「『相貌心理学』とは”怪しい”のか?」【批判を覚悟で真相を暴露する】

顔

とある人

相貌心理学って、なんだか怪しいけど…実際はどうなんだろう…?
大学で心理学を勉強していた自分がお伝えさせていただきます!

トモヤ

結論からいうと、“相貌心理学は怪しい”です。笑

少なくとも“学問”と呼ぶには非常に苦しく、疑似科学と呼ばれても仕方がないレベルにあります。

理由を一言でいうなら、質の高いエビデンスがないから。これに尽きます。

そこで今回は以下の内容の順に、相貌心理学の真相を徹底解剖しました。

続きを見るとわかること
  1. 怪しい理由について
  2. そもそも相貌心理学とは?
  3. 3つの誤解

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注:このページは相貌心理学ならびに特定の誰かや何かを攻撃する意図を持ったものではありません。

自分は相貌心理学の研究に真摯に取り組まれている方や、相貌心理学を正しく周知することにご尽力されている方には敬意を持っています。

そのため、このページは「相貌心理学は怪しいのか?」を知りたい方に向けて、あくまで一つの見解をまとめたまでです。

ご理解いただけますと、幸いでございます。

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相貌心理学が怪しい理由

怪しい理由についてです。

エビデンスが少ない【質の高い文献がない】

理由は冒頭でもお伝えした通り、『エビデンスが少ない』ことです。

研究文献

これについては自分自身、相貌心理学の創始者:ルイ・コルマンの著作をはじめ、相貌心理学が取り上げられていた書籍やテレビ、ネットなどの参考文献を片っ端からチェックしました。

しかし、結果としてそれらで主張されている相貌心理学の理論を高い確度で証明できるエビデンスは見当たらず…。

それどころか見つけられたのは俗にいう”エビデンスレベル”が低い文献のみで、“質の高いエビデンス”は何一つ見つけることができませんでした。

(”エビデンス”や”エビデンスレベル”という言葉は個人的にあまり好きな言い方ではありませんが、ここではわかりやすさ重視で多用しています)

もちろん自分は学者ではありませんし、文献を見る目が特段高いとも思っていません。

ですが、少なくとも以下のような煽り気味ともいえる言い回しがされている媒体においては、質の高い参考文献は紹介されていませんでした。

例1

相貌心理学の顔分析の精度は高い!
99%もの正確性がある!

例2

つまり『相貌心理学の理論には、必ずしも質の高いエビデンス(裏付け)がセットになっているわけではない』ということです。

このことは怪しさどころか「何の説得力もない」と言われても仕方がない現状です。

見方によっては、見ている方を欺いている側面すらあります。

 

もちろんキャッチーな言い回しは人の目を引きますし、それらしく聞こえる面もあります。使いたくなる気持ちはわからないでもありません。

ですが、質の高いエビデンスの有無は、相貌心理学のみならず、信憑性に関わる問題です。

このさきも確かなエビデンス(裏付け)がないのにメディアなどで誇張された言い回しが続くようなら、大きなお世話かもしれませんが、相貌心理学の未来は明るいとはいえません。

怪しさは拭われるどころか、助長され続けると思います。

【+α】”相貌心理学者”という肩書の真実【認定方法に違いがある】

ちなみにこれは怪しさとはまた違いますが、“相貌心理学者”になるための条件は、他の心理学者のそれとは違っています。

La Morphopsychologie n’est en rien en lien avec le diplôme de Psychologue.

相貌心理学は、心理学者の資格とは全く関係がありません。

(『フランス相貌心理学会』トップページより)

DeepLでフランス語⇒日本語に翻訳

つまり『“相貌心理学者”という肩書は確かに存在するものの、それは一般的な”心理学者”のそれとはまったく同じとは言い切れない面がある』ということです。

これも掘り下げれば相貌心理学が怪しい理由になり得そうですが、これらは「心理学とは?」ならびに「学問とは?」にも通ずる問題です。

このページのテーマからは逸脱してしまうため、ここではこれ以上踏み込むことはしません。

 

とはいえ、明らかなのは、現に“相貌心理学者”になるためのルールが一般の心理学者のそれとは別に存在していて、使われている事実です。

相貌心理学者:佐藤ブゾン貴子さんによると、実際に2021年時点で相貌心理学者は世界に約1200人ほどいるらしく、そのなかでも教授に該当する方は15人ほどいるとしています。

(前略)相貌心理学者は現時点で世界に約千二百人います。その中でもプロフェッサーは世界に十五人。

(『人は顔を見れば99%わかる フランス発・相貌心理学入門』第1章より)

そのため、“相貌心理学者”という肩書は嘘ではないですし、相貌心理学者の方々はあくまで存在しているルールに乗っ取って、認定されているにすぎません。

認定方法が違う是非は色んな意見があって然るべきですが、少なくとも相貌心理学者の方々を悪くいう理由にはならないでしょう。

もちろん”相貌心理学者”という肩書を盾に、根拠のないことをやたらと強調していたら、さすがに「うーん…」とは思いますが。

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個人的な意見としては、相貌心理学は”心理学”とその名がついている以上、認定方法が違うことに違和感を感じないわけではありません。

