パンぞう
トモヤ
タイトルにもある元財務官僚の著者はロボアド投資『WealthNavi(ウェルスナビ)』の運営元でもあるウェルスナビ株式会社の代表取締役CEO(最高経営責任者)の柴山和久さん。
本の内容は、今の日本で必要な資産運用の考え方がわかる一冊となっています。
読みやすさと専門性のバランスが取れており、金融の知識がなくても読める本です。
今回はそんな本の内容をネタバレしない程度に簡単にまとめていきますね。
- 本の目次と内容の要約
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【目次】『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』
- 5つの失敗から学んだ投資の鉄則
- 時間と世界を味方につける資産運用とは?
- 日本の資産運用はガラパゴス化している
- 日本人が知らなかった”正しい”資産運用
- 人間の脳は資産運用に向いていない
- テクノロジーが実現する豊かな未来
- お金から自由になったら何をしたいか
本の目次は7章から構成されています。順に簡単に説明していきますね。
①5つの失敗から学んだ投資の鉄則
まず1章は本のタイトルにもなっている元財務官僚でもあり著者の柴山さん自身の5つの失敗についてです。
- 銀行の特別待遇に舞い上がった
- 「過去のリターンの実績」で選んだ
- 銀行のブランドだけで判断した
- オススメされた株にそのまま投資した
- 「有名だから」と投資した
簡単にいうと、自分で考えて資産運用を行っていないということです。
著者の体験談にもなる話なのでかなり生々しいですが、これだけ明け透けに失敗談を話して下さるのは好感が持てます。
ここに書かれている失敗談を反面教師にできれば、後悔しない資産運用に役立てられるはずです。
②時間と世界を味方につける資産運用とは?
2章では『長期・積立・分散』が資産運用で成果を出す最も効果的な方法である理由が書かれています。
世界中の資産運用のデータをもとにわかりやすく説明しているのが特徴的です。
この点は『WealthNavi(ウェルスナビ)』に代表されるロボアド投資に通じる話でもあります。
③日本の資産運用はガラパゴス化している
3章では日本の資産運用がガラパゴス化している理由と本来あるべき姿についてが書かれています。
【ガラパゴス化とは…】
日本市場でのみ通用する手法のこと。ガラケーはガラパゴス携帯を指す。
世界の金融市場との違いから日本の問題点がわかりやすく説明されています。
④日本人が知らなかった”正しい”資産運用
4章では『長期・積立・分散』で資産運用を始める手順が6つのステップで説明されています。
- 資産運用の目標を立てる
- 最適な資産配分(ポートフォリオ)をつくる
- 具体的な銘柄を選定する
- 取引の前に、もう一度リスクを確認する
- 積立を設定する
- リバランスを着実に行う
どれも資産運用で成果を出すためには欠かせないことです。
これから資産運用を始める方だけでなく、すでに始めている方にも今一度目を通して頂きたい内容となっています。
⑤人間の脳は資産運用に向いていない
5章では心理学や行動経済学の観点から人間の脳が資産運用に不向きである理由が書かれています。
本には『プロスペクト理論』についても書かれていました。
【プロスペクト理論とは…】
人間は得するよりも損する可能性に心が動きやすい心理があること。
この章はやや心理学寄りの話になるので興味がない方は退屈かもですが、他の資産運用本にはあまりない内容です。
理解できればかなり有益ですよ。
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⑥テクノロジーが実現する豊かな未来
6章では人工知能(AI)を利用したロボアド投資の有用性についての内容です。
この点は著者が『WealthNavi(ウェルスナビ)』を提供している会社の代表というだけあってかなり専門的でした。
また、個人的には著者の柴山さんが『TECH::CAMP(テックキャンプ)』でプログラミングを勉強していた事実には驚きました。笑
ロボアドの開発にはエンジニアの力が不可欠です。
そのため、スクールに通ったのはエンジニアの気持ちを理解するためと書かれていますが、会社の代表がこれだけ現場を理解しようとする姿勢には頭が下がります。
ナマケモノ君
しかも1ヶ月足らずでコードを理解したと聞くので驚きです。
天才ですね…。
聞けばウェルスナビ株式会社は社員の約半数がエンジニアやクリエイターだそうです。
きっと社内の技術者たちは皆、柴山さんを慕っているのでしょうね。
⑦お金から自由になったら何をしたいか
最後の章では資産運用の目的について著者独自の見解が語られています。
本の中では度々『資産運用でお金を増やすことは手段であり目的ではない』と述べられています。
長期的に資産運用と向き合っていくためにも、この章には是非目を通して頂きたいです。
【書評】『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』の内容を要約まとめ
- 5つの失敗から学んだ投資の鉄則
- 時間と世界を味方につける資産運用とは?
- 日本の資産運用はガラパゴス化している
- 日本人が知らなかった”正しい”資産運用
- 人間の脳は資産運用に向いていない
- テクノロジーが実現する豊かな未来
- お金から自由になったら何をしたいか
本には書いた人の人柄が現れますが、この本は読んでいて優しい気持ちになれる本です。
資産運用の本の中にはお金を稼ぐことを全面的に押し出した書籍も多いので異色の一冊ともいえます。
また、巻末では出版まで2年以上かかったとの話がありますが、それだけ良いものを読者に提供しようという著者の気持ちの表れですね。
個人的にはダイヤモンド社が出版した本には外れがないと思っているので、その点でもオススメですよ。笑
最後までお読み頂きありがとうございました。
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