【『憲法』の判例一覧】重要判例まとめ【わかりやすい有名判例】
『サラリーマン税金訴訟』(最判昭60.3.27)をご紹介させていただきました。
可能な限り、わかりやすくまとめたつもりです。
このページでわかること
- 判例の論点
- 参考文献
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注:このページの情報は自分独自の考察も元としています。
間違っていないとは言い切れませんので、あくまで一つの参考にして下さいませ。
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『サラリーマン税金訴訟』(最判昭60.3.27)の内容をわかりやすく【判例】
事案:雑所得の無申告によって下された課税処分
私立大学の大学教授Xは、雑所得の申告をしなかったとの理由により、税務署から課税処分を受けた。
だが、Xは処分に基づく旧所得税法の給与所得税に関する諸規定は、以下の理由から不服だと主張し、提訴した。
[処分を不服としたXの主張]
・給与所得にかかる必要経費は概算控除を設けるのみであり、実額控除を認めていない
・源泉徴収制度による給与所得の補足率は、他の所得のそれと比べて著しく高い
・事業所得者には租税特別措置の利益がもたらされている
争点:事業所得者より不公平な所得税負担の是非
事業所得者と比較して、給与所得者に著しく不公平な所得税負担を課すことは、憲法14条に反するか?
結論:合憲
反しない。
理由:著しく不合理であることが明らかであるとはいえないから
・給与所得者の必要経費を個別に認定することは、税務執行上、困難を極めるため、立法目的から著しく不合理であることが明らかであるとはいえないから
[判旨]
・給与所得者は事業所得者に比べて総数が多い
・給与所得者の家事上の経費と必要経費の境界は曖昧
・仮に個別認定のための作業を実施すれば、税務の混乱や新たな差別を生みかねない
『サラリーマン税金訴訟』(最判昭60.3.27)の内容をわかりやすく【判例】まとめ
まとめ
- 給与所得者が事業所得者よりも不公平な所得税負担を課されることは、著しく不合理であることが明らかであるとはいえない