『朝日訴訟』(最大判昭42.5.24)をわかりやすく簡単に

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武器になる本 【『憲法』の判例一覧】重要判例まとめ【わかりやすい有名判例】

『朝日訴訟』(最大判昭42.5.24)をご紹介させていただきました。

可能な限り、わかりやすくまとめたつもりです。

このページでわかること
  1. 判例の論点
  2. 理解度チェックテスト【行政書士試験の過去問】
  3. 参考文献

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注:このページの情報は自分独自の考察も元としています。

間違っていないとは言い切れませんので、あくまで一つの参考にして下さいませ。

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『朝日訴訟』(最大判昭42.5.24)をわかりやすく簡単に

事案:公的扶助の打ち切り

入院療養中のため生活、医療扶助を受けていたXは、兄からの仕送りがあるという理由により、これらの公的扶助を打ち切られた。

>>【裁判所のホームページ】生活保護法による保護に関する不服の申立に対する裁決取消請求

争点:憲法25条の性格の是非

憲法25条は、どのような性格の規定か?

結論:違法ではない

本件厚生大臣(当時)の認定判断は、違法ではない。

理由:国の責務を宣言したに留まるから

・憲法25条1項は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の債務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない

・何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、厚生大臣(当時)の裁量に任されているため、直ちに違法ということにはならない

・違法な行為として司法審査の対象となる場合には、現実の生活条件を無視して著しく低い基準を設定するなど、憲法および生活保護法の趣旨、目的に反し、裁量権の限界を超えた場合または裁量権を濫立した場合がある

『朝日訴訟』(最大判昭42.5.24)が行政書士試験で出題された例【過去問で理解度チェック】

最後は行政書士試験において、本判例が問われた過去問をご紹介させていただきます。

試験勉強としてはもちろんのこと、判例への理解を深める一助として下さいませ。

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注:問題の解答はすぐに見えてしまわないよう、タッチすることで表示されるようにしています。

ご承知おき下さいませ。

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平成8-22-2で出題された問題

問題.日本国憲法第25条は、直接個々の国民に対して具体的請求権を付与しているものである。

正誤:X

理由:憲法25条1項は、直接個々の国民に対して具体的権利を付与したものではありません。

『朝日訴訟』(最大判昭42.5.24)をわかりやすく簡単にまとめ

まとめ
  1. 憲法25条1項は、直接個々の国民に具体的権利を賦与したものではない

参考文献

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