一般的に、「相貌心理学って、心理学の一つなんだな…」と思う方が一定数いるかもしれませんので。

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相貌心理学とは?【そもそもの基本事項】

続いては相貌心理学の基本事項です。

そもそもの内容にはなりますが、理解を深める一助としていただければと思います。

『顔をデータ分析し、性格や人間性などとの関係性を研究』

まず『相貌心理学とは、『顔をデータ分析し、性格や人間性などとの関係を研究する内容』のことです。

裏付けとなっているのは『一億人以上もの顔分析データ』らしく、相貌心理学はそのデータを元に、現在でも理論が体系化、洗練され続けられているとのこと。

1937年に精神科医:ルイ・コルマンが明らかにした

提唱されたのは1937年。

フランスの精神科医:ルイ・コルマンが創設したとされています。

コルマンは臨床心理学者としての顔も併せ持っていました。

『人相学』や『観相学』などとは違う

とはいえ、“顔を分析”と聞くと、『観相学』や『人相学』を思い浮かべる方がいるかもしれません。

しかし、相貌心理学はそれらとは別物です。主な違いは以下にまとめました。

相貌心理学と観相学などとの違い

表情の分析顔のパーツを

個別に分析

顔のパーツの関連性から

顔全体を分析

相貌心理学X
観相学、人相学X

つまり『相貌心理学は、『しぐさや表情ではなく、顔のパーツの関連性をふくめた”顔そのもの”を分析』しています。

そのため、相貌心理学は人の”表情”に注目する必要がありません。

これは言ってしまえば、無表情の顔写真さえあれば、相貌心理学的には事足りてしまう面もあるといえます。

その一方で『観相学や人相学は、『表情を分析したり、顔のパーツを個別に分析することが多い』とされています。両者は似て非なるものです。

企業の人材採用などで活用されている

また相貌心理学の理論は、企業の人材採用や人材育成、コミュニケーションなどの実務などで活用されている事例があるようです。

特にそれらの事例は相貌心理学の誕生国であるフランスで多く見られるとのこと。

少なくともフランスにおいて相貌心理学は、日本よりも広く知られた存在であるようです。

さらに現在では、フランスの近隣国であるスペインやイタリアでも広く普及されてきている面もあるとか。

相貌心理学への3つの誤解

最後は相貌心理学への誤解です。

怪しい面がある相貌心理学ですが、それでも不当に誤解されている面もあるように思います。

最後はそれらを共有させていただき、終わりにしたいと思います。

[1]差別を助長するものではない

仲間外れ

まずは『相貌心理学は、差別を助長するものではない』ことです。

その理由は、相貌心理学が評価するのは、顔の良し悪しではなく、あくまでその人自身の性格などをはじめとした個人の特性だからです。

そのため、「イケメンこそ正義!」、「美人しか勝たん!」みたいなことは相貌心理学では決して言われていません。

むしろイケメンや美人などといった尺度とは違った側面で顔を評価しているのが相貌心理学のようです。

[2]占いとは違う

占い師

また『相貌心理学は占いとも違う』ようです。

その理由の一つには、相貌心理学では未来を読んだりはしないからなんだそう。

(前略)「顔を見る」というと、「相貌心理学は占いとは違うんですか?」と必ず聞かれます。

これはあくまで心理学なので、占いの要素は入っていません。

未来を予知することもできませんし、幸福顔、不幸顔というものを示すこともできません。

(『フランス発 相貌心理学 運命のお相手は「顔」で選びなさい』1章より)

[3]顔は変わる

時空間

最後は『人の顔は変わる』です。

これはつまり、『相貌心理学的にその人の顔から明らかになったことは、顔の変化によって変わる可能性がある』ということになります。

相貌心理学の創設者:ルイ・コルマンの著書には、『相貌発達心理学』を取り上げた本がありますが、それにも通ずることです。

ちなみに顔の変化は、環境やストレス、その人の行動特性などによっても影響があるとのこと。

「相貌心理学は怪しいのか?」まとめ

相貌心理学は怪しいです。

少なくとも”学問として”声高にその理論を主張するには、明らかに無理があります。

理論の正当性を担保するエビデンスがありません。

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…とはいえ、身近で親しみが持ちやすい”顔”に着目した内容なので、個人的には、エンタメとして楽しむならアリだとは思います。

少なくとも、人の人生を左右する局面などでの活用など、悪用されてさえいなければ、相貌心理学を過剰に否定する気持ちは湧きません。

今後、相貌心理学がどのようになるのかはまったく見当がつきませんが、個人的にはうまい具合に着地してくれれば良いのではと思います。

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それでは。

参考文献

このページをつくるにあたり、大いに参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

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