『北方ジャーナル事件』(最大判昭61.6.11)をわかりやすく解説

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武器になる本 【『憲法』の判例一覧】重要判例まとめ【わかりやすい有名判例】

『北方ジャーナル事件』(最大判昭61.6.11)をご紹介させていただきました。

可能な限り、わかりやすくまとめたつもりです。

このページでわかること
  1. 判例の論点
  2. 理解度チェックテスト【行政書士試験の過去問】
  3. 参考文献

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注:このページの情報は自分独自の考察も元としています。

間違っていないとは言い切れませんので、あくまで一つの参考にして下さいませ。

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『北方ジャーナル事件』(最大判昭61.6.11)をわかりやすく解説

事案:裁判所に差し止められた雑誌

元旭川市長で北海道知事選挙の候補者Xを批判攻撃する記事を掲載した雑誌:『北方ジャーナル』が、発売前に名誉毀損を理由に、裁判所によって差し止められた。

>>【裁判所のホームページ】損害賠償

争点:検閲の是非

裁判所の事前差止めは、”検閲”にあたるか?

結論:あたらない

・裁判所の事前差止めは、検閲にあたらない

・表現行為に対する事前差止めは、表現の自由を保障し、検閲を禁止する憲法21条の趣旨に照らして、原則として許されないが、以下2つの条件があてはまる場合は例外的に許される

例外
  1. 表現内容が真実でなく、またはそれがもっぱら公益を図る目的のものでないことが明白
  2. 被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがある

理由:裁判所は『司法権』であるから

差止めを命じた裁判所は『司法権』であり、『行政権』ではないから。

『北方ジャーナル事件』(最大判昭61.6.11)が行政書士試験で出題された例【過去問で理解度チェック】

最後は行政書士試験において、本判例が問われた過去問をご紹介させていただきます。

試験勉強としてはもちろんのこと、判例への理解を深める一助として下さいませ。

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注:問題の解答はすぐに見えてしまわないよう、タッチすることで表示されるようにしています。

ご承知おき下さいませ。

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平成7-22-2で出題された問題

問題.検閲とは、公権力が主体となって、思想内容等の表現物を対象として、発表前にその内容を審査し、不適当と認めるときは、その発表を禁止することであるから、裁判所が表現物の事前差止めの仮処分を行うことは、検閲に当たる。

正誤:X

理由:裁判所による出版物の事前差止めは『司法権』であるため、検閲にはあたりません。

『北方ジャーナル事件』(最大判昭61.6.11)をわかりやすく解説まとめ

まとめ
  1. 裁判所の事前差止めは検閲にはあたらない

参考文献

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