悩む人
トモヤ
結論からいうと機械設計の仕事がAI(人工知能)に奪われる心配はありません。
*以下より人工知能のことをAIと表記する
現状のAIの技術では人間のようにコミュニケーションを取ることは不可能だからです。
しかし、AIの進化によって機械設計の仕事内容は大きく変わりつつあります。
ちなみに今お話ししている僕は現役の機械設計エンジニアです。
とはいえ、現在はディープラーニングというAIプログラミングを勉強している身でもあります。
半年前なのは承知の上です<(_ _)>
しかし、人並み以上には機械設計とAIを理解している自信があります。
- 機械設計の仕事がAIに奪われない2つの理由
- AIの進化によって変わっていく機械設計業界
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機械設計がAIに取って代わられない2つの理由
機械設計の仕事がAIに奪われない理由は以下の2つ。
- AIは完成していない
- オックスフォード大学の研究
上記について順にくわしくお話しさせて頂きます。
<1>AIは完成していない
そもそもですが現在のAIはまだまだ発展途上です。
なぜなら、現在のAIは人間の本能や感情を根本的に理解することができないからです。
現在出回っているAIで最も優秀なのは『ディープラーニング』という機械学習の一種になります。
【ディープラーニングとは…】
自動車の自動運転や防犯カメラなどの物体検出に使われているAIの技術のこと。
ディープラーニングはAI業界でも画期的な技術です。
しかし、ディープラーニングをもってしても人と親密なコミュニケーションを取ることは到底不可能です。
ぶっちゃけてしまうと現在のAIはディープラーニングを含めて数あるサンプルを学習しているに過ぎないから。
ターミネーターやドラえもんが生まれるのはまだまだ先の話なんですね。
一方で機械設計エンジニアの仕事は顧客や部署内外での密なコミュニケーションが求められます。
【現役エンジニアが解説】機械設計の仕事内容や出世に必要なこととは
なので『人』としての役割が求められる機械設計エンジニアの仕事はまだまだ奪われません。
顧客の要望をヒアリングして設計するAIにはまだまだ不可能だからです。
とはいえ、今後AIは2030年あたりまでに人の言葉を徐々に理解し出すといわれています。
エンジニアとして働くのであれば設計スキルは重要です。
しかし、それ以上に人と仲良くできるコミュニケーション能力を磨いておくことがよりこの先で重要になるのもまた事実です。
<2>オックスフォード大学の研究
『コミュニケーション能力が要求される機械設計の仕事はAIに奪われる心配はない』というのがこれまでの話。
ここからは海外の動向にも目を向けてみます。
以下はイギリスのオックスフォード大学の研究結果です。
研究では今後10~20年後に残る仕事と残らない仕事をランキング化しました。
- 療法士
- 技術系の第一線監督者
- 危機管理責任者
- メンタルヘルス関連の仕事
- 聴覚訓練士
確率的な話ですが上記の仕事はAIが発展する今後も残り続けると予想されています。
特に1、4、5位あたりは高いコミュニケーション能力が必要な仕事ですよね。
『人との信頼関係を築く必要がある仕事』といって間違いないです。
実はランキングはトップ25まで発表されていますが…。
カウンセラーや教師、臨床心理士など人とのコミュニケーションが要求される仕事は今後も残ると予想されています。
なのでAIが発展する未来においてもコミュニケーション能力が必要な機械設計の仕事は今後も残り続ける、というのが僕の意見です。
機械設計はAIの登場で変わりつつある
AIの進化によって機械設計の仕事は完全には奪われません。
しかし、確実に機械設計エンジニアに求められることが変わりつつあるのは事実です。
富士通が機械設計の仕事にAIを応用
近年、日本では富士通が機械学習に特化したAIを機械設計の分野に使ったことで話題になりました。(参考:PDF)
【機械学習とは…】
Googleの検索エンジンや自動車の自動運転に利用されているAIの一種のこと。
富士通では機械設計エンジニアが経験してきた設計ノウハウをデータにしてAIに学習させているようです。
人間と違ってAIの知能には限界がありません。
AIはありとあらゆる設計ノウハウを自分のものにすることができるんです。
数値化しづらい設計ノウハウもAIならすぐに理解ができます。
数十年かけて身に付けた機械設計エンジニアの技術をAIは一瞬で学習して応用してしまいます。
機械設計に限らずエンジニアが技術だけで生きていくことはこの先難しくなるはず。
そのため、繰り返しになりますがエンジニアは技術だけでなくコミュニケーション能力も磨いていくことが大切になるでしょう。
世界でもAIが人の仕事を奪い始めている事実
AIの影響は日本だけに留まりません。
海外では日本よりも悲観的なニュースが目立ちます。
ここでは海外で話題になったニュースを2つご紹介させて頂きます。
【オックスフォード大学の研究】
今後10~20年ほどでアメリカに存在する702の職業の約半分がAIに取って代わられる可能性があることを明らかにした。
【イギリスのデトロイト社の調査】
イギリス国内の35%もの仕事が今後20年あまりでAIに奪われる可能性があることを明らかにした。
どちらも悲観的なニュースですよね…。
しかし、AIに奪われる可能性のある仕事はいずれもルーティンワーク的な仕事が多いです。
つまり同じことをひたすら繰り返す仕事になります。
一方で機械設計はルーティンワークにはあまり当てはまらない仕事。
繰り返しになりますが人としてのコミュニケーション能力を全面に押し出していけばAIと共存することは十分可能です。
機械設計とAIまとめ
現状のAIの技術を考えると機械設計の未来はまだまだ明るいです。
とはいえ、思考停止して仕事をするのは絶対にダメです。
人間らしいコミュニケーション能力を武器にしてAI以上に試行錯誤していくことが何よりも大切になります。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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