とある人
トモヤ
結論からいうと、気質学は怪しいです。
少なくとも気質学の診断に確かな根拠はありません。
そのため、もし「当たっている…」と思うことがあっても、それは錯覚です。
そこでこのページでは、その理由などを下記の順にお伝えさせていただきます。
- 気質学が怪しい理由
- 「当たってる…」と思ってしまうカラクリ
- 参考文献
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注:自分は気質学を肯定も否定もしていません。
あくまで「怪しいのか?」との視点から、自分が調べてわかったことをまとめたまでです。
悪しからずご了承下さい。
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気質学が怪しい理由
気質学が怪しい理由です。
- 『同じ生年月日=同じ診断結果』には無理がある
- 『血液型や表情など、”人の一部から何かを診断するには難しい”』事実がある
それでは順にお伝えさせていただきます。
生年月日で診断するのは無理がある
まず前提として、『気質学』とは、『生年月日によって、日常の疑問や悩みなどを解決するツール』というもののようです。
そんな疑問を解決する方法は…
紐解くカギは…
ずばり【 生年月日 】なのです。
(『一般社団法人 氣質学協会』氣質学とは より)
しかし、このように生年月日で診断するのには明らかに無理があります。
なぜなら、これだと同じ生年月日の人同士は、まったく同じ診断結果になってしまうからです。
たとえば、日本では毎日2,000人近くがこの世に誕生しています。
つまり日本では同じ生年月日の人が、毎日2,000人ほど誕生し続けているわけです。
とはいえ、気質学的には、これらの人らは全員が同じ診断結果です。たまたま同じ日に生まれた…というだけで、です。
これだけでも明らかに無理がある気がしないでしょうか?
またそれ以外にもわかりやすいよう一つの例えとして、同じ生年月日、つまり気質学的に同じ診断結果になる有名人の方々を取り上げてみます。
[1964年9月23日生]
- B’z 稲葉浩志さん(歌手)
- イジリー岡田さん(芸人)
[1982年1月26日生]
- 関ジャニ∞ 村上信五さん(歌手)
- 綾野剛さん(俳優)
[1986年1月12日生]
- イモトアヤコさん(芸人)
- 村田諒太さん(プロボクサー)
パッと見ただけでも、上記の方々にはそれぞれが違った悩みなどを抱えていそうなものです。
しかし、繰り返す通り、気質学ではこれらの方々も生年月日が同じというだけで、それぞれが同じ診断結果となってしまいます。
…それはさすがに無理がありますし、苦しい気がしないでしょうか。
少なくとも自分は正直、「稲葉さんとイジリーさんが同じ診断結果になるのか~うーん…」などと思ってしまいました。おそらくそのように感じるのは自分だけではないように思います。
『血液型や表情など、”人の特徴の一部から何かを診断するのは難しい”』事実がある
またそうでなくとも学問の世界などでは、生年月日のように、『『人の特徴の一部から何かを診断するのは難しい』という事実』が存在していることは広く知られています。
たとえば血液型占いや骨相学には根拠がまったくありませんし、相貌心理学や観相学、ISD個性心理学などにも確かな根拠があるとはいえない現状です。
- 血液型占い…血液型で診断
- 骨相学…頭蓋骨を診断
- 相貌心理学…顔を診断
- 観想学…表情を含めた顔を診断
- ISD個性心理学…生年月日から診断
もちろんこのことは気質学も決して例外ではありません。
少なくとも根拠を裏付ける”質の高い”文献がない以上、気質学は何の根拠もない占いの域を出ません。
気質学は怪しい…でも、当たっているという声があるのはなぜか?【2つの理由】
とはいえ、そうはいっても「気質学は当たってる!」、「気質学スゴい!」といった声があることも事実です。
SNSなどでもよく見かけることができます。
それにはいくつもの理由が考えられますが、この手の話でよくある理由には次のようなものがあります。
- バーナム効果
- 確証バイアス
上記はあくまで一つの参考に過ぎませんが、最後にご紹介させていただいて終わりとしたいと思います。
<1>バーナム効果
まず1つ目は『バーナム効果』です。
【『バーナム効果』とは…】
まるで自分のことを言われているかのように、錯覚してしまう言葉のこと。
『フォアラー効果』や『バーナム・ステートメント』、『ストックスピール』とも呼ばれる。
占いが当たっている理由に、このバーナム効果の存在が取り上げられることは数多いです。
具体的には、次のような言葉がバーナム効果にあたります。
とある占い師
とある占い師
このように『誰にでも当てはまりそうな言葉』がバーナム効果になり得ます。
人間とは不思議なもので、このような言葉もうまく使われることで、あたかも、『あなたにしか当てはまりません』かのように聞こえてしまうということです。
[その他の例]
・面倒くさがり屋なところがある
・不安になることがときどきある
・周りに十分評価されていないと感じることがある
つまり何が言いたいのかというと、「気質学の診断にも誰にでも当てはまりそうな言葉が散りばめられているのでは?」ということです。
もちろんこのことはあくまで一つの疑いにしか過ぎませんし、検証されているわけでもありません。
とはいえ、バーナム効果は、コールド・リーディングと呼ばれる話術の代表的なテクニックの一つともされており、かつて心理学者たちの研究の対象にもなったことがあります。
『コールド・リーディング』とは、それは占いで使われる詐欺的なテクニック
占いなどを盲目的に信じてしまう理由の一つとして、未だに取り上げられることがあるものになるので、占い的な要素がある気質学にも無関係とは言い切れません。
<2>確証バイアス
2つ目は『確証バイアス』です。
【確証バイアスとは…】
『自分の考えを支持する情報ばかりを集め、思い込みを強めるようになる』という心理効果のこと。
心理学や行動経済学などで有名な理論。
人には自分が信じたいことを信じる心理がありますが、その理由の一つにはこの確証バイアスの存在があります。
そのため、気質学に好意的な方はもちろん、否定的な見方をしていない方は、単純に診断結果を自分にとって都合の良いように解釈しているだけかもしれません。
とはいえ、確証バイアスを100%捨て去るのは無理と言われていますし、一説では自分が確証バイアスにかかっているかを確認するのも難しいとの声もあります。
よって残念ながら確証バイアスの存在を知ったところで…という面もあるわけです。
ですが、もし気質学の診断で「当たってる!」と感じた方、もしくはそのように話す方がいたときは、その人自身が診断結果にすり寄っていないかを確認してみると良いかもしれません。確証バイアスの存在が明らかになることもあり得ます。
気質学は怪しいまとめ
気質学は怪しいです。
とはいえ、自分が調べた限りでは、気質学周りで詐欺まがいのことが行われている形跡などは見つかりませんでした。
そのため、気質学が怪しいことは間違いないものの、当たるか当たらないかに関わらず、占いや心理テスト感覚でエンタメとして楽しむ分には別に良いのではないかと思う次第です。
それでは失礼します。