自分の知人に『ISD個性心理学』にハマっている知人がおりまして、自分は大学で心理学を勉強していたこともあり、”心理学”と名が付いていたことからも、その実態が気になったわけです。
そこで気になって調べ始めたわけですが…調べれば調べるほど、『ISD個性心理学は怪しい』との結論を深めていく結果に。笑
そこで今回は、その過程でわかったことを備忘録的にまとめておくこととします。
- 【4つある】ISD個性心理学が怪しい理由
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注:自分はISD個性心理学を肯定も否定もしていません。
あくまで「怪しいのか?」との視点から、自分が調べてわかったことをまとめたまでです。
悪しからずご了承下さい。
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ISD個性心理学が怪しい4つの理由
結論からいうと、ISD個性心理学が怪しいと感じた理由は以下の4つです。
- 『同じ生年月日=同じ診断結果』であるという事実
- 『血液型や表情など、”人の一部から何かを診断するには難しい”』事実
- 「”学問である”」という主張への違和感
- 20万円もの高額な講座の存在
賛否があるかもしれませんが、上記にはきちんとした理由があります。
詳細を順に見ていきます。
<1>『同じ生年月日=同じ診断結果』であるという事実
まず前提としてISD個性心理学は、人の生年月日を使って診断を行います。
つまり同じ生年月日の人同士は、まったく同じ診断結果になるということです。このことは公式にも事実として明言されています。
Q 誕生日が同じ人(例えば双子の人とか)は同じ結果になるんですか?
A はい同じになります。ISD個性心理學は生年月日の計算式から結果を出しているので、診断結果は同じになります。ただ育った環境や本人の努力によって性格や個性の出方が変わる部分も大きいのですが、基本となるベースは同じだとお考えください。
とはいえ、これはいくらなんでも無理がある気がしませんか?
わかりやすいよう一つの例えとして、生年月日が同じ有名人を例にします。以下がその例です。
[1964年9月23日生]
- B’z 稲葉浩志さん(歌手)
- イジリー岡田さん(芸人)
[1982年1月26日生]
- 関ジャニ∞ 村上信五さん(歌手)
- 綾野剛さん(俳優)
[1986年1月12日生]
- イモトアヤコさん(芸人)
- 村田諒太さん(プロボクサー)
繰り返す通り、ISD個性心理学からすると、この例で挙げた有名人の方々は、それぞれが“まったく同じ”診断結果になります。
どうでしょうか?
自分は正直、「えっ?稲葉さんとイジリーさんが”まったく同じ”…?」などと思ってしまいました。
“まったく同じである”ことに、少しも違和感を感じない方は少ないのではないでしょうか。
そもそもの話、日本では毎日2,000人近くがこの世に誕生しています。
つまり日本では同じ生年月日の人が、毎日2,000人ほど誕生し続けているわけです。
とはいえ、何度も繰り返すようで恐縮ですが、ISD個性心理学から見た場合、これらの人らは全員が同じ診断結果です。
たまたま同じ日に生まれた…というだけで、です。
それはさすがに無理があるのではないでしょうか?
<2>『血液型や表情など、”人の特徴の一部から何かを診断するのは難しい”』事実
またもっというと、ISD個性心理学でいう”生年月日”のように、『『人の特徴の一部から何かを診断するのは難しい』という事実』があることは、広く知られています。
たとえば血液型占いや骨相学には根拠がまったくありませんし、相貌心理学や観相学なども、確かな根拠があるとはいえない現状です。
- 血液型占い…血液型で診断
- 骨相学…頭蓋骨を診断
- 相貌心理学…顔を診断
- 観想学…表情を含めた顔を診断
このことはISD個性心理学も決して例外ではありません。
少なくとも根拠を裏付ける”質の高い”文献がない以上、ISD個性心理学は占いの域を出ません。
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ちなみに文献について、自分は『一般社団法人 ISD個性心理学協会』と『株式会社ISDエデュケイションズ』、『ISD個性心理学 無料診断サイト!!』の全ページ、そこで関連付けられていた書籍のすべてに目を通しています。
ですが、結局、質の高い文献は何一つ確認できませんでした。
なお、言うまでもなく「統計でこれだけやった!」などといった主張は、その中身が不明である以上、何の意味もありません。
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<3>「”学問である”」という主張への違和感
しかし、ISD個性心理学には根拠が明確に示されていないにも関わらず、公式で「学問である!」ということが主張されています。
Q ISD個性心理學ってなに?
A ISD個性心理學とは、あの動物占いの元になった学問で、基本は東洋哲学の原点である陰陽五行を背景に、西洋の行動心理学、そして性格診断の技法を取り込んで体系化したものがISD個性心理學です。
「学問とは?」という定義はさておくとしても、少なくとも根拠が乏しく、そもそも研究が行われているのかも不明な何かを”学問”と呼ぶのはさすがに強引でしょう。
むしろ実態がハッキリとしないものを学問と主張することは、逆に怪しさを助長するだけなようにも思います。
(個人的には、ISD個性心理学が”心理学”と名乗っていることにも、違和感を感じてしまいますが…)
<4>20万円もの高額な講座の存在
最後は自分個人の主観が最も強いことかもしれませんが、やたらと高額な講座が募集されていることも気にはなりました。
たとえば、ISD個性心理学協会が主催する講座には、受講料が約20万円近いものが少なくありません。
注:画像の詳細は2022年2月1日に確認したもの
なかには数千円の講座もあったものの、自分が確認したときは、そのほとんどが約20万円もの講座となっていました。
もちろん20万円が高額なのかどうかは様々な意見があるでしょうし、自分は人様の商売にケチをつけるつもりはありません。
ですが、個人的には、『ISD個性心理学は生年月日”だけ”で基本的なことが診断できることに加え、その診断結果に確かな根拠があるとはいえなさそうな現状を踏まえると、この受講料は見合っていないのでは?』とは思います。
また自分はISD個性心理学が”心理学”と名乗っているためか、自分がこれまでに足を運んできた心理学会の無料講座と比較してしまったのも正直なところです。
ISD個性心理学は怪しいのまとめ
ISD個性心理学は怪しい。
占いのようにエンタメとして楽しむ分には否定はしないが、実態はそれ以上でもそれ以下でもない。
少なくとも自分なら、高額な身銭を切って何かをしようとは思わない。
それでは。
参考文献
関連ページ
【相貌心理学が怪しい理由は1つだけ】批判を覚悟でその嘘を暴露【大学で心理学を勉強した自分が徹底調査】