世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方:書評【人生のコンパス(指針)となり得る本】

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』という本を読みました。

『自分のやりたいことを明確にし、仕事や人生を充実させる方法論』が書かれた本です。

ジャンル的にはキャリア指南系でしょうか。

面白い本でしたので、書評として読んだ感想をまとめておきます。

【良かったところ4つ】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方:書評

良いと思ったところは4つです。

おそらく類書と比べても、どれもこの本にしかないポイントだと思います。

<1>読者の背中を押してくれる優しい本

まずやりたいこと探し(≒仕事探し)をテーマにした類書と比べると、本書は、読者の背中を押してくれる優しい本です。

 

例えば、類書の一例としては『科学的な適職』が挙げられます。

科学的な適職【『科学的な適職』書評】後悔しない仕事選びの極意がわかる一冊

科学的な適職』は再現性と論理性が素晴らしい良書です。

しかし、読者に優しいというより、どちらかというと、『自分に合う仕事探しは甘くねーゾ!』ということを教えてくれる本です。笑

 

それも読者のことを思ってのことなのかもしれませんが、読者の背中を押してくれる本とはいえないことは事実です。

他にもそういったタイプの類書は少なくありません。

 

とはいえ、だからこそ本書の、読者の背中をそっと押してくれる優しい内容は際立っていました。

会ったことはないので予想ですが、著者の人柄や性格が反映されているのかもです。

 

本書を読めば、読み終わる頃にはポジティブな気持ちになり、何かをしてみたくなると思います。

<2>体系的かつ網羅的な内容

またこういった本にありがちなのが、『考える前に行動だ!』みたいな内容です。

それでうまくいく方がいるのも事実といえど、人によっては間違いにハマり、負のループに陥る可能性があることもまた事実です。

迷路

その点で本書は著者の経験や仕事でのフィードバックから得た、やりたいこと探しの方法論がガイドラインとしてまとまっています。

巻末の参考文献をはじめ幅広く知見が引用されてもいるので、体系的かつ網羅的です。

<3>読みやすく、わかりやすい【図解&例え話】

といっても、色々と内容を詰め込むと読みづらくなりがちですが、本書は図解や例え話が多く使われているのも特徴です。

読みやすさ、わかりやすさが担保されています。

 

図解のメリットは言うまでもないですが、例え話の例としては、『ネガティブな経験をウニに例えた話』や、『クセ≒得意なこと』など、読んでいて内容がスッと入ってくる工夫が随所に施されており、理解しやすいです。

ウニ

個人的な感想ですが、この手の本では今まで読んだなかで一番の読みやすさでした。

 

内容自体も専門書でありながら、自己啓発的な面もある本なので、おそらく普段あまり本を読まない方でも飽きることなくスラスラ読めるはずです。

<4>価値観探しを徹底サポート

そして最後の良かったところは、本書が『価値観』に多くのページを割いている点です。

本書ではCHAPTER4(85~120ページ)で40ページ近く価値観の見つけ方を掘り下げ、読者の価値観探しを徹底サポートしています。

 

最高の体調』という本にもありますが、価値観において混同しがちな『「目標」と「価値観」の違い』から親切に解説がなされていたので、本書を通じて価値観探しがイチからできるようになっていました。

 

昨今の心理学系の本や論文においても、『価値観を定めることを人生の重要タスク』と位置付けているケースは少なくありません。

 

僕の経験でも、自分の価値観に沿った行動であるかどうかが、目の前のことに集中できるかどうかに大きく左右されると実感しています。

天使と悪魔

そのため、人によっては自分の価値観がまったくない状態だと、やることすべてがブレてしまい、やりたいこと探しどころではなくなる恐れすらあります。

それほどまでに価値観は重要です。

 

価値観探しは難しいですが、本書を読めば、少なくとも本書内でも言及されていた『野球が好きだから、野球関連の仕事を選ぶ』といった間違った決断はしなくなるはずです。

【注意すべきところ2つ】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方:書評

一方で気になった点についても2つほどまとめました。

[1]一生の天職に出会うための方法論は書かれていない

まずこれは当然ではありますが、本書には一生の天職に出会う方法は書かれていません。

本書の位置づけはあくまで『“今、やりたいこと”を探すための”コンパス(指針)”となる本』だからです。

 

結果として、その『”今、やりたいこと”』が一生の天職になる可能性はあれど、それを前提にした内容でないことには注意が必要です。

この手の本を求めている方には、そういった面を欲している方もいそうですので。

 

とはいえ、これだけ時代の流れが激しい現代で、一生安定の定職を求めるのは微妙です。

本書にも『一つのことに固執し続けるのはリスクでしかない』と親切に書かれていますが、これには強く同意します。

 

もちろん一生の仕事に出会いたいという気持ちは理解できますし、僕もそう思っていた時期がありました。

ただ一生の天職を手っ取り早く知りたい方が読むべき本でないことは事実です。

[2]自分で試行錯誤する必要アリ

さらに本書には、『あなたのやりたいことはコレ!』という決まりきった答えは書かれていません。

 

これも本書で言及されていることですが、本書を通じてやりたいことの軸が決まったら、後は自分で試行錯誤していくことが必要になります。

PDCAサイクル

間違っても本を最後まで読むだけで自分のやりたいことが降ってくる本ではありませんので、その点は誤解してはダメです。

なのでこの本はハンズオンを前提とした書籍として捉えておくことが良いかと思います。

 

ただ以上の注意点を理解したうえでなら、本書を読む価値は十分にあります。

それは保証します。

特に自分をより深く理解したい方には、本書はとても良い助けになってくれるはずです。

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方:書評まとめ

小学生から大学まで卒業すれば16年間もあるのに、何が好きで、何が得意で、何を大事にして生きたいか、ということと向き合わないのはおかしいでしょう。
[本書36Pより]

これには僕も完全同意で、勉強や遊びも大切ですが、『自分を知る』というのはそれ以上に大切なことだと感じています。

自分を知ることで行動の軸ができ、何をすべきかが明確になるためです。

 

『安定性』や『将来性』といった外側の選択基準だけを頼りに行動してしまうのは、良いか悪いか以前にもったいないです。

 

その意味で本書には、内側である自分だけの心の選択基準を知るためのヒントが散りばめられています。

より自分を理解したい方にはとても良い一冊だと思います。