『猿の尾はなぜ短い』【日本の昔話】

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村 【『昔話』一覧】日本の昔話集

昔話:『猿の尾はなぜ短い』をご紹介させていただきました。

このページでわかること
  1. あらすじ
  2. 由来

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注:文字表記は原文への最大限の敬意を込め、可能な限りそのままの形にしています。

悪しからずご承知おき下さいませ。

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『猿の尾はなぜ短い』のあらすじ

物語:猿の尾の謎

昔の昔の大昔、猿の尻尾しっぽは三十三ひろ*あったそうです。

それが熊のためにだまされて、あのような短い尻尾しっぽになってしまいました。

或時あるとき猿は熊のうちへ訪ねて行って、どうすれば沢山の川の魚を、捕ることが出来るだろうかと相談しました。

そうすると熊が言うには、今晩のような寒い晩に、どこか深いふちの上の岩にすわって、その尻尾しっぽを水の中へ漬けて置いてごらん。

きっと色々な雑魚ざこ*が来てくっつくからと教えてくれました。

猿は大喜びで教えてもらった通りにして待っていますと、夜が更けて行くうちに、段々と尻尾しっぽが重くなりました。

それは氷が張って来たのでしたが、お猿は雑魚ざこが来てくっついたのだと思っていました。

もうこれくらい捕れたら十分だ。

あんまり冷たいから還りましょうと思って、尻尾しっぽを引き上げようとしたけれどもなんとしても抜けません。

これは大変だと大騒ぎして、無理に引張ったところが、その尻尾しっぽが根元からぷっつりと切れました。

猿の顔の真赤なのも、その時あまりに力をめて引張ったためだと言っている人があります。

(おわり)

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よう説明せつめい

ひろ:長さの単位。通常は一ひろで6尺(約1.818m)となる

雑魚ざこ:様々な種類が入り交じった小魚のこと

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由来:出雲

島根県ずも

『猿の尾はなぜ短い』まとめ

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