抜くのが得意であるとされているのは事実です。
理由は明らかではありませんが、女性の方が男性よりも人間のちょっとした癖や仕草を読むのが優れているのかもしれません。
女性に対して男性の浮気がバレてしまう例が多いのは必然かもしれませんね…。
裏を返せば、男はボロが出やすいということかもしれません。
世の男性たちは女性に対してやましいことがあるときは、下手に嘘をつかないようにした方がいいかもしれませんね…。
嘘を見抜く能力まとめ
いかがだったでしょう。
嘘を見破るのは簡単ではないことがご理解頂けたでしょうか。
何事も練習が大切なので、嘘を見破る能力を磨くのであれば、実践してみることが何よりの近道です。
とはいえ、あまり人にやり過ぎると嫌われる恐れがあるのでほどほどに…。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